「オマエ、ココに来る前に認証のギミック触ってなかったやろ?」
「何ソレ?」
「何でするかソレ?」
上杉がPTメンバーにチャットで伝える。
<迎えに行ってきます。すいません少しお待ちを>
<了解ー>
<初見さんあるあるだねーw>
「とりあえず俺が迎えに行くから、ハルさんと広孝はそこで待機」
「おぅ」
「ごめんなさいでするー」
ドシンドシンの音と共に上杉ともう一人が現れる。
上杉に説明してもらい、その後をついていく。
<ここは分かりにくいから気にしないっぴよ>
俺とハルさんがテクテク歩いている後ろをムービーで見たあのヒヨコさんがついてきていた。
光の動物に助けられてるなー今回は
なんとかみんなに合流し、俺とハルさんは平謝り。
<すいませんでした>
<ごめんなさい>
<大丈夫ですよー>
<おきになさらず>
いやー申し訳ない。
この失態は俺の拳で返させてもらいますよ!
「期待通りの展開やったわ」
「上杉は予想してたって事?」
「そやなw広孝とハルさんはああなるって事は予想してた」
「予想してたんやったら教えとけや!」
「そうでするよー」
「ギミックは体で覚えろ」
「職人かっ!」
「職人は見て覚えろやな」
「上杉氏はスパルタ式でするなー」
いくつかムービーを挟みながらたどり着いたボスらしき場所。
赤い鎧?でハンマーをふりまわすアイツや長い持論をふりかざすオッサン?
今までになく多くムービーがあるこのダンジョン。
物語が大きく動いていると感じされるわ。
「うゎ、デカイでするぅぅ」
「ヤバそうやなー」
「死ぬなよー広孝w」
「大丈夫と思うよ、だってもう1人のさんヒーラーさん。ほら、最初に見たヒヨコおるやん。
あの人ヒーラーで僕ほとんど何もせんでも回復してくれてるで」
「上杉と一緒に迎えに来てくれてたヒヨコか!」
「ヒヨコは癒しでするよー♪」
第1ラウンド開始!!
なんか色々喋ってるけど読んでる余裕なしっ!
ん?特に何もない様な気が・・・
「なんや?みかけ倒しで何もないやん」
「そうやね、なんか普通やな」
「余裕でするよ♪」
そんな訳ないよね・・・
またもやムービーが流れしばし無言で眺める。
第2ラウンド開始!!
「ここからが本気って事か」
「さっきと雰囲気違うもんね」
「始めから本気出せってな」
「よしだぁぁ♪」
真っ赤に染まるステージ
物語も大詰めに差し掛かり否が応にもテンションが上がる。
「チョイチョイチョイ!何かビームみたいなん飛んでくんで!」
「避ける場所ないでっするー」
「本気やー大変そうや」
「死ぬなよーw」
ステージの周りにビームを出してる奴を発見んん!
こいつを壊せばええんやなー
!!
「何で?死んでもたぞ?」
「ワタシも体力メッチヤ減りましたでするー」
ヒヨコの癒しが飛んでくる!
「サンキューヒヨコちゃん!何で死んか分からんけど・・・」
「上杉氏ー解説、解説ー」
「体で覚えーいw」
「厳しーでするなうちのマスターは」
「やったろやないか上杉!」
俺には秘策がある!そう、上杉の行動を観察作戦!
上杉はここのギミックを理解してるみたいやからそれについていけばいいやろ。完璧!!
もう死なん!ヒヨコちゃんの世話にもならんぜっ
上杉の行動を観察作戦が上手くいってる。
どういう仕組みかは今だに分からんけど、なんとか持ちこたえとる。
上杉の行動を追いかけるのに夢中で敵の体力を見るのを忘れとった・・・
ボスが崩れ堕ちていく
「やっったぁでするぅ♪」
「お疲れい」
「終わったねー」
「余裕余裕」
「1回死んどるやろ広孝w」
ムービーが始まる。コントローラーを置きマグカップのコーヒーをゴクリ。
えっ!?第3ラウンドの開始である・・・
「まだあんのかよー」
「ビックリでするよー」
「ハイ、文句は吉田さんにお願いしゃーす」
第3ラウンドはもうリットアティンの再来を彷彿させる感じで・・・
お疲れ様のコメントが次々に流れ、長かったダンジョンが終わったんだとコーヒーを飲みながら思った。
「長かったねー」
「長かったでする」
「じゃあ俺らも退出しますかねー」
「お疲れさーん」
「広孝、ナイスストーキング!」
ば、バレとる・・・