~白身魚の甘酢餡~重厚そうな扉を開けるとそこにはテーブルの上に頬杖をついて
恨めしそうにこちらを見ているララっ子が居た。
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「どうしたんだい?そんな膨れっ面して」
涼しい顔で銀髪のミコッテは後ろ手で静かに扉を閉めた。
体勢はそのままで目線だけを動かして
目の前の椅子に座るよう催促するララっ子。
”ハイハイ”と肩を軽くすくませて従う銀髪。
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真っ白なコックコートに身を包んでいるララっ子は
滔々と語り出した。
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で、このララっ子が言いたかった事はこうゆうことだった。
「苦手な物はちゃんと言えって? まぁそーゆう事だよね?」
目の前のララっ子は憮然としつつ頷く。
「悪かったよ」と苦笑しながら彼女は理由を話した。
「せっかくキミが作ってくれた料理なんだ。文句を言って食べないのは失礼だろ?」
「だからと言って、苦手なものを無理に食わす気はねーよ」
表情を変えずにそう言ったララっ子はそっぽを向いた。
「もしかしたら食べられるかもしれないと思ったんだよ」
”キミの手料理は美味しいからね”とぼそぼそと呟く。
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「魚は生じゃなければ食えんだろ?」
「そうだね」
「良い白身が手に入ったからフリッターにしてみた。ちょっと待ってな」
今度は事前に苦手な物を伝えてあったから
それに合わせた料理を用意してくれたんだろう。
愚痴を言いながら、ララっ子は奥へと歩いていった。
「ふわふわしてて、これは美味しいね」
”あたりめーだ”と言いつつ目の前でにやけているララっ子の顔を見るのは好きだ。
親友相手だからこそ、もう少し我がままを言って良いのかもしれない。
そう思いながらゆっくりと口に運んだ。
Phi's Kitchenの夜は今日も静かに時間が過ぎていく。