もしかしたら、それは
「余計なお世話」だったり、
「ありがた迷惑」だったのかもしれない…
私は日々、ログイン時間の大部分をグリダニアの町で過ごす。
すると、よく見かける人が何人か出てくる。
気になる若葉の人も、そんな一人。
その人は2ヵ月くらい前から見かけるようになった。
名前が特徴的だったので、最初は「あ、今日も会った」程度に思っていた。
しばらくして気づいた。
その人はいつも、ポツンと一人で居る。
エーテライト・プラザの椅子に足をぶらぶらさせて座っていたり、地面に体育座りしていたりする。
FCに入っている様子もない。
もちろん、楽しみ方や価値観は人それぞれだから、その人がぼっちプレイを楽しんでいるのだとしたら、それはそれで私がどうこう口を出すことではない。
けれど、どうしても気になってしまう。
例えぼっちに満足しているのだとしても、困ったり悩んだりした時に、気軽に相談できる仲間が一人くらいは居ても良いのではないか?
いや、そもそもぼっちが良いのであれば、オフラインゲームをプレイするべきではないのか…。
思案の末、意を決した私は、その人にtellした。数日前のことだ。
私も恥ずかしがり屋なので、離席中だったその人に話しかけ、その場を去った。
「こんばんは、初めまして!よくお見かけします。よろしかったら友達になって頂けませんか?」
その日、その人からtellは来なかった。
「きっとログが流されて気が付かなかったのだろう」
そう思うことにした。
一昨日、その人を見かけたので、今度は離席していない時にtellした。
「昨日tellさせて頂いたのですが、ログ流れちゃいましたかね(^^;」
「よかったらお友達になって頂きたいのですが」
その人から返事が来ない。
長い数分の後、
「チャットが上手くできません」
反応が有った。
二言三言、会話を交わしたが、その人はどうも警戒している様子だったので、その日は切り上げた。
昨日。
その人はログインしてこなかった。
私のとった行動。
もしかしたら、それは
「余計なお世話」だったり、
「ありがた迷惑」だったのかもしれない…
傲慢な私の思い上がりが、その人の密やかな楽しみを打ち砕いてしまったのだとしたら…。
何ということをしてしまったのだろうと思うと、ゲームも楽しめなかった。
今日。
私はエーテライト・プラザの前で、製作手帳を開いて装備の品定めをしていた。
その時、チャットウィンドウのログが動いた気がした。
「(´・ω`・)エッ?」
ふと見ると、その人が私に挨拶をしてくれていた。
…ホッとした。
それから、昨日より多くの会話を交わすことができた。
昨日よりは幾分、警戒しなくなってくれているように感じたが、まだその人とは友達になっていない。
なに、先は長いんだ。慌てることはあるまい。
タンクの修行、頑張ろう!