何故に、コレにソレが入っているのか。
子供のころは疑問に思うものである。
ソレがツンと鼻にくれば、味がすべて吹き飛んでしまう。それを良しとする大人の嗜好というものは、理解しがたい世界だったはずだ。
コレとは寿司であり、ソレとはワサビである。
辛みは痛みの類であり、苦痛の一つである。辛みは辛いのだ。からいもつらいも同じ漢字であることからも、それは理解できるだろう。
だがいつしか、ワサビ入りの寿司が普通に食べられるようになり、むしろ入っていないと物足りなくなる。
大人になると被虐的な嗜好が生まれる、という話ではない。
ワサビには殺菌作用があるという。
しかしその殺菌作用がある「毒」は、ワサビ自身の成長を阻害する成分があり、土の中で栽培するとうまく育たないそうだ。
その毒を捨てるため、ワサビ(沢ワサビ)は流水の中で栽培するらしい。
ひとりの人間をワサビに譬えるならば、その精神を蝕んでしまう自分自身の毒を、どのように捨てれば良いか。人間にとっての流水とは何か。
それは、独りにならないことかもしれない。あるいは、他人と一緒にいる事が苦手ならば、外に出て自然に触れることかもしれない。
疲れた心を汲み、元気を呼び戻すような人間関係であれば、毒は意外にも早く浄化されるだろう。
人間同士の打算が介入しない自然の前では、ありのままの自分を思い出すことができるだろう。
関心が外に向きやすい状況に身を置き、自分の毒が自身の中だけで悪循環しないようにする事が肝要と思われる。
そうして精神的なデトックスを行う事により、人間は昨日の自分より、少しはマシに成長していけるのかもしれない。
(構図もなにもありゃしねぇ)さて、FF14である。
日記のタイトルが、珍しくFFっぽくなっている。恐ろしい。
久しぶりにFCフルメンバーでパーティーを組み、ボズヤにて攻城戦に挑んだ。
が、攻城戦に臨むヒカセンは、始めは我々を含めて15名であった。クリア不可能と踏んだのか、時間が進むごとに人数が減り、最終的には我々のFCのみの8名となった。
しかし、そこで我々は引き下がらなかった。
初見の人もいるし、せっかくだから……と、無理ゲーを承知で突入する。戦果の減少なんて誰も考えてはいない。誰も考えてはいなかったはずだ。考えてないよね? 私? か、考えてなかったよ?
身内だけだからこそ、いろいろな無茶ができる。これが醍醐味である。
1戦目は、上下で4人ずつに分かれた。
私のいる上組はタンク不在の最初っからクライマックスグループであり、楽しかった思い出を映す走馬灯が10万馬力で回転してどこかに吹っ飛んでいった。残されたのは「無」である。うごごご!
そして私は記念すべき最初の死者となり、床の味を堪能した。うむ、ピリリと辛い。
2戦目は全員で下に挑み、「さぁ、俺たちの友情パワーを見せつけてやろうぜ!」と少年ジャンプ的展開を繰り広げようと駆け出した矢先、何らかの攻撃で一斉に蒸発。主人公が意気揚々と旅に出た瞬間、トラックに轢かれて死亡する漫☆画太郎の漫画のような状況になった。うむ、辛すぎて呼吸困難。
そこで今回はタイムアップ。上から攻略したらどうなるんだろう……また同じ状況になったら、試してみたいものである。
そんなわけで、負け戦と分かっていて挑んだ攻城戦ではあったが、不思議と充実した時間を過ごせたように思えた。
これはきっと、デトックスが行われたに違いない。明日からも多分、頑張って生きていける。エスナを受けると、こんな気分になるのだろうか。
あ、久しぶりにプレイ日記みたいなことを書いている。ああ、恐ろしい。