「おー、えらいえらい、がんばってるじゃん調理師」
エレゼンがぼくの横に来てほめてくれたが、
マケボを使わずに調理師を80にする縛りプレイの途中、その調理師の頑張りが空回りしていることに気がついて、ぼくはあまり心地よくないぼんやりをしていた。
「漁師をがんばらないと調理師がすすめられない。使う魚が釣魚なんだ。
調べたらぼくのレベルでも釣れるところがあったからいったんだけど、
ポンポンポンってふざけたやつしか釣れない。……もう調理師やりたくない」
「………今の話のなかには正解もあるが、よくわからない話もある。
正解はナオさんの場合、漁師をがんばらないと調理師がすすめられない……だけだな。
ポンポンポンが釣れるところはポンポンポンの他にはヌシだけだ。
ヌシをつかう調理師のクエストなどなかったと思うが、なにか根本的なとこで間違ってないか？」
「………えーっ！ えーっ！ えーっ！」
「落ち着いて。まずなんの魚が必要で……自分でとれなくて困っているんだ？」
「香魚」
「それはサリャク河で漁師lv58からだ」
「だってモグの雲海で釣れるって書いてあったの見たんだ」
……紅蓮パッケージ組のぼくらはよく知っている。先輩ヒカセンが書き残してくれた数多の書物。これが全知全能ではないってことを。
そしてテキスト中にはパターンをコピペしたときの不要なテキストが残されていて、それが後世に小さな混乱を起こすことも。
見つめあうふたり。泣きそうな顔のぼく。
「調理師をやりたくないならやらなければいい。誰も、ナオさんも困らない。
でもその前に釣れるかどうか行ってみよう。ちょっとまってな」
釣りにいこうといいながら、何かを作りはじめたエレゼン
「ほら、ルアーをプレゼント。これで釣るんだよ。」
釣り場に到着して
「さぁここだ、やってみよう！」と金色の竿を優雅に振り投げるエレゼン。
よし、ぼくも！ ……だがしかしルアーをつけるが、竿が振れない。
本人のレベルが足りないと釣りができない仕組みにひっかかってる。
ぼくだって釣りたいのに、釣らせろー！ 大騒ぎしてる横で
「何匹ほしいんだ？」
「1匹。でも失敗すると困るから２匹。あ、ちがう。ぼくが釣るぼくも釣りたい」
「ほい、つれた！」
またたくまにＨＱ４匹、求めた数の倍をぼくにくれてくる。
「マケボは使ってないからokだろ。友達からもらっちゃだめって言われてないだろ？」
「言われてない、すごくうれしい。でも自分でも釣りたい」
「レベルが５８になったら釣りにくればいい。そのときはきっとたくさん釣れる。ルアーがいいからなw 今はこの魚でひらりと乗り越えちゃえ」
妙に納得して受け取る。
「ところでHQの素材でHQの料理はつくれるのか？ スキルとかわかってるの？」
エレゼンは心配性
「まかせろ、材料さえあれば天才料理人のフライパンが火を噴くぜ」
やる気エンジン点火のぼく
「焦がさぬようになw さっきまで調理師やめるっていってたコックさん」
「あぁ、さっきはさっき、今は今だ。このぼくにつくれぬ料理はない気分だ！」
「はいはい、ではがんばって。またなにか困ったら、グズグズいじけてないですぐ言うように」
……そ、そっか、ぼくはいじけていたのか。気がつかなかったw
それからは、とにかく先に漁師をあげようってフライパンを竿にもちかえた。
オーシャンフィッシングが手っ取り早いのは知っているし、もちろん利用した。
でもこの広い世界を自分の足で歩きながら、ここは釣り場なのかな? どうかな? ってさがすのがとても面白かった。
「魚の気配はするが、姿をみることはできないようだ」なんてメッセージが出てくると、メモしておいたり。
これを趣味として、そのうち時間をかけて世界を釣り歩こうかなと夢見ている。
なんて山場もありながら、調理師、漁師も80にできました。（ちなみにこれ書いたの2020・5・7ってなってる）
バケツの釣り方を習っている。釣ったぞ、たいへんだったけどw
お天気待ちしてたらオーロラ。どうせならあの子と…
好きな演奏家さんたちのライブで聞いた、パンデモ桜並木のエピソードが印象的で、情熱や思いって、すごいものなんだと心に刻み込まれたその風景。
