久々のぱぴるすメイン日記っ!!
もぅ何度も何度も消しては書き〜書いては消して来た、このとても繊細な回をようやく投下ですっww
賛否両論ありそうなとほぱぴのキモチの揺れ動きをどうぞご覧ください (汗
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!!注意 ある重要人物の失踪 〜 からナマイ村での確保 まで、サクッとあらすじとバンバンSS掲載!!なんで・・・!?
記憶がもどったの・・・!?
お屋敷とは反対側に行く舟の中は、誰もが無言でした。
捕虜交換の前に、アサヒとの最期の対面を果たさせ、帝国のヨツユではなくドマ人のツユとして、新しい人生を歩ませる。
そう決めたばかりだというのに、ご当人であるヨツユがすっかりお屋敷から消えてしまったというのだから、無理もありません。
ホントは、記憶があった・・・?
それとも、急に記憶がもどった・・・?
そうでないとしたら、一体どこへ?
混乱する頭に、明確な回答をくれる人は、ここにはいません。
とにかく、早く見つけなくちゃ。
船頭さんに聞いてみたら、ヨツユらしき人物は、どうやら舟を使って対岸へ渡ったようなのです。
記憶が戻っていようが、子どものままでいようが、ヨツユのあの姿は、ドマの人々にとってどうしようもなく恐怖と憎悪の対象でした。
万一、ドマのみんなと鉢合わせたりしたら、きっと大混乱でしょう。
わたし達は、ヒエンさまの指揮のもと、手分けしてヨツユを探すことになりました。
ユヅカの代官屋敷で、ヨツユらしき人物がナマイ村の方へ向かったことを知って、ますますわたし達の焦りは募ります。
お願い・・・
何事もなく、無事でいて!
驚きました。
記憶が戻ったとしたら、
危険なのは村人かもしれないのに。
だけど、わたしはこの時確かに、ヨツユの無事を祈っていたのです。
村人の誰かと鉢合わせして、恐怖に駆られた村人に、何か酷いことをされていたらどうしよう。
どこかで怪我をして、動けなくて泣いてたらどうしよう。
ヨツユさん・・・
ツユさん、無事でいて。ゴウセツさんやユウギリさんに変化が訪れたように、いつの間にかわたしにもキモチの変化はあったんだな。
そんなことを、こんなカタチで知らされるなんて。
夜の帳が落ちて人影もまばらになったナマイ村の、少し開けた場所に、彼女の後ろ姿が見えた時には、慌てました。
とほ : ヨ・・・ツユさんっ!!
ヨツユ、と呼びかけようとした言葉を一度飲み込んで、ツユと言い直した間が、命取り。
ヨツユ : あの・・・柿をひとつ・・・屈託のない彼女の声とは裏腹に、声をかけられた村人の目が、凍りつきました。
恐怖は、伝染します。
小さく叫んだその人に驚いた他の村人たちも、次々にヨツユを視界に捉え、ある者は同じように目を見開き、ある者はこみ上げる怒りに震えているようでした。
ヨツユ : ・・・なんで、逃げるの?不気味な静けさの只中で、恐怖、憎悪、困惑・・・たくさんの視線を浴びせられたヨツユだけが、事態をまったく分かっていませんでした。
ヒエン : 騒がせてすまん!どうか皆、心を鎮めてくれ!
恐ろしいくらいに重い空気を切り裂いたのは、やっぱりヒエンさまでした。
戸惑う村の人たちに、ヒエンさまはヨツユのことを説明してくれました。
ドマ城で確かに斬ったこと、
ゴウセツと放浪していたこと、
記憶がないこと・・・
できるだけ、淡々と。
でも、冷たく響かないように。
ヒエンさまは、何でもないことのように、冷静に説明していたと思います。
だけど・・・
イッセ : あれだけのことを、していながら・・・忘れたっていうんですか、全部!?たまりかねたように、イッセさんが口火を切ると、すぐに他の人たちも声を上げ始めました。
記憶がないなんて嘘だ
記憶があってもなくても許せない
もう一度斬り捨てろ
険しい表情と声で責め立てられて、わたしだって足が竦むのに、ヨツユさんは・・・
ヨツユさんを盗み見ると、彼女の顔はすっかり色が抜け落ちていました。
ヨツユ : やっぱり、わたし・・・
大変なことをしたのね・・・とほ : ヨツユさん・・・
青白い唇から、彼女はかすれるような声を漏らしました。
ヨツユ : ごめんなさい、ごめんなさい・・・
・・・ごめんなさい!彼女の薄い背中へと、わたしが伸ばしかけた手が届く前に。
ヨツユさんは冷たい砂利をかまいもせずに、土下座をしていました。
一心不乱に、何度も何度も謝りながら。
分かってもいない罪を。
どうしようもなく覚えがない罪を。
それでも、謝り続けました。
イッセ : ごめんって・・・それで・・・!これじゃ・・・
どっちがワルモノなのかわかんないな胸に湧き上がったキモチに、驚きました。
イッセさん達に、罪はありません。
絶対に、ない。悪いのは、
悪いことをしてきたのはヨツユのはずなのに。
でも、この光景はなんだろう。どうして、わたしは今こんなに震えてるの。
どうして、わたしは今こんなに心が痛むの。
ヨツユさんの震える背中に伸ばしかけたわたしの手も、震えていました。
動けませんでした。
自分のキモチのありようも、よく分からなくて。
わたしは、
一体誰の味方でいたいんだろう。
わたしは、
一体誰を守ってきたの。アザミ : もう泣かないで、お姉ちゃん。
その小さくて、甘い声は、重く淀んだ空気をふわりと揺らしました。
アザミ : このお姉ちゃん、もう怖い人じゃないよ。
怯えてて・・・かわいそう。
小さな声に、大人たちの顔が変わりました。
それは、わたしも同じ。
これまで、ヨツユさんを「
かわいそう」と言ってくれる人がいたでしょうか。
蔑みや哀れみではなく、優しさと気づかいから、「
かわいそう」と言ってくれる人がいたでしょうか。
この子は、あれだけの怖い思いをしたのに、「今」を見てる。
アザミちゃんはまだ子どもで、自分の身に起きた怖かったことが、この人のせいだってちゃんと知らないんだ。
そういうこともできるけど、でもそれでも、この子は「
今」のヨツユさんを見てる。
人は変わる。
生きていれば、人は変わるんです。
ヨツユも、
村の人たちも、
そしてわたしも。ヒエン : 記憶が戻らぬかぎり、ヨツユ・・・いや、ツユは、傷を負ったドマの民のひとりとして扱う。
空気が変わったことを敏感に捉えて、ヒエンさまはゆっくりと口を開きました。
監視をきちんとつけること。
無断で村にこさせたりしないこと。
さきほどと変わらぬ口調で、ヒエンさまはゆっくりと説明しました。
村の大人たちは、割り切れないキモチで、それぞれに下を向いたり、顔を背けたり・・・
それでも、先ほどのように激しく反対することはありませんでした。
アザミ : イッセにぃ・・・?
イッキ : わかったよ、アザミ・・・
お前が納得するなら、俺はそれでいい・・・
お前が怖い思いをしないのなら、俺はそれだけでいいんだ・・・夜の帳が落ちた小さな村に、その声だけが優しく、切なく響きました。
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紅蓮の終盤は、「罪のありか」が一つの大きなテーマだったと思うんですよね。
立場によって、人との関わりによってモノゴトの見方は大きく変わるし、それのどこかに優位性をつけるとしても、それさえつける人の立場に左右される。
すごく難しいですよね・・・
この辺りは、ずっとため息をつきながらメインを進めていたので、とても書くのが大変だけど、こうやってゆっくり書いていこうと思います。
明日も、楽しいエオルゼアでありますように。