紅蓮4.5を終了しました。
紅蓮4.5と暗黒騎士Lv50のガチネタバレがあります。読まれる際はご注意下さい。今までのメインクエスト関連日記================
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ネタバレのない範囲で言うと、
4.5が終了したのでミコッテミナトくんにもどりました、という日記です。
(X.0~X.xの切り替えタイミングで幻想薬をパリンしてもいいというマイルールによるもの)また、今回は前回の日記の続編となります。完全に二次小説状態なので、そうしたものが苦手な方はブラウザバックをお願いいたします。
忠告しましたからね?--------------------------------------------------------
ツクヨミの討滅を終えた後。
影身である"僕"が『フレイ』の姿を取るようになって、しばらくの時が過ぎた。
"彼"が普段着けている眼鏡を外し、顔を含めた全身を覆う甲冑で身を包んだ"英雄"を見て、周囲の人間は珍しいと言いはするものの、それ以上踏み込んで来ることはなかった。
僕の主でもある"彼"が、時折懐かしがってこの鎧を身につけていたことも影響しているのだろう。
肉体としては変わらないのだし、元々一つの魂を分かち合う"僕ら"は基本同一の存在だ。
エーテルを観ることができるヤ・シュトラも、僕の姿を見て不思議そうに首を傾げたが、それだけだった。
正直助かるような、そうでもないような。
変化について誰か踏み込んで来てくれさえすれば、その不信を盾に、この地から離れる理由ができたものを。
彼の――僕らの体で、"僕"自身が動くというのは少し不思議な感じがする。
あの日から、彼は眠り続けていた。
時折、何か微かに呟いてはまた闇の中に沈んでいく。あれは謝罪なのだろうか。寝言のようだとも思う。
彼が痛みから、苦痛から目をそらさないと決めたことにより、かつて僕がいたその暗黒領域は、今は穏やかな静寂が満ちている。
その分辛かっただろうに。
一度決めたことはなかなか変えない頑固さは誰譲りなのだろう。
(まあ養母譲りなのはわかっているのだが)
苦痛から、自身の負の感情から目をそらさない。
僕との約束を違えないと決めたが為に、痛みをうまく癒す術も知らないまま、彼はここまで運ばれてしまった。
そして自身の姿に似た彼女――ツユに強く共感し、その反動そのままの苦痛を、
*馬鹿*正直に真正面から引き受けてしまった。
(これについては本当に馬鹿だと思う。僕が出なかったらどうするつもりだったんだ?)
海の中の泡の如く、こぼれ落ちては消える謝罪。
君が謝ることなど、この世界の何処にもありはしないのに。
今まで手に掛けてきたものたちのことも。
ツユのことも。
オルシュファンの事ですら、君のせいではないのに。
むしろ世界の方が、君に――僕らに、謝るべきなのに。
アラミゴで"彼"を傷つけたアルフィノ少年を探す必要が"僕"にはない。
だが残念ながらアルフィノ少年の無事を祈り、心を痛ませているアリゼーはただの少女であり、頼りなげなその背中は暗黒騎士としても守るべき対象だ。
そして普段勝ち気な少女が揺れている様子は、先日会った妹弟子のような"彼女"のことを思い出してしまい、思わず手を差し伸べてしまっていた。
……結果、僕は非常に気乗りしないままアルフィノ少年を探す探索に同行することになる。
時々"彼"と同調するために集中していると「疲れたか? そなたがうたた寝など珍しいな!」などとヒエンが笑っていた。
やかましい。
そしてその奥の探るような視線全てが疎ましい。
何もかもを僕らに押し付けるお前らのせいで、彼が、僕がどんな思いをしたか。
本音を言えば今すぐ全員斬り伏せてここから立ち去りたいぐらいだ。
だが彼はそれを望まない。
例え友人ではなくとも、頼もしい仲間であることは変わらないのだからと。
全員の首を捻じ切ってしまえば、この腕を奴らの血で染めれば、傷つくのは彼の方だろう。だから僕は軽く肩を竦めるだけに留める。
彼を(
僕らを)光の戦士(
Our Weapon of Light)と掲げあげる奴らの何処が良いのか全く理解できないが、彼を悲しませるのは僕の本意ではない。
ただ、奴らと共に新たな場所として訪れた『ザ・バーン』の寒さや白い美しさ、アジムステップにあったアラグ帝国の遺跡などの壮大さは、その不愉快さを拭ってあまりあるものだった。
"僕"が自身の目で新たな場所を見つめたのはこれが初めてで、その驚きや、多少僕の中にも起こった興奮が彼に伝わっていればいいと思う。
僕たちに必要なのはこうした心を震わせる冒険であって、陰謀に巻き込まれる事ではないはずだ。
だというのに。
あの声は一体何だ。
強力なエーテル波による影響は"僕"だけでなく、闇の中で眠っていた"彼"をも叩き起こしてしまった。
まだギリギリまでしか回復していない。
立ち上がろうとする彼のその姿が、時折闇に綻びている事を指摘し、再びの眠りを促したところで再度の干渉。
二度目はない。さすがに今回は彼に干渉するのは防いだが、自身の保持に集中しすぎて他がおろそかになった。
サンクレッドが倒れたのだ。
続けてヤ・シュトラ、ウリエンジェも。
兄の安否不明、後見人であるウリエンジェや賢人ヤ・シュトラ、サンクレッドの昏倒。
帝国という大きな脅威が目前に構えている中、頼るものもなく震える少女の小さな背中。
彼が暗黒の中で綻びかけた指をたぐり、剣を取ろうとする。
だめだ。
それはだめだ。行けば君は今度こそあいつらに絡め取られてしまう。
ちょうど良い機会じゃないか。僕らはこの糞ったれな場所から逃げられる。多分これが最後のチャンスだ。
だから、
『護ってくれてありがとう。……でも』その先を言ってはいけない
『ぼくは』だめだ!!
『戻るよ』
【――リビングデッド解除】兜を脱ぎ、震える少女の肩に手を添える。
アリゼーが見上げた先には、藍闇色の兜ではなく、見慣れた優しい笑顔があった。
まだ自分がいると静かに告げて、彼は少女にそっと微笑む。
僕はただ、以前よりは穏やかな暗黒領域内からそれを見つめることしか出来ない。
ああ。
本当に君は、僕の言うことを聞いてはくれない。
「――英雄の言葉をもって、我らの総意は固まった!」
「――当然、『暁』の中核を担う英雄である、あなたの力も借りたい」
ほらね。
奴らは君を、僕たちを利用することしか考えていない。
本当に、こんな茶番はもうたくさんだ。
ユユハセやローレンティスの処遇をどうするか聞かれたとき、君はアルフィノ少年のことを考えた後で、助命嘆願をした。
『怨みを恨みで贖いたくはない』
『報復の連鎖の先には、滅亡しかないから』
そう君は言っていた。
それなのに、世界はひたすらに君を追い詰め、僕を"フレイ"(
fray)にさせる。
たくさんだ。本当にもうたくさんだ。今すぐ全てを滅ぼしてここから逃げてしまいたい。そう思う。
けれど、今の君は、以前とは違う。
僕が――君自身がそう考えていると認識した上で、それでも恐怖に震える指で剣を取る。
斬り伏せたいとすら考える、すべての守りたいもののために。
そうであるならば、我が主。
この怒りを、憎しみを、哀しみを、そしてその根源を。
僕の力を、"僕ら"の力として、君に贈ろう。
僕は君と最後まで共にあるもの。
君と共に旅をするもの。
ただ一人の護るべき共犯者。
世界の果てに至る最期まで、僕らは共に旅をしよう。
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