Character

（※ここから先、ロールプレイ的日記、つまり創作物があります。また、若干のネタバレを含むことがあります。ご注意ください）



◆霊６月１日◆
　再現術式を一応組むため、シロガネの私邸へ戻って来た。
　ロスはいくらかのお土産を自分の箱にしまったようである。

　さて、今回は……前回のものほど凄惨なものではなさそうだが、実行してみなければわかるまい。
　なんだか情報量が”重く”、異質なものの再現も含まれるため、術式の構築にはてこずりそうだ。



◆霊６月２日◆
　今回の術式は以前にもまして疲労が強い。どうやら、一種のポータル魔術に近いものが内包されているようで、疑似的とはいえ「何かが呼び出される」ことを再現するのは、なかなか骨が折れる。
　ただ何かが現れるだけではだめなのだろうか？　とも思ったが、そもそもが「再現」であるから、変えようがない。ダエグ＝ティールからよこされた”欠片”も、今ある以上の情報はない。

　慎重に行おう。万一召喚術が起動して、私の家や周辺に得体のしれないものが呼び出されてはたまったものではないからだ。



◆霊６月３日◆
　おおまかな仕組みは前回からの流用が効きそうなので、そのようにして……あとは今回の「例外」にどう対処するかが問題だ。
　呼び出されてくるものが、蛮神などの想いの結晶とはまた違うような、似ているような。そんな印象を受ける。
　実際に何が飛び出すかはやってみなければ分からないだろうが……
　実行は年が明けてから、さらに時間が経ってからだろう。

　それくらい複雑だ。
　ふと目を向けたところ、ロスが戦利品（？）をならべてくるくる回っていた。喜んでいるらしい。
　なんとも、ロスのせいというべきかおかげというべきか、緊張感が足りなくなることが最近は多いように感じる。



◆霊６月４日◆
　マーケットボードで必要な物資を発注したあと、シロとアコニが話してるところに遭遇した。
　年末年始の予定について聞かれたが……大型の仕事が入っているので不明瞭、と返しておいた。
　とはいえどこかで休養を取ることもあるだろうから、そういったときにでも、クガネ、アジムステップなどへのあいさつ回りに同行してもらうのは良い案かもしれない。



◆霊６月５日◆
　マテリアに術式必須品、食料にシャード……この冬必要そうなものはだいたい揃ったろう。
　あとは……アコニにも話したが、少し服を考えてみるのもいいかもしれない。
　まあ、結局魔術的にはいつものローブが都合いいのでそこは変わらないが、平服、というやつだ。
　季節に合わせるとか。おしゃれをするとか。……割と遠い世界のことではあるが、まあ気分転換というやつだ。悪くはないだろう。



◆霊６月６日◆
　ひとまず、コートを一着用立ててみた。届くのは少しかかるが……どうだろう。もともと男物だとのことで、それなら充分丈夫で温かいだろうと思ったのだが。
　今度の仕事は予算が随分かかる……とはいえ、大きな仕事はこれくらいだ。臆せず、充分に働けばよい。単純な話だ。



◆霊６月７日◆
　今日はロスを連れてブロンズレイクへ。仕事前の息抜きも兼ねている。
　温泉というのは土地差があるので、泉源豊富なひんがしに居を構えていても、こうして遠出をするのは悪くない。
　ロスもたっぷり泳いだりして楽しんだようだ。
　いよいよ明日からは本格的に大仕事の準備が始まる。ここでしっかり英気を養って挑むこととしよう。



◆霊６月８日◆
　仕事の前準備としてラノシア、リムサ・ロミンサに滞在。
　術式道具などを受け取る予定だ。
　……その素材を納品し、製作は一日仕事なので今日私のやることはこれだけだ。
　明日あたりには私が術式によって装備を補強する。
　おしゃれ……とは程遠いいつものローブに。また強化術式を施すときがきたのだ。



◆霊６月９日◆
　ひととおり強化術式を施し、これでまたローブも杖も（特に杖は一度も交換していないし）強くなった。
　もう少し定着が落ち着けば、再現術式もより容易になるだろう。
　こういった積み重ねはかなり微弱なものだが、それでも使い込んできたものには魔性が宿る。術にはうってつけなので……まあ、それで結局いつも同じ杖とローブなわけだが。



◆霊６月１０日◆
　グリダニアへ渡り、希少品の納品をする。冒険者として活動しているとどうにも溜まっていくが、使いでがないので……といったところだ。
　そういう活動の甲斐あって昇格の話は時折されるのだが、個人的には探られる部分が増えそうなのと、あとは単純に面倒なので避けている。

　が、まあ、おそらくそのうち選択の余地もないときがくるのだろうが。



◆霊６月１１日◆
　本格的に仕事が始まった。……盗み見られる可能性を考慮し、日記に仔細は記入しないこととする。
　装備の状態は良好で活動には差支えないが、もう一歩、なにかほしいところだ。
　よい触媒を探すことにしよう。



◆霊６月１２日◆
　出所がわからないが、魔導兵器の破片だという物体を手に入れた。
　現象としては近いものの魔術とは異なるので、触媒としては微妙だが……エーテルを抽出できれば利用できるかもしれない。
　試す価値はあるだろう。



◆霊６月１３日◆
　魔導兵器の破片は、その性質がはっきりしないため、純化したのちに術式に利用した。
　結論としてはうまくいった。その後の仕事にも差支えることなく、今日の活動は終わった。
　今のところ、おおむね順調にきている。
　この調子でいくといいのだが……ダエグ＝ティールからの「欠片」の再現もあるので、中々気が休まらない。
　まったく、妖精というのはいつの話でも困ったものだ。



◆霊６月１４日◆
　星芒祭の催しが各地で行われ始めた。
　リンクシェルでもその話題は出ていて、紅梅御殿などにもゆきだるまが飾られるなど、今年も冒険者ギルドはあちこちで手を回したらしい。
　今は忙しいが、今度行われるという星芒祭マーケットには顔を出せそうだ。

　庭の貸し出し登録もしてあるが、何もなければ休憩所として使えるようにしておこう。
　雪が降るようにもなり、ロスはいっそうはしゃいで元気そうにしている。良いことだ。
　今年も終わりが近い。だからこそ、とりかかっている事には注力しなければ。



◆霊６月１５日◆
　そういえば、アコニが声をかけてきた年末年始は任務活動で忙しく難しそうだが、マーケットはどうだろうか？
　別に恋人同士というわけではないし義務でもなんでもないのだが、どうやらそういう節目に私となにかしたいようなので、マーケットをめぐるのはいい考えのように思える。

　だが、あちらとて予定はあるだろうから……都合よくタイミングがあえば、といったところか。



◆霊６月１６日◆
　さて、そろそろマーケットに備えて庭を飾り付けなければ。
　それだけではなく、何か……こう、それらしい私服も見繕わないといけない。個人的にはいつもの恰好で構わないのだが、せっかくのイベントなのだから服装も合わせたほうがいいだろう。

　冬用のコートならあったはずだ。ひとまずそれを着ることにしよう。



◆霊６月１７日◆
　庭の飾り付けが終わった。ロスのプールはしばらくしまっておくことになったが、まあ汚れにくい時期だし、汚れたら温泉へ行けばよいので大丈夫だろう。水分補給は私が直接水を与えるし。

　これまでにないくらい……浮ついた……というか、星芒祭らしい雰囲気になった。普段リテイナーとして活動しているエーブリエタースもはりきって着飾り、当日は売り子として活動してくれるらしい。

　うちからは花のフリーサービスと、古い書籍の写本を販売する。加えて、使いたい人がいればカウンターを使うこともできるようにし、あとは休憩所として焚火を用意した。
　エーブリエタースの服にも調温術式をかけておいたので、寒さで苦しむことはないはずだ。

　少し楽しみではある。商館も随分豪華に飾られていたし。
　賑やかになって成功すると、いい。



◆霊６月１８日◆
　商会特区は星芒祭一色だ。たくさんの人でにぎわうことを祈ろう。
　仕事のほうは……やや難航しているが、膠着してはいない。着実にことは進んでいる。
　焦らず、かつ素早く動き、確実な行動をしていけばこなせる仕事だ。落ち着いていこう。
　また、入手した情報資料の確認も行い、役立てることとする。



◆霊６月１９日◆
　いよいよ明日は商会特区でのマーケットである。
　古書店から本を取り寄せて、随時在庫から出させるようにしよう。
　あとは軽く着飾って見回って……なんとなく、それっぽく楽しむことにしよう。



◆霊６月２０日◆
　星芒祭マーケットは無事終わった。
　さまざまな出店、リテイナーの販売、果ては占いや宗教書の販売まで。
　商会特区をたっぷり使った良いイベントだったと思う。
　こちらで出品していた本も買っていった人がいるようなので、もし好評ならエーブリエタースに頼み、今後何かイベントがあるときにでも並べてみようか。

　今はロスにリース型ちぎりパンの一部と、残った焼きアーモンドを与え、私はシュトレンとちぎりパンをコーヒーでいただいている。
　シュトレンは日持ちがするようなので、しばらくおやつには困らなそうだ。



◆霊６月２１日◆
　仕事はそれなりに順調……とはいえ相当の手練れが集まる中であるため、足手まといにならぬよう食いついていく状況だ。
　ロスはというと、星芒祭マーケットのあとで少し模様替えをした庭で遊んでいたらしい。プールも置きなおしたので、水浴びもできる……のだが、そのままほっておくと微妙に表面がシャリシャリするようになってしまう。
　水温をある程度常温に保つ仕組みが必要かもしれないが、それはそれで温度差が問題になるか？
　ロスが風邪を引くかは謎だが……まあ、一応、キンキンに冷えないようにはしておこう。



◆霊６月２２日◆
　外気にあまり影響されないよう、水温が一定に保たれるように調整した。
　ロスは水浴びをしたあと割とすぐに室内に入り、タオルで転がって水分を拭くので、温度差で風邪を引く心配は少ないと思われる。
　世間では星芒祭だったり年末商戦だったりと忙しい時期だ。
　おとといのように浮かれるのも悪くないが、やはり私はなんというか、固くいくのが気が休まる。
　いつものローブに袖を通し、いつもの杖を持って仕事に向かう。
　それでいい。穏やかで平和な時間こそ、かえってスパイスになるくらいがちょうどいい。



◆霊６月２３日◆
　仕事に進展が見られた。もうじき大詰めといったところか。もちろん、気は抜けない。
　むしろここからが勝負だ……とはいえ道程でやや躓いてしまったので、次回には改善できるようにしよう。

　年明け、あいさつ回りの予定を考える。初日……はちょっと不躾だろうから、２日以降だろうか。
　おそらく仕事も終わっていないが、そのあたりには休みの辞令が出ている。
　クガネとアジムステップを回る予定だ。



◆霊６月２４日◆
　ロスがゴワゴワしていたので刈り込んであげる。だいぶ慣れてきたもので、あまり時間はかからなかった。
　その後は仕事……だが、今回はかなりの難所となりそうだ。充分に準備をして、研究を欠かさずして挑むべきだろう。

　明日はその任務も休みなので、ロスとどこかに行き、それから少し豪勢な食事をするのもいい。
　星芒祭に乗っかる、ということだ。



◆霊６月２５日◆
　ロスと温泉に行き、潮風亭で少し豪勢な天ぷらそばを食べた。いくつか階級があり、一頭いいものだ。
　ひんがしの風習では年末にそばを食べるので、その時にはまたお世話になるだろう。
　今日はゆっくりと英気を養い、明日からまた大きな仕事に戻ることになる。
　また少しすれば年末年始で休養だが……最後まで気を抜かずにいこう。



◆霊６月２６日◆
　進捗はそれなり。癒し手としての腕前が問われる場面が多い。
　欠員が出たため補充しての仕事だったが、普段と違う癒し手の相方というのは勝手が変わるものだ。
　だが、それによってまた経験も積まれる。
　明日には今日の成果を存分に出せるだろう。



◆霊６月２７日◆
　進捗はゆっくりとだが進んでいる。
　かなりの難所に突入しつつあるが、これを超えれば少しは楽になるだろうか。
　年内には難所を打開し、新年からの活動はスタートダッシュを決めたいところだ。



◆霊６月２８日◆
　難所の攻略にやはり難航する。だが私のやることは明確になってきているし、着実に進捗している。
　焦ることなく、しかし迅速にことを成そう。早ければ早いだけ、あとが楽だ。



◆霊６月２９日◆
　今日はゴールドソーサーでの特別麻雀大会とやらを見に行った。
　非常にレベルの高い戦いで……多分。私では到底勝ち目のない人々だろう。
　ロスもなんとなく楽しそうにしていたが、ルールを教えたらロスでも麻雀を打てるようになるのだろうか？

　その後はいつもの仕事。の、復習部分となった。スムーズに進行し、早めに解散。
　明日は今年最後の活動だ。気合をいれよう。



◆霊６月３０日◆
　年内最後の仕事が終わった。いわゆる仕事納めになるだろうか。
　状況としては、依然目標は遠いが着実な進捗だ。年明けにむけて鈍らないよう、注意しよう。
　明日は、例年通り年越しの術式をするのと、あとはロスのおとしだまを作ってみることにしよう。もちろん内緒で、ロスが外で遊んでいる間にサクサクのクッキーを作る。

　年越しそばを出前でとっておき、作業中に頂くことにする。
　そうして、また一年が終わりを告げる。……最後まで。私は私として歩もう。



◆霊６月３１日◆
　今日はロスを外で遊ばせておいて、クッキーの試作と整理片付けを行った。
　それに買い出しも……クガネでいつも仕入れている商店は新年には休んでしまうので、早めにすませておく。
　そして夜には年越しの術式だ。
　今年も無事、乗り越えることができた。
　だが、まだ大仕事が残っている。
　それでも、この時間はゆったり過ごそうと思う。
　術式もそう複雑ではないし、終わったらなんとなくぼんやりと、静かに眠くなるのを待つ予定だ。
　次の一年も、良いものでありますように。