Character

Character

Makai Samurai

Mimiku Miku

Ixion [Mana]

You have no connection with this character.

Follower Requests

Follow this character?

  • 2

機動騎士ミミク 第七話 恩讐の箱庭 その1

Public
夕暮時、リムサロミンサの街並みに日がさす。
海と潮風が、少し寒いがとても綺麗な街並みだ。
リムサロミンサ:下甲板層は、相変わらず人で賑わっている。
貿易で、色々な品物が流れてくるこの街は活気が夜になってもその賑わいが途絶えることはない。
私は、そんな黄昏時の街並みを売店で買った海串をかじりながら、ゆっくりと眺めながら歩いた。
串に出来れば、ほろ酔い加減になれる冷えたエールが欲しい。
晩御飯は、ちょっと奮発して海の幸を使った海鮮料理。
これがあるから、リムサロミンサ歩きは好きなのだ。
等と考えていると、この時期には相応しくない一軒の急ごしらえの建物が見えてきた。
祭か何かをやっている話は聞いたことないのだけど。
建物は一応、リムサロミンサの強い海風に耐えられる作りだが、素人目から見ても長く留まる建物ではないのだろう。
そして、建物の入り口上には大きな看板がある。

『お化け屋敷』

シンプルな題名と手作り感漂う、その看板と建物全体から見て、個人がお祭りで出す様な悪く言えば学芸会の様な安っぽさを感じた。
普通の人なら素通りだろう。
見るからに、人が居なさそうだし。
ただ、私は違った。
実は、私はお化け屋敷に目がない。
言い方がおかしいが、お化け屋敷に入って、お化けを指さして笑うことが趣味なのだ。
ここはひとつ、この学芸会レベルの様なお化け屋敷に嫌がらせをしよう。
誰もが思う常識を抱きながら私はその建物に近づいた。

カウンターに座る白装束の格好で額に三角の白い頭巾をした可愛らしいミコッテの女の子に声を掛けた。

ミミク「幼女一枚」

受付のミコッテの女の子は私を見ると目を輝かせて受け答えをしてくれた。
暇だったのかな…?

ミコッテの女の子「はい、では入り口でお待ち下さい。
         準備をしますので私が『どうぞ』と言ったら進んで下さい」

何やら、おかしなことを言っている…
えっと、まだ準備が出来てないということなのか…?
これは、難癖つけて嫌がらせをしよう。
そう心に誓い、大人しく入り口で待つ。
暫くすると、奥のほうから『どうぞ』と先ほどのミコッテの女の子の声が聞こえた。
入り口の扉を軽く開けて(実際重くない)手前に、黒いカーテンをめくり進む。
中は、真っ暗だが目が慣れてくるのに暫くかかり慣れてきた時には、じっくりと周りを見ながら歩く。
特に何もない。
これは一体どう言うことだろう…?
素人でも、もう少し、色々と手を加えるものだ。
具体的には、恐怖を誘く不気味な家具だったり、おどろおどろしい人形だったり。
数歩進んだ先に、カウンターらしきものがある。
初めて、何かあると気が付き、何だろう?と思い、そのカウンターを覗く。

ミコッテの女の子「うらめしや~」

先ほどと何も変わらない白装束の格好をした女の子が可愛く舌を出し胸の前で指を下に向けるポーズをとる。
何だこれは!?
斬新過ぎて私は言葉を失った。
そんな私の姿に、ミコッテの女の子は胸の前で両手で握り拳を作り「ヨシッ!」と上機嫌に小声で笑い、奥に引っ込んでしまった。

か、可愛い…ハッ!

現実に戻った私は、つい今し方のことを思い浮かべ、苛立ちが募る。
このララフェルで美幼女の私に、可愛いと思わせるなんて、何たる屈辱!
絶対にあってはならないことだ(ルガ♂は除く)。
今、彼女は私を全否定した。
これは、何かの間違いに違いない。
私は、怒りを抑えながらズカズカと進む。
真っ直ぐ進むと、右に曲がるように矢印の看板がついている。
その、矢印をイライラしながら通り過ぎ次にあるカウンターを私は睨み付ける。
そして、そこでは

ミコッテの女の子「うらめしや~」

先ほどと全く同じ格好、同じアクションをする彼女が居た。
予想外の展開に私は再び言葉を失う。
また、私の反応を見て彼女は上機嫌に奥に引っ込んでしまう。
この時私は先ほどの怒りは、一瞬で消えてしまった。
まさか、同じ手で来ようとは…
一度ならず二度までもこの手を使うとは思わなかった。
私の体から力と怒りが薄れていった。
ミコッテの女の子が、奥に引っ込み私は少し名残惜しくカウンターを後にした。
また突き当りを右に曲がるための矢印が親切に設置されている所を曲がり、同じようなカウンターが見えた。

ミコッテの女の子「うらめしや~」

とても悔しいが、それ以上にもう認めるしかない。
彼女は実際に可愛いのだ。
何が可愛いかというと、仕草そして、種族を超えた彼女独特のオーラと呼ぶものだろう。
もう、諦めよう。
あんな物を素でやってのける人に文句を言うと、私がつるし上げられそうだ。
どっかの紳士淑女に…
予想通りだが、もう慈悲深い気持ちで眺めていた。
今なら私のやさしさで、ウルダハの周りに住まう難民の皆に私の手作り料理をおなか一杯食べさせてあげたい気分だ。
勿論、無料で。
きっと彼らは、食糧難という苦難から解放され巣立っていけるだろう。
どっかに。
そうすると、私に優しさを配る相手が居なくなってしまう。
そうだ、どっかの村を焼き払えば難民が増えるだろう。
そうすれば、私の善意をこの世界にばら撒ける。
私は、慈悲深い女神になれる。


…ん、何かおかしくね?


少し…いや、かなり名残惜しが、ホクホクと心を温めながら気持ちよく光りさす出口へと向かった。

ミコッテの女の子「待ってくださ~い」

出口を出て、幸せな気分に浸りながら帰ろうとすると後ろからお化け屋敷の女の子に声を掛けられた。

ミコッテの女の子「あの…お化け屋敷どうでしたか…?」

顔を高揚させながら、嬉しさを無理に抑える仕草がまた可愛かった。
なので、私は素直に心の内にある言葉をそのまま述べた。

ミミク「ほっこりした!」

私の満面の笑みに、彼女の笑顔が凍り付く。

ミコッテの女の子「えっ、で、でも先ほど凄くビックリしていましたよね…?」

ミミク「うん、あまりにも可愛かったので、お化け屋敷と勘違いしたよ」

ミコッテの女の子「そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁ~」
ミコッテの女の子は、その場で頭を抱えて落ち込み始める。
尻尾までもが、元気なく、ふにゃふにゃと垂れ下がっている。
一体どう言うことだろう?
ここは、お化け屋敷という名のほっこり屋敷なのではないのだろうか?
言葉なく、両手を地面につけて落ち込む彼女は夕焼けに照らされて、なんだかほっとけない気持ちにさせられる。
それに、周りを歩く何も知らない通行人の目が私に刺さり、とても居心地が悪い。
なんだか、あまり儲かりそうな気はしないけど話を聞いてみるかな。

ミミク「あの…一応私、何でも屋みたいなもだから、
    お困りなら話は聞きますよ?」

そう答えると、彼女は目を潤ませながら私を見つめ返した。

ミコッテの女の子「ほん…とう…ですか…?」

そう言って彼女は眼尻に涙を浮かべ、私にすがる様な眼で、こちらを見つめてきた。
その瞳はずるい。
…可愛いは正義だ。
まさか、自分以外にこの言葉がしっくりくる相手に出会うとは夢にも思わなかった。

続く。
Comments (2)

Sillvis Fan

Mandragora [Meteor]

いよいよ始まりましたね~無理せず更新してくださいね楽しみに待ってます(笑)

Mimiku Miku

Ixion [Mana]

シルビスさん、ありがとうございます。
取り合えず、あげていこうと思っています。
面白くなくても( ^ω^)・・・
Post a Comment

Community Wall

Recent Activity

Filter which items are to be displayed below.
* Notifications for standings updates are shared across all Worlds.
* Notifications for PvP team formations are shared for all languages.
* Notifications for free company formations are shared for all languages.

Sort by
Data Center / Home World
Primary language
Displaying