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Yuki Nekomiya

Chocobo (Mana)

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小話: 儚き夜を胸に抱いて(13)

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* * *

 未来のことを話しているはずなのに、どうにも拭えない予感がして、ラサラスは微かに眉をひそめた。
 『この戦いが終わったら』なんて、ある種、定番の雑談ネタのひとつだろう。食べたいもの、会いたい人、行きたいところ。他人から見ればささやかでくだらない事だとしても、当人にとっては生きる希望だなんてのは、よくある話だ。死を覚悟しているとはいえ、こうした『小さな未練』のおかげで命を手放さずに済んだこともある以上、互いの生還を願う儀式としてはかなり有用かもしれないとも思う。
 だから、ラサラスも深く考えずにその話題に応じたし、隣に座る水晶公に尋ね返したのだって、深い糸があったわけではない。
 だが。
 穏やかに、先の事を語る水晶公の声音に、絶望の色はない。諦めも哀しみもない。ただ……まるで強い憧れのような希望を語りながら、かなわない未来を確信している、そんな深い声音だと思った。
(願うのなら、つかみ取りに行けばいいのに)
 もちろん、それを許さない事情があるのだろう。けれども、伝えてくれればともに打開策を考えることもできるし、代わりに何かしてあげれることだってあるかもしれない。もどかしいけれども、水晶公自身が何も語らない以上、ラサラスにできることはひどく少なかった。
 海に囲まれた島といえど、海岸から距離があるせいか、吹き抜ける風は少し乾いている。深く目深にかぶったフードの縁がわずかに揺れるけれども、その奥の表情はまったく見えない。
(この人は、『何』を見てるんだろう)
 隣に並んで座って、同じ景色を見ているはずなのに、なぜか遠く感じる。きっと彼は、自分とは違う景色を見ているのだろう。コルシアの大地と海と空の向こう、レイクランドのクリスタリウムか……あるいはもっと遠い『どこか』か。
 いつか、哀しみではなく喜びとともにそれを知る事ができればいいと、そう思った。
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