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G'emberto Nunh

Titan [Mana]

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FF14 (勝手に)外伝 亡国の冒険者達 7

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 第四話 冒険者達

グリダニア

 エンベルト・ジェーニオにとって初めての旅は、予想してしていたより楽だったかもしれない。
それは、エオルゼア各地の街道が整備されている事にもよるが、それ以上に武術家としてのエンベルトの実力による事も大きかった。
街道沿いはまだ安全だが、一歩外れると、魔物や猛獣、野盗等が出没するのだが、エンベルトにとってこれらを退治するのは容易い事だったからだ。
「これは師父にはお礼の言葉も無いなぁ」
実感である、物心ついた頃から武術の基礎を教えてくれたアルキゴスあっての事だと思った
 それにしても、心が痛むのは途中の村や町で見かけるアラミゴ難民らしき人々の姿である。老人や子供の姿も多く、手持ちの食料を分けたり彼らの為に獣を仕留めたりしたが、エンベルト一人の力でなんとかなる物ではなかったからだ。
 
 グリダニアに辿り着いたエンベルトはまず槍術と弓術を学ぶつもりだった。
排他的なグリダニアではあるが、グ・エンベルトの認めた紹介状を持って碩老樹瞑想窟のエ・スミ・ヤンを尋ねた所、どちらにも心良く入門させて貰えた。そして驚いたことに幻術をも学ぶ事ができる事になったのだった。
 「持つべきもの物は良い友と言うが、本当なんだなぁ、あいつは無事にウルダハに着いただろうか?」
この時のエンベルト・ジェーニオの素直な感想である。

 一度入門してしまえば、武術の基礎はできているエンベルトである、弓術には少し手間取ったが直ぐに頭角を表し、数年後には鬼哭隊や神勇隊に誘われる様になった。グリダニアはかってアラミゴと『紅葉戦争』で戦った国である、エンベルトが実はアラミゴ王家の血族で有ると知られたら大変な事になったかもしれない。
 そう言う意味でも、母がストラティゴス姓では無くジェーニオの姓を名乗らせたのは正解だったかもしれない。
 
ウルダハ 

 グ・エンベルトはウルダハの正面玄関、ナル大門に到着した。
同行した商人とはここで別れ、道中護衛の礼として、幾らかのギルと「蜂蜜酒」を数本貰った。

 門の脇には貧民街がありアラミゴ難民の姿を見て衝撃を受ける、三歳の頃の記憶が有るわけでは無いが、何故か初めて魔法を使った時の事は覚えているからだ。
 グリダニアは難民を受け入れていないが、その難民達はここウルダハに流れ着いて悲惨な暮らしをしている、グリダニアの政策は正しく無いのではないか?
この時グ・エンベルトの心に浮かんだ疑問である。

 ウルダハに着いたグ・エンベルトは早速『呪術士ギルド』を尋ねると義従兄からの紹介状を見せて入門したい旨を伝えた。
すると、受付の係は紹介状を見る事も無く入門を認め、エンベルトに呪具を渡すと入会金と月謝、呪具の料金を支払う様に言うと『ギルドマスター・ムムエポ』に挨拶する様に告げた。
 拍子抜したエンベルトだったが言われた通りにムムエポに挨拶をすると
「授業は週5回の午前中だ、それ以外はここの書物で自習、何か会ったら指導教官の『ココブキ』に聞きたまえ、それと月謝を払わなければ即座に除名だからそのつもりで」
とあっさり言われ、更に驚いた。
「ここでは金さえ払えば術を誰にでも教える」
と言う事が衝撃だった、グリダニアの幻術は素質のある者にしか教えないし、その審査は幻術士数名が当たる事になっているからだ。
 
 ウルダハでのグ・エンベルトの一日は早朝に起きて、寄宿させてもらっている「格闘士ギルド」で修行
(エンベルト・ジェーニオからの紹介状が役に立ったのか、商人から貰った「蜂蜜酒」が役に立ったのかは定かでは無いが、ギルドマスターは心良く入門させてくれただけでなく、部屋も無料で用意してくれた。)
午前中は「呪術」の修行、午後は「剣術士ギルド」で剣を学ぶ、更に暇な時はグリタニア時代と同じ様に
裁縫師ギルドや彫金師ギルド、錬金術師ギルド等で下働きをしながら技術を学ぶ事にした。
ただ呪術の修行の為という事で墓を売りに行かされたのには閉口したが・・・
 
 グ・エンベルトはたった数週間で殆どの呪術を覚えてしまった。
何故なら術の基本が幻術と全く同じだからである。
 環境エーテルを集めて、呪具に集中し術を発動する。
霊極性に属するエーテルを使用し治癒に特化したのが幻術で、星極性に属するエーテルを使用して
攻撃に特化したのが呪術で有ると言っても間違いでは無いだろう、集めるエーテルの属性と武具が違うだけで、言わば同じ魔法の表裏と言う事だ。
 
 「クックック、君がグリダニアから来たグ・エンベルト君ですか、どうやら幻術を習った事がある様ですねそして、二つの術が同じ物だともう気が付きましたか」
指導教官のココブキがグ・エンベルトエンベルトに話しかけて来た
「はい、驚きました」
「この事に気が付く術者は少ないですよ、まして両方使いこなせる者は殆ど居ません、君は貴重なサンプルになるかもしれませんね、一つ忠告して置きます、呪術と幻術を同時に使おう等とは思わない事です」

 あからさまに態度の怪しいココブキである、黒魔法を使ったのはこの男かもしれない
エンベルトは警戒する事にした。
「それにしても、『呪術と幻術を同時に使うな』とはどう言う事なのか?、使ってみろと言われた気がするが実験してみよう」

 その夜、門外の人気の無い場所でグ・エンベルトは大岩に向かって、まず呪術ファイガを放ち、次に幻術ストンラを放つ。
「なるほど、こうすると術の威力が大幅に上がるのか、しかも環境エーテルの消費量も普通じゃ無いな」次は右手に幻具、左手に呪具を持ち同時に魔法を放つ・・・
 「うわなんだこれは」
 大岩は一瞬で姿を消し周囲に有った木や草が全て枯れ、土は砂に変わっている。
周囲の環境エーテルが枯渇しているのがわかる。
 威力の弱い呪術や幻術でこれなら、高位魔法である黒魔法や白魔法を同時に使ったらどの様な事になるか、用意に想像できた。
 
「クックック、グ・エンベルト君やっぱりやって見ましたね」
ココブキだ、見られていた様だ、グ・エンベルトは身構えた。
「グリダニアの幻術士、いや白魔道士のグ・エンベルト・ティア君、君がギルドに来た時から
わかっていましたよ、君からは尋常では無いエーテルが溢れていますからね、ギルドまで戻りましょう
君には話しておく事があります」

 ココブキから聞いた古の「マハ」の黒魔道士と、古都「アムダプール」の白魔道士の争いが両都市を
壊滅させる原因だった事を知りエンベルトは驚いた
「だからこそ、我々は黒魔法を禁忌として封印し、グリダニアは白魔法を角尊のみに継承させる事で実質上封印していたのです、所が誰かが黒魔法の禁忌を解いてしまった」
「すみません、私は貴方がそうだと思っていました。」
「私はそんなに怪しいですかねぇ?どうでも良いですが・・・改めて君にお願いします、黒魔法の禁忌を破ったのは誰か調べてください、指導教官としての私の権限で、今から、貴方を正式にウルダハの『呪術士』として任命いたします、君の実力はもう充分その資格が有りますからね、ここの施設はは無制限に使っていただいて結構です」

 こうして、グ・エンベルトは幻術士ギルドだけでは無く呪術士ギルドからも依頼を受けて、黒魔法の禁忌を破った者の調査にあたる事になった。
 しかしこの結果、グ・エンベルトは『シャトトの魔石』を手に入れ、自身が黒魔法を使える様になってしまう、自らが禁忌の黒魔術士になってしまったのである。
 基本が癒しの術で有る白魔法と違い、黒魔法は純粋な攻撃と破壊の術である、その術を閉鎖的なグリダニアが認める事は絶対に無い事は簡単に理解できる。
更に黒魔道士として、『ヴォイドゲート』を封印すると言う使命も授かってしまった。
「困った、これではグリダニアにはもう帰れないな、さてどうした物か?」
 
 三年後、黒魔道士としての使命を果たしたグ・エンベルトはウルダハで売り出し中の剣闘士になっていた。
幻術士としてグリダニアに居れば生活の心配は無かったが、今は一冒険者の身であり物価の高いウルダハで生活するにはこれが一番手っ取り早い選択だったからだ。
 幻具を剣の柄に、呪具を剣の鍔とした片手剣を作り、魔術と剣技で闘う剣闘士として人気がある。
「グ・エンベルト、御指名だ、ラウバーン様がお前と戦いたいと言っている、どうするね?」
「もちろん相手が誰であろうと戦います、ラウバーンさんて、ここで1000勝した元王者で今は砂蠍衆ですよね、相手にとって不足は無いです」

 グ・エンベルトとラウバーンの戦いは超満員のコロセウムで行われた、事前の掛け率は8対2でラウバーンである。
「まぁ仕方が無いな、相手は1000勝の元王者だからな」
 試合が始まった、グ・エンベルトの戦い方の基本は離れた所から術で攻撃し相手が怯んだ所で槍術士の技ジャンプを応用した飛び込みから剣撃、その後また遠隔攻撃をするスタイルである。
 普通の相手なら、最初の術でギブアップさせる事も可能で、次の剣技を耐えた者は今まで居なかった。

 だが、ラウバーンは違った、術を敢えて受けると剣技を待ち構え、カウンターで剣を振るって来る。
攻撃したグ・エンベルトの方が傷を受ける、何度か術を変えて試してみたが無駄の様だ
 「どうする、これ以上術の力を上げたら殺してしまうかもしれない・・・」

「俺の負けだ・・・」
ラウバーンが宣言した、コロセウムに大歓声が沸き起こる。
確かに手数はグ・エンベルトの方が多いし派手な技なので、見た目だけではグ・エンベルト優勢に見えただろう
だが、実際は違うのをグ・エンベルト自身が一番良く知っている。
「何故勝ちを譲ったのですか?」
試合後ラウバーンの控え室を訪ねたグ・エンベルトは問い詰めた
「貴様の体格では剣技だけで俺の様な大男を倒す事はできない、刺し殺せば別だがな、
だから、術を使い隙を作りスピードの有る剣撃で有効な攻撃をする、見事な技を考えたな」
だが、俺は同じ様な技を使う奴を、昔アラミゴで見た事がある、だから俺には効かないかった
それだけだ」
「それより、俺は貴様に興味が合ってな、どう言う男か実際に戦ってみたかった」
「貴様も今帝国がエオルゼアに侵攻しようとしている事は知っているだろう?
だからウルダハでは古のグランドカンパニー不滅隊を復活させようとしている、どうだ一緒に戦わんか?
給料は剣闘士より安いがな」
 グ・エンベルトの本来の身分はグリダニアの幻術士である、それが他国の正規軍となるグランドカンパニーに参加する事は有りえない事ではあったが、ウルダハに来て以来、グリダニアの閉鎖的な体制に批判的になっていたグ・エンベルトは二つ返事で了解した、不滅隊に参加する事に決めたのだった。

 一方グリダニアではエンベルト・ジェーニオが、平穏な修行の日々を送っていたが、彼もまた、亡き父の祖国アラミゴを併合したガレマール帝国のエオルゼア侵略と戦うために、再編されたグランドカンパニー双蛇党に参加する事を決めていた。
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