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Lambretta Innocenti
Aegis (Elemental)
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あるララフェルの冒険記録21 よみがえれ!宇宙の戦士たち!!①
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これは、デザートを食べるときはそのデザートを見ながら食べると美味しい。そんなあるララフェルの、ただの冒険記録です。
プロローグ
私は色んな人から、こう呼ばれます。
あなたは光の戦士様だ、と。
あんまり何度も言われ続けていたので、私もそうなんだなぁ、としか思ってなかったんですけど。
でも、ある出来事があって、私は闇の戦士でもあるんだという事が分かりました。
そもそも、闇って何だと思いますか?
真っ黒、何もない場所、わるもの。そんな感じですよね。
ある人は言いました。
「この空の上、風のクリスタルの力すら届かない高い高い場所は、真っ暗闇で、人間の想像力の及ばない神の領域だ」と。
また、ある人はそんな神様の領域に名前を付けて、「宇宙」と呼ぶそうです。
つまり、闇 = 宇宙。
そして私は、自分が宇宙の戦士だと言うことを思い出しました。
だから、私は「光の戦士」だと思っていたんですが、じゃじゃーん!なんと、実は「闇の戦士」だったんです!
え?お前が何を言ってるか分からないって?
安心してください。
私も自分が何言ってるのか分かんないです!
1. 英雄召喚
それは、ある日の午後の昼下がり。
私の住んでいるFCハウスでいつもの様に昼食(本日のメニューは、優しい辛さのスパゲッティ・ボンゴレ・ロッソでした)と、美味しい赤ワインを飲んで。
そのままリビングルームにあるお気に入りのソファに寝転び、気持ちよく昼寝をしていました。
「コラっ!ランさん、いつまでグースカグースカ昼寝しとんのや!」
遠くの方で、誰かが、私を呼んでいるような気がしましたが……気のせいですよね。
「むにゃむにゃ……ピッツァに肉団子を乗せるなんて邪道です……むにゃ……」
そんな風に夢の中で楽しく過ごしている私の近くでは、二人の人物が、私を起こそうとしている様です。
「あかん、こりゃ何言うても起きんやつや」
私のフレンドでありFCマスターでもあるエレゼン族の男性冒険者、かじさんと、
「ランさんって、今までどうやって生きて来れたんですかね……?」
同じく私のフレンドで、よく一緒に遊んでくれるエレゼン族の男性冒険者、ユーリさんです。
二人は、いくら叫んでも起きる気配すらない私に対して攻めあぐねているようでした。しかし、
「よっしゃ!ユーリさんよぉ見とき!」
何か思いついたようなかじさんが、ローブを腕まくりしながら、
「ワイが今まで秘密にしとった隠し玉ぁ使ぉて、このクサレお昼寝リトルモンスターを、バシーっ叩き起こしたるさかい!見とき!」
自信満々に、そう宣言しました。
「え、なんかいい起こし方あんの?w」
ユーリさんが興味深そうに尋ねると、
「……その名も、究極魔法、アルテマや!」
かじさんは顔の大部分に影を付けながら、悪どそうな表情で、そう言いました。
「え、かじさん、そんなの使えるの!?ってか、ランさんに向けて!?」
そんなユーリさんの問いにも答えず、かじさんは精神を集中して、愛用の戦闘杖を両手で握りしめ、
「……渦なす生命の色、七つの扉開き、力の塔の天に至らん……!」
呪文の詠唱を開始しました。
「やめてー!かじさん!!」
困惑するユーリさん、突然暗くなるリビングルーム、かじさんの足元には複雑な術式を施した魔法陣が出現し、それがゆっくりと回転を始めて……、
「むにゃむにゃ……」
眠りこけている私に、その杖を向けると……、
「 ア ル テ マ ッ ! 」
大きな声で、詠唱を完成させました。
「ランさーーーん!?」
しーーーん。
「……って、出るわけあるかーい!」
「ま、撃てるわけないよねwww」
しかし、何も変化は起こらず。
リビングルームには明るさが戻り、かじさんの足元の魔法陣も、スーッと消えていきました。
「だって、撃てたらかじさんがアシエンって事じゃんwww俺、かじさん倒さなきゃwwwwwwwwwwww」
FCハウスにはいつもの日常が戻り、ユーリさんが楽しそうに突っ込みを入れると、
「w」
かじさんが、ウケた、と満足そうに笑みを浮かべた、その時です。
「「うわっ!?」」
昼寝している私の体が、めちゃめちゃ光り輝いたのは。
「な、なんや、まぶしっ!」
「ランさんが光った!?」
二人は一流の冒険者なので、こんな咄嗟の出来事でも冷静に状況を分析しようとしました。
「「うおおお!?」」
しかし次の瞬間、私の体から発された光が、一層その力を強めて……それが収まった時。
なんと、FCハウスのリビングルームのソファから、私の姿が忽然と消えていたのです。
「え……ランさん……おらへんくなった……なんで……?なんでなんで……??」
全身を動かして私の姿を探し回るかじさん。しかし、
「かじさん……まさか、アシエン……?ねぇ、ランさんをどこにやったの……?」
「え……?」
その隣には、ゆらりと体を揺らす、ユーリさんが。
「返し……よ……!」
「え?」
ユーリさんは目の焦点が合わず、長い前髪をゆらゆら揺らしていましたが……、
「返してよ、ランさんを返してよ; ;!!」
突然、ものすごい勢いでかじさんのローブの襟首に掴みかかり、彼を激しく揺さぶりながら取り乱していたのです。
「なんでやー!?ランさんどこいきよったぁー!?」
ミスト・ヴィレッジには、二人の叫びが響き渡っていました。
2. クリスタリウム
「……ここは、どこなんでしょう?」
周囲は霧で覆われていて、視界が良くありません。
でも、所々に木のシルエットが見えるので、なんとなくここが森の中なんだと分かりました。
「え、なんですかこれは……?」
そしてよく見ると、その木々は見たこともない紫色の葉を茂らせていたのです。
「紫……なんか赤ワインみたいな色ですねぇ。こんな木があるんですね……お?」
ふと地面に視線を落とすと、紫色の葉を付けた枝が一本落ちていたので、それを拾い。
「♪ス〜ルマァ〜レ〜ルッチカ〜」
その枝を、まるで指揮棒の様にブンブン振りながら、故郷の歌を歌い、歩き出す私。
「♪ラァストロ〜ダァルジェ〜ント〜」
こんなのどうせ考えても分からないので、とりあえず誰か、人の姿でも探しましょう。
「♪プラチィダ エ ルォンダ〜……あ?」
そんな風に歌いながら不思議な森の中を歩いていると、大きな音が聞こえてきました。
バサバサバサバサッ!
「なんですか!?おっきな黒いのが空から降りてきました!?」
バサバサ……ストン。
私の目の前に着地した巨大な黒い影は、大きなカラスみたいな生き物でした。
「ほぅ……これは珍しいものを見た」
そして、その上に乗っていたのは……、
「もちぞうさん!」
私のフレンドであり、ヒューラン族の女性冒険者、もちぞうさんでした。
よ
「ついに貴様も“召喚ばれた”のだな……?くすくすくす。炎の化身、インノケンティウスよ」
彼女は、乗っている鳥と同じく新っ黒のローブを身に纏っていました。
「むむ、なんだか分かりませんけど、FCハウスで昼寝してたら、突然こんな、へんてこな森にいたんです!ここはどこなんですか!?」
私が真剣な顔でそう尋ねると、闇色の眼鏡フレームの位置を直しながら、彼女は、
「その問いへの解答……この道をまっすぐ進めばそこに在る……<クリスタリウム>、人類最後の反抗の砦……貴様の望むすべての答えはそこにある……」
「クリスタリウム?」
私が頭の上に大きなクエスチョンマークを浮かべながら首を傾げていると、
「では、新たなる漆黒の旅路を愉しむがよい。我は先にクリスタリウムへと赴こうぞ……くすくすくす」
「あ、ちょっと、もちぞうさん、そのクリスタリウムって街に行くなら……!」
バサバサバサ。
「私も乗せてってくださいよー!」
バサバサバサ……。
しかし、そんな私の声は届く事なく。
もちぞうさんを乗せた真っ黒な怪鳥の姿は、あっという間に見えなくなってしまいました。
「ふぅ、しかたないですね、このよくわかんない森を、ちゃっちゃと自力で歩いていくしかないみたいです。お腹も空きましたし……」
そんなこんなで、もちぞうさんに教わった通り、ふたたび歌いながら森をまっすぐ進み始めた私。
「♪プロスペロォ イル ヴェント〜」
空からは、眩しい太陽の光。
……って、あれ?明るいけど、太陽の光ってこんな色でしたっけ……?
「♪ヴェニーテ アッラジレ バルケッタァミ〜ア〜」
空の光に何か違和感を感じながら、紫色の枝を振りながら、どこまでも続く紫色の森を歩いていると、
「♪サァァァンタァァ〜ルチ〜……あ?」
とうとう、見えてきたのです。
「おお、あれがクリスタリウムですか!」
それは、周囲を巨大な城壁に囲まれ、中央には巨大な塔が聳え立つ、とても大きな街でした。
珍しいうさ耳をした門番の人に、その巨大な門を開けてもらうと、
「おお、綺麗ですね!」
街の中に入ると、そこは、広い広いレンガ敷きの大通り。
その先に、立派な建物の中で煌めく巨大なクリスタルが見えました。
「エーテライト!ここにもあるんですね〜」
えいっ、と交感しつつ、世界をまたぐ大冒険家の私にも、知らないエーテライトがまだあるんだなぁ、なんて事を考えていたらワクワクしてきました。
今まで行ったどこの国の様式とも違う、金属とレンガ積みを組み合わせた、見たこともない大きな建物。
それが巨大な塔を中心に、一つの街を丸ごと取り囲んでいます。ウルダハの街に屋根をかぶせた感じでしょうか?とにかく、すごいスケールです。
好奇心を抑えきれず、この街の探検を始める私。
「はー、人がいっぱいいますねぇ……」
賑わいに感心しながらキョロキョロしていると、道ゆく人達の視線が、妙に私に向いていることに気付きました。
「なんでこの街にドワーフ族が……?」
なんか要約すると、そんな感じの囁き声があちこちから聞こえてきました。だから私は、
「ドワーフ?なんですかそのゴリゴリ鬼マッチョみたいな種族名は!?そういうのはココさんとかモモさんに言ってください!私にはララフェルっていう可愛い種族名があるんです!」
大声で民衆にそう宣言したんですが、彼らは何やら私を可哀想なものを見た、って感じで視線を逸らし、ほうぼうに散っていきました。
「まったく、失礼な人達ですねぇ」
そんな時です。
「あ!!ランさんいたーーー!!; ;」
「ほんまや!ランさんようけ無事かいな!?大事無い!?」
驚いた事に、私はこんな見たことも聞いたこともない様な異国の街で、なぜかユーリさんとかじさんに会ったのです。
「え、お二人とも、なんでこんな所に普通にいるんですか!?」
3.光の世界
ここはクリスタリウムの奥にある酒場、階段亭。
私は先程会ったフレンドの二人から、この世界の事を、ざっくりと聞かせてもらいました。
「……とにかく、この世界は罪喰いっていう光のモンスターが悪さしてるから、ずーっと明るいんですね」
「せや。……真夜中になっても夜は来ず、みんな、いつか訪れる世界の終わりを、ただじーっと待っとるわけや」
「悲しいですねぇ……俺達にも何か、出来ないもんなんでしょうかね」
ユーリさんも、右手に持ったコーヒーカップをゆっくり揺らしながら、真剣な顔です。
「うーん、でも……」
実は私は、この話にずっとツッコミたかった部分があったんですけど、言うか言うまいか、迷っていました。
「なんやランさん、言うてみ?」
「そうですよ!言ってください」
二人は聞いてくれようとしています。そうですね、言ってみましょう。
「えっと、この場にいないうちのFCの他のみんなや、おてさん達、その他のエオルゼアの冒険者達も、こっちの世界に来てるんですよね?」
「せやな」「そうですね」
そして言い淀んだ私の背中を押してくれた二人に笑顔を向けながら、
「みんな、めっちゃ強い人達じゃないですか!だったら、罪喰いとかいうモンスターだって簡単に……!」
しかし自信満々だった私の発言と同時に、近くの閲兵場から一際大きい歓声が聞こえたので、私の声はかき消されてしまい、
「あ、ランさんちょっと待って!見てください、罪喰い討伐隊が出撃しますよ!」
「えっ?」
ザッザッザッザッ。
私の座ってる席からも見えました。閲兵場に集まった市民たちの大歓声を受けながら、20匹くらいのカラフルな動物達が行進している姿が。
……って、動物!?
人間サイズの真っ赤なウサギや純白のナマズ、黄色いカエル……それらが美しい陣形を組んで、大観衆の真ん中に作られた一本道を、勇壮に行進していました。
その先頭を歩く黄金の豚が、後に続く仲間達に、大声で檄を飛ばしていました。
「あのクソ罪食いども、エデンだかなんだか知らねぇが、俺達が天国送りにしてやる!今日があいつらの命日だ!テメェら、気合い入れろ!^_^ 」
「「 応ッ!! 」」
ザッザッザッザッ。
「リクさん達、今日も行くみたいですね。今回の犠牲は、果たして何人出るか……」
ユーリさんが憂いを帯びた瞳をしたままそう呟くと、
「それでも、あれが攻略最前線や。ワイらは少しずつでも、前に進むしかないんや……はぁ」
かじさんもため息を吐きながら答えました。
そんな光景を見てしまい、私はさっき言おうとした楽観論を、喉の奥へと引っ込めました。
「……で、ランさんは何を言おうとしてたん?もっかい言うてみ?」
そんな時にかじさんから話を振られたので、
「い、いえ……ここは、エオルゼアよりも厳しい世界なんですね……」
俯きながら、私は心が重くなるのを感じていました。
我がFC最強の戦士、百戦錬磨のリクさん達でも苦戦する、強力な<罪喰い>達によって夜を奪われたこの世界。
こんな過酷な場所で、私に出来る事なんて、一体何があるんでしょうか?
「そうですねぇ……。まぁ考えても仕方ないです、そうだランさん、この世界の現状を見に、ちょっと冒険に出かけませんか?w」
「あ、ワイも行くで。ランさん、見に行こか」
そんな風に考え込む私を見かねたのか、二人が私を誘ってくれました。
「分かりました、行きましょう!」
……そして私は、今のところ私に行ける限界の場所、真っ赤な砂漠と寂れた島。
その二つの場所を調査し、かじさんとユーリさんから色んな説明を受けました。
「おお、これはいい部屋です!」
そして、クリスタリウムにも自室を借りることができ、街の近くのモンスターや小さな罪喰い達と戦って冒険者としてのレベルを上げて、ようやくこの世界での生活にも慣れてきた頃。
……それはまさに、サイコロを振ったら10回くらい同じ目が出続けたくらいの、運命の神様の気まぐれだったのかもしれません。
エオルゼアから遠く離れたクリスタリウムの一角で、私は、ある二人の冒険者達と再び出会うことになったのです。
4. 超える力
ペンダント居住館にある自室の重い扉を開き、夕飯を食べに階段亭までの道を歩いていく私。
でも時間はもう夕方なのに、空からの光はまったく衰えることがなく、この世界に来てからというもの、時間の感覚が狂ってしまいますね。
でも、木々が生い茂った庭を持つドーム状の館内は快適で、まるで大きな船の中のよう。
それは、船をモチーフに建設されたリムサ・ロミンサの街に似ていると言う事ではなく、何かもっと別の……。
「んん……?」
……そう、例えれば、まるで住む土地を失って、その辺のもの、生き物も含めてまるっと全部を詰め込んで大急ぎで出航した、行くあてのない脱出船の様な……、
「むぅ、なんだか嫌なことを考えてしまいました」
でも、何でしょう?不意に、私はこういう環境を知っている気がしたのです。
(私はそういう船に乗って、いつ終わるともわからない人類の敵との戦いを、ずーっと続けていた事がある……?)
「いえいえいえ、そんな事、今まで生きてきて一度も無かったです!妄想です!」
きっと連日の様にお使いクエストをこなしていたので、疲れが溜まっていたのかもしれません。
そんな風に独り言を言いながら馬鹿なことを考えていたら、いつの間にか階段亭に着いていました。
「お、ランさんこんばんはw」
夕飯を一緒に食べましょうと待ち合わせていたユーリさんと会いました。
「こんばんはん。かじさんはまだですか?」
キョロキョロと敏腕FCマスターの姿を確認しながらユーリさんに尋ねると、
「かじさんはさっきまでいたけど、なんか買い物があるってマーケットに行っちゃった」
「そうですか。じゃあ食べちゃいますかね!」
「そうだねw 飲もうw」
この世界には残念ながら私の夕食の定番ピッツァ・マルゲリータが無いので、黒パンとエッグサラダ、それに子羊のフリカッセーアと赤ワインをジョッキで頼みます。もう毎日これです。
「いつものやつください!」
「あいよ」
このお店のマスターとはもはや顔馴染み、私も既に常連客です。
「でもここのパン異様に硬いんですよね……って、あれ?」
席に付くや否や、出来合いのディナープレートを机に置き去りにして歩き出した私を、ユーリさんが不審に思ったらしく、
「あれ、ランさん、どうしたの?」
その呼びかけに答えず、なぜだか私は一直線に、ある場所に向かって歩いていました。
「チャオチャオ〜?こんばんはん」
そして無意識に、ある場所、つまりお店の隅っこでちょこんと可愛らしく座る、銀色の髪をしたララフェル族の女性に、気さくに挨拶していました。
「え!?あ、あの、こんばんは〜♪」
その人はほがらかにおっとり、返事をしてくれました。
(しかし、このやりとりをした後に気づいたんですが、私は何でこの人に声をかけたんでしょうか?)
「あれ、どうかしましたか……?」
声をかけてきたくせに、何故か自分を見ながら考え込む私を見て、え?え?と、そのララフェル女性は困惑している様です。
どうすればいいかわからなくて、おろおろするララフェル女性と、その人の傍で黙って立つ私。
そんな状況を見かねたのか、後ろからユーリさんが助け舟を出しに走って来てくれました。
「ねぇ?ランさんどうしたの?……あ、なんかすいません……w」
「い、いえ……♪」
失礼な私の代わりに謝ってくれた彼を見て、
「あ、ユーリさん」
「どうしたの?なんかぼーっとして」
「そう言われても、私も分からないです。でも、なんかこの人を見たら、挨拶しなきゃって思っちゃいまして……」
私のよく分からない説明に、ユーリさんも首を捻りました。
「あと、可愛い女性を見かけたら声をかけなきゃ失礼だ、ってパッポがよく言ってましたし」
「チャれぇお父様っすね……」
ユーリさんとそんなしょうもないやりとりをしていたら、
「あはは……なんか楽しい方々ですね〜♪」
この騒動に巻き込まれたララフェル女性は、笑ってくれました。
「はじめまして、ナギって言います♪」
そして名前を教えてくれたので、私も名乗らないといけませんね。
「あ、ナギさんですね。私はランブレッタって言います!はじめまして!」
「俺はユーリです。よろしく!」
……それから、なぜか私達を気に入ってくれたナギさんは、私達と一緒に夕飯を食べる事になり。
「実は私、旦那さんと来てるんですよ〜。もうすぐ帰ってくるので、紹介しますね!」
「おお、お願いします!仲間がいっぱい増えて嬉しいです!」
「え、旦那さんもこの店に来てるんですね!楽しみだなぁ」
ナギさんはご結婚されているそうで、階段亭の常連客と話し込んでいた旦那さんも、こちらにやってきました。
「おや、初めまして、ですね?うちのNAGIと仲良くなってくれたようで、ありがとうございます。イルウェスです。よく名前が読めないって言われますw」
旦那さんは、奥様と同じく銀髪で、アウラ族の機工士をされている方でした。
「あ、イケメン……」
おや、見事にユーリさんのイケメンセンサーに引っかかっていますね。
「ユーリです!よ、よろしくお願いします!」
「私はランブレッタです!よろしくです!イ……イル……?エスさん!」
旦那さんにも、さっきと同じ様に自己紹介をした私達でしたが、
「……ん……?」
私だけ、旦那さん(名前が読めない)にめっちゃ睨まれました。
「ひっ!?ど、どうかしましたか?」
なんですか!アウラ族の掘りの深い精悍な顔立ちで睨まれると、めちゃめちゃ怖いんですよ!
「あ、いえ……怒ってる訳じゃ無くて。ええと、ランブレッタさん……ですよね?」
「はい」
ただならぬ気配を纏い、無言で見つめ合う、私と旦那さん(名前が読めない)。そんな二人の様子を見て、ユーリさんとナギさんが心配そうにしています。
そんな不穏な空気の中、旦那さんがこんな事を言ったんです。
「ランブレッタさん、俺たち、前にどこかで会いませんでしたか……?
「……どうでしょう、少なくとも、私は記憶にないですね……」
ユーリさんとナギさんは、私たちが口を開くたびにあっちへこっちへ、心配そうに視線を向けています。
「そう……ですよね。俺も、そんな気がするんです。ただ……」
旦那さんは鋭い視線を向けて、何かを言おうとしました。
「ただ……?」
それを私が復唱した、その時です。
「大変だー!ホルミンスター村が、罪喰いの襲撃を受けてるってよ!」
階段亭の常連客らしき一人が、血相を変えて緊急のニュースを叫んでいました。酒場は一瞬で騒然となり、人々の慌てふためく声で耳が痛いほどになりました。
「クリスタリウム軍も出動するが、まだ時間がかかる!戦える奴らは今すぐ出てくれ!」
そんな話を聞いちゃったら、私達も出撃しないと!
「行こう、ランさん、俺たちの出番だ!モグゴゴ!」
「はい、行きましょう!」
ユーリさんがいち早く動きました。残った食べ物を全部口に押し込み、目をギラギラさせながらエールで全部流し込んでいます。
「俺たちも出る。NAGI、行くぞ!」
「分かった!」
エオルゼアで現役冒険者をやっていたというツキヨノ家のお二人も、一緒に来てくれるそうです。心強い!
「ゴクゴク……ぷは!」
私は赤ワインだけ一気に喉奥に流し込むと、
「さぁ、みなさん、ホルミンスター村ってところに行きま……!」
……そこで、突然の目眩。
「あ、頭が……!」
これはもしかして……赤ワインのせい……では無く、アレです、アレがきました!しかも、
「クソ、超える力……だと!?なんでこんな時に……!」
「あ、頭が痛い……これは過去視……!?」
「NAGI、お前もか!?くっ、俺も頭が……!」
なんとこの場にいる光の戦士四人が、同時に超える力を発動したのです。
そんな私達の苦しむ様子を見て、周囲のお客さん達が心配そうに駆け寄ってくるところで、私達は同時に床に崩れ落ちました。
……誰です?これから一体、私は誰の過去を見るの……?
そして暗転する視界。私も、意識を失ったのです。
つづく
あ~!つきよのご夫婦と一緒にいったホルミンスター!!
懐かしい!!!たくさん出演しててうれしいです!
つづきを楽しみにしています。
ユーリさん、忙しい中いつもへんてこ冒険に付き合っていただき、ありがとうございます。
メインクエストやギャザクラ上げ、妖怪大戦、太陽と月の無限地獄など……色々時間を取られていましたが、ようやく1年前のあの日の出来事を書き始めることができました。
この一年の長きに渡ってゆっくり進めた漆黒編、日記にしていこうと思います。
また何かあったらお手伝いお願いします(笑)
執筆お疲れ様です。
もちぞうさん、最近お会いしていないのですが
そういう感じの方でしたっけ・・・!?笑
かなり先の話になりそうですが、
この前のWoLの死闘がどう描かれるのか楽しみです。
つるっぱげゆうりくんが登場しそう。
モモさん、いつもコメントありがとうございます。
もちぞうさん、ああいう人じゃないですか!
みんなで行ったラストバトル、楽しかったですね(笑)
この日記も、あそこまで描けたらいいなと思います。
私はのんびり遊んでますので、またどこか一緒に行きましょう!