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Kiba

Lux Xiv

Carbuncle (Elemental)

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  • 4

大氷壁で行き詰まる

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(やっぱりこうなるんだ……)

スノークローク大氷壁の円庭で、僕の身体はカチコチに凍りついていた。四肢がピクリとも動かない。
思えば道中、上手く行きすぎていた。一度も道に迷わなかったし、巨大なイエティにだって果敢に挑んでうち倒した。猛吹雪で体の節々が痛んだけど、痩せ我慢をしながらパーティの先頭を歩いた。
そしてーー

ーー僕は氷漬けになっている。

フェンリルというらしい、クジラくらいある狼が一鳴きすると、身を斬るような冷気が僕の身体を包み込んだ。きっと上手く躱せる方法があったのだろう。それなのに僕は、天井から降ってきた家の柱より太い氷柱が、あらぬ方向にすっ飛んでいったから、そっちに気を取られていたのだ。
見ればパーティのみんなは一本だけ残った氷柱に隠れて、やり過ごしているようだった。
(この氷が溶けたら、次は僕も…)
そんなことを考えていたら、フェンリルが僕に飛びかかってきた。体重推定、何トンという化け物狼に前足で押さえつけられると、僕の固まった腕が片方ポッキリと折れてしまった。そのままフェンリルは僕を齧った。ショートソードくらいある、鋭い牙が身体を貫通した。焼けた鉄の棒で身体の中を掻き回されているようだ。
「ーーーーーーーーーーーーーーッ!!」
自分が叫んでいるのか、いないのかもよくわからない。ヒーラーさんが必死に、僕に回復の魔法をかけてくれている。その為なのか、死ぬほど痛いのと、尋常じゃなく痛いのが交互にやってくる。

ーープツン

唐突に僕の意識が途切れた。なんて形容するのかわからないけど、たぶん死という概念が一番近い気がする。
けれど、この世界ではダンジョンで死んでしまってもやり直しがきくのだ。僕は神様みたいに俯瞰した視点からパーティのみんなの戦いを見守った。みるみるうちにフェンリルが弱っていく。僕はキンキンに冷えた床で、馬車に轢かれたカエルみたいな姿で、蘇生されるのを待った。
(次は、あの氷柱に隠れてやり過ごす。狼が鳴く前に柱に隠れて……)
僕は呪文みたいに心の中で繰り返しつぶやいた。
でも、試す機会はなかった。
パーティのみんなはそのままフェンリルを倒しきってしまった。今までに何体のフェンリルを狩ってきたのだろう。 
「ありがとう。楽しかったです」
「おつかれさまでした」
「お疲れ様でした。良い旅を」
僕が息を吹き返す頃には、パーティのみんなは言葉を残して颯爽と去っていた。
「お世話になりました。ありがとうございます」
僕の声が誰もいない空間に虚しく響いた。 
たぶん、パーティのみんなは怒ってはいないと思う。呆れたりもしていないと思う。ただ面倒な荷物を抱えて、何百、何千と繰り返してきたダンジョンに行って、帰っていく。それだけのことなのだから。大多数の人は、もう二度と会わない相手にその都度、感情を向けたりしてはくれないだろう。
だから、この迷惑をかけて申し訳ないという気持ちは、ただの驕りなんだ。

でも、それでも何とかしなくてはいけない。向いているとか向いていないとかではなく、最低限やれることはやらないといけない。本当のパーティではないのかもしれないけど、それでも…一緒に冒険をしてもらっているんだから。

僕はダンジョンを出ると、ボロ雑巾のような状態のまま街の図書館に行った。鉄は熱いうちに叩けと言う。この気持ちが冷めてしまう前に行動を起こさないと、僕はずっと今のままだ。
(スノークローク…スノークローク…)
目的の一冊を見つけると、僕は席についた。向かいの席に座っている竜騎士と思しき冒険者が、僕に負けず劣らず深刻そうな表情で本を読んでいた。彼も壁にぶつかって、行き詰まっているのだろうか。
僕は少しカビ臭くなっている本を開いた。
ララフェルの挿絵が入ったその本にはーー
1.吹雪は痩せ我慢せず、当たらないところに移動する
2.イエティには雪玉をぶつける
3.フェンリルが鳴く時は氷柱の陰に隠れる、そうしないと氷漬けになる
ーー僕の知りたかったことが全部載っていた。
(……なんだ簡単じゃないか。僕は知らなかっただけだ。これで大丈夫……)

僕の心に平穏が訪れた。と同時に、さっきまでの熱が急速に冷めていった。
(明日になったら、スノークロークにもう一度行ってみようか……でも、頭で考えるのと実際にやるのとでは大違いだろうし……もっと簡単なダンジョンに行って、慣れてからでもいいかな……)
僕は本を閉じると、重い足取りで元の書架に返しに行った。今日は何だか疲れてしまった。家に帰って眠ってしまおう。

図書館を後にしようとすると、先程の竜騎士がちょうど本を読み終えたところだった。
彼は、本を返すと、机の上に置いてあったヘルムを手に取り頭にかぶった。ガシャンとヘルムの面甲を下ろすと、立てかけてあったランスを握りしめた。
僕はーー彼の後ろ姿を見送った。背筋を伸ばして堂々と歩くその姿からは、さっきまでの頼りなさが消えていた。きっと彼は壁を超えられる。まるで物語の主人公みたいに。
冒険者に成り立ての頃は、僕もそうだと思っていたけれど、どこかで道を違えてしまったみたいだ。
その夜は、いろんな思いが頭の中を駆け回って、身体はヘトヘトなのになかなか寝つけなかった。

Comments (4)

Mitsuha Mi

Titan (Mana)

こんばんは😃

日記を一通り読ませていただきました❗️
とても優しく、それでいて努力家できちんと周りのことも考えていらっしゃいますね
素敵なことです❣️
誰でもできることではないのでその哀愁と最チャレンジ精神をもってこれからも楽しいエオルゼアをお過ごし下さい🙇‍♀️

Ui Fjym

Aegis (Elemental)

こんばんわ‼︎
独特な視点と緻密な描写が、小説を見てるようでとてもおもしろい日記だと感じました(*´∀`*)
次も楽しみにしてます(o^^o)

Lux Xiv

Carbuncle (Elemental)

Mitsuhaさん、こんばんは
返事を考えていたら丸1日経ってました。ごめんなさい
いろいろ考えていたら、何を言っていいのかわからなくなってきたので、コメントをいただいたときの素直な気持ちを書いておきます
この日記を見つけてくださってありがとうございます
とっても嬉しいです!

Lux Xiv

Carbuncle (Elemental)

Uiさん、こんばんわ‼︎
コメントありがとうございます
ダンジョンで嬉しい出来事があったのでそのことを書こうとしたのですが、長くなりすぎて途中で書くのをやめたら、こんな感じになりました
次があったら、きっと明るい内容の日記になると思います
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