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Altar Girl

Machia Twelve

Titan [Mana]

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始まりの出会いに救われたのは

Public
誰かとの出会いに救われた人はどれほどいるだろうか
それは本当に偶然のことだった


黒衣の森をふらつく若葉、Lv15
めざとく声をかける私、リターナー


なにゆえ危険なエリアにいるのか、聞けば迷子らしい
放っておいたら、このままイシュガルドにさえ行きかねない

そこでは極寒にプルプル振るえ
己の服装、つまりその半袖を恥じることになるだろう

それは引退と同義である

「半袖で引退は悲しすぎる」

私の決意は固かった




自体を重く診た私は、
件の若葉を”ビギナーチャット”へ招待することにした

私はリターナー
たんぽぽマークが眩しい上級生

無論、ビギナーチャットの常連である

ここでなら、下級生といつでもチャットができる
いつだって、誰かが助けの手を差し伸べてくれる

そんな楽園的な未来を夢見つつ招待ボタンを探すが、どうにも見つからない

知れば、いくら年長組といえど子供枠
新入生を招く権利はないらしい

「なんてことだ!」



窮地に陥った私の目に、初心者の館が映りこんだ

そこはかつて私がメンターになった場所
いつの間にか、黒衣の森にも建設されたらしい

そこを訪ね、いま再びメンターになりさえすれば、
目の前の若葉くらい、いつでも、なんどでも救済できることだろう

「ありがとう吉田!」



良きメンターに求められるもの、それは安心と信頼である

“”決して若葉を不安にさせてはいけない””
””簡単に信頼を裏切ってはならぬ””

かつてメンターの誉を授かったこの身、私はその信条に生きる者

【自分が招待できないことを悟られるわけにはいかない】

救済、すなわち楽園への道がないと、もし若葉が知ったら
あての無い不安に苛まれ、理不尽な裏切りに心を引き裂かれ
堕天もやむなしである

【蛮神にさえ、すがりかねん】

そんな若葉を救えるのは私だけであり、失敗は許されなかった

「蛮神召喚だけは阻止してみせる!」



覚悟を胸に、希望の道を指し示す

「初心者の館へようこそ!」

自分がメンターになるため
蛮神召喚を阻止するため

言葉巧みに誘導するかしこい私
インスタンスエリアの意味さえ知らない若葉

到着してすぐ、作戦の成功を確信した
その姿が忽然と館へ消える



初心者の館はいわば天国である

若葉と年長者が共に通えるコンテンツであり
そこには共修と郷愁が同居する、まさに天界

その懐かしさは、やがて私に道を示すとも知らない私

「またここでお世話になるとは!」

天国には楽園への扉があり、誰もが鍵を授かれると

そう信じていた



「・・・なるほど!レベルが足りないんだな!」

私はもぐりのメンターだった
つまり無資格者だ

かの転移期間のうちにメンターの資格は剥奪され
今や新規取得もできない

あるのは救済なき未来と
道を断たれた若葉のみ

楽園への扉を前にし、その鍵を持たぬ者
それが今の私である

かしこい私のかしこすぎる作戦は失敗に終わった



若葉の戻りを待つさなか、私は未来を思いやる

「蛮神になったらどうしよう、たいへんだ!」

絶望の淵にたたずむ私
その暗がりに、かつての自分の姿が映りこむ

それは転移するほんの少し前の様子

次元の狭間で世界を救わんとしたあの時の記憶


ーーー

もうここには、次の扉も鍵もない

いつのまに居場所をなくしていたのだろう
与えられることばかりを考えていた

いつから扉を意識しだしたのだろう
鍵を手にすることに必死だった

私欲におぼれ、すべてを食らいつくさんとした私の骸

何を得ても満たされることのない感情

その心が未来への扉を消し去ってゆく

やがて待ち受ける”  ”に心が囚われる


過去が今に影を落とす
未来までをも蝕んでいく

蛮神となり果てていたのは私のほうだった
今更、思い出すなんて

「どこで道を間違えたのだろう」



ーーー

「初心者の館!とても勉強になりました!」
訓練を終えた若葉は一段と元気であった

グリダニアへ帰る途中、たくさん話しをした

いつから冒険者になったのか
なぜこんな場所にいたのか
これから行く先について・・・

その足取りは軽く、たどたどしくも着実に、まっすぐ先へと歩んでいく

その姿が、懐かしい思い出をゆっくりと溶かしだす



ベントブランチの牧歌的な空気が二人を優しく包み込んだ

「チョコボに乗りたいなあ!」

私の中にかつての冒険譚が蘇る

「まずは旅をせよ!」

矮小な存在となり果てた私の残影が光を取り戻す

「世界を巡った後でまた、ここに戻ると良い!」

かつての未来へはもう戻れないと、そう思い込んでいた

「また会いましょう!」

そうやって鍵を渡された気がした


ありがとうと伝えたいのは、私のほうだった

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