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Yaduru Shira

Shinryu [Meteor]

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【ワシのヒカセン冒険記】第4話【FF14二次小説】

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■あらすじ
お洒落の始まりは新兵終わりの合図。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【Lodestone】、【Pixiv】で多重投稿されております。

Twitter■https://twitter.com/hisakakousuke
Blog■https://sakatatsunorou.blogspot.com/
Pixiv■https://www.pixiv.net/users/2277819

第1話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4661663/
第3話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4678955/
第5話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4689324/

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇



「わぁー、ヤヅル爺ちゃん、見違えるようになったねぇ~」

 場所は海の都・リムサ・ロミンサの“溺れた海豚亭”と言う名の酒場。
 元々は船乗り相手の店だったようだが、傭兵上がりの店主により冒険者ギルドの受付が併設されたため、昼夜を問わず多くの冒険者が集う場になっている。因みに店名の由来は、泳ぎの上手いイルカでも溺れる程に強い酒を出す店だから、だとか。
 そこでワシはエールと言う名の酒を嗜みながら、遅れて現れたツトミちゃんに樽の形をしたジョッキを掲げて応じる。
 ツトミちゃんが感心した風に頷きながら相席し、「すみませーん、グレープジュース一つ~」と注文を飛ばした後、改めてワシに向き直った。
「これでもう、新米冒険者は脱出だね!」
「……確かに、衣服に意識を向けられる程には余裕が出てきたとは思うが、ワシなどまだまだ新兵に毛が生えた程度の雛鳥よ」
「またまた~」カラカラと楽しそうに笑うツトミちゃん。「聞いたよ~、最近は冒険業を疎かにして、製作業や採集業に精を出してるとか?」
 エールの喉越しを味わいながら、ワシは確かに首肯を返した。
 このエオルゼアにはそこここに難事が溢れている。ウルダハには難民が職を求めて日々市内を徘徊しているが、そもそも仕事を選びさえしなければ幾らでも見つかるのだ。
 例えばウルダハであれば“ササモの八十階段”と呼ばれる、ウルダハの玄関口である長い長い階段近くの崖を削る作業であったり、若者の間で比較的安価な装飾品が飛ぶように売れるからと、粗銅で作った耳飾りを作る仕事であったりと、仕事を斡旋してくれる者に伺えば幾らでも出てくる。
 それらを熟せば当然賃金は出るし、それ以外でも報酬が貰える事も有れば、仕事の出来次第では新たな仕事を斡旋され、報酬の上乗せなども起こり得る。
 無論、傭兵稼業として護衛の任務を要求されたり、賊の征伐なども仕事の中には含まれているが、そういう命を危地に晒さずとも収入は或る程度担保されているし、何より己の手腕によって報酬が変動すると言うのは、中々やり応えの有る仕事だ。
 格闘士として、蛮族の巣食う洞窟や炭坑に征伐に向かう事自体が無くなった訳ではないが、今では裁縫師や園芸師と言った、冒険とはまた異なる職種で、けれど冒険者の生活を支える仕事を請け負う事が増えた今、冒険では得られない喜びと達成感を得られる事が実に心地良かったりする。
 彫金師として装飾品を生産したり、鍛冶師として武器を精製したり、採掘師として鉱石を掘り出したり、漁師として日がな一日釣り針を垂らしたり……
 出来る事が増えると、やりたい事も比例するように増えていく。一日で出来る限界の量を見極める事は難しいが、今では宿で寝泊まりする事が出来るようになった分、朝起きてから夜寝るまでひたすら動き続けられる事が、今は楽しくて仕方ない。
 そうした結果、以前ツトミちゃんが話していた「お洒落な冒険者は新米ではない」と言った意味合いの台詞が理解に繋がった。確かに、出来る領分が増えていくに連れ、纏う作業着、戦闘服も段々と高価になり、その分見栄えも良くなり、且つ己の力量も僅かに上昇する……その繰り返しを経てより洗練されていくのが、どうやらこのエオルゼアと言う世界の理のようだ。
 つまりワシは今、以前と比べて遥かに着衣に気を回せるようになった、と言う事だ。
「爺ちゃんもいよいよ新米卒業って事だねぇ」
 運ばれてきたグレープジュースをくぴくぴ呷りながら感慨深そうに頷くツトミちゃんに、ワシはエールが入っていたジョッキをテーブルに戻して、「そこでなんじゃが、」と話を持ち掛ける。
「新兵を脱したとは言うが、これと言った目的を有しておる訳ではないでな。なし崩しで冒険者として活動こそ始めたものの、それとて日銭を稼ぐ理由でしかない。となれば、何かしら目指すべき標を見出す時期が来たのかも知れん」
「えぇと、次は何をしよっかな~って事?」
「ツトミちゃんさえ良ければ、ワシと共に――フリーカンパニーなる事業を立ち上げてみんか?」
「おおー。いいよ~」
「そんな気はしとったが、二つ返事で了承とは有り難い。併し、本当に良いのか? これまで自由気ままに活動しておったのが、縛られる事も出てくるかも知れんぞ?」
「爺ちゃんはそんなフリーカンパニーを立ち上げたいの?」
 ゾクリとする声だった。本質を見抜かれたかのような、ツトミちゃんの素っ気無くも鋭い一言。
 ワシは看破されていた事を認め、降参の意を表明すべく諸手を挙げた。
「……お察しの通りじゃ。ワシらで会社を立ち上げるのならば、ワシららしい社風でなければ。何者も拘束せず、今のように茶飲み仲間として、時折会っては会談を開いて日々を楽しむ……そういう組織が良いのう、と思っておった」
「だよねぇ。わたしもそういう組織が良いと思ってたよ~」
 にこーっと人当たりの良い微笑を浮かべて頷くツトミちゃんに、ワシは一本取られたとばかりにばつ悪く首の後ろを掻いた。
「それに、爺ちゃんなら、いつかきっと、そうやって誘ってくれると思ってたよ~」
「そうなのか?」
「爺ちゃん、そんな雰囲気だもん~」
「そうなのか……?」
 自覚できない部分なだけに困惑しきりだったが、ツトミちゃんがそう言うのなら、そうなのだろう。
「じゃあ、これからは茶飲み仲間で且つ、仕事仲間だね、爺ちゃん!」
 スッとテーブル越しに握手を求めてくるツトミちゃんに、ワシも首肯と共にその手を握り返した。
「あぁ、改めて、今後とも宜しく頼む」
「宜しくねぇ~」
 ――――斯くして、二人だけのフリーカンパニーを立ち上げる事になったワシらは。
 同じ志を持つ者がいれば良いなと期待を掛け、人員の募集を掛ける事になった。
 曰く――――

「中身がおじいさんとおばあさんの冒険者が経営している、小ぢんまりとしたフリーカンパニーです。
 日々グダグダっと雑談したり、思い出したように冒険業を再開したり、やっぱりテキトーに過ごしたり。
 麗らかな日差しが注ぐ縁側で過ごす茶飲み仲間のように、エオルゼアでの日々をのんびり楽しんで過ごしてみませんか?」

 ……この募集文に思う所が有る冒険者は果たしているのだろうかと思っていたが、それが全くの杞憂であると分かるのは、もう少し先の話になる…………
Comments (2)

Tsutomi Amou

Shinryu [Meteor]

更新お疲れさまですvv
今回からこちらに書かせていただきます!
ついにFCを立ち上げてしまう爺さん婆さん!ホント大丈夫か?!(意外と大丈夫だった)

二人でやいのやいのと騒ぎながらFC立ち上げて、DMでわいわいしながらCFのアピールタグ設定したりしてたのが思い出されてちょっと涙目w
そして追い打ちをかけるように最後の募集文…やられましたわw(涙腺崩壊)

次回以降大きな進展がありそうでめちゃ楽しみです!!

今回も楽しませて頂きましたー
次回も楽しみにしてますよーvv

Yaduru Shira

Shinryu [Meteor]

>Tsutomi Amouさん

感想コメント有り難う御座いまする~!
ロードストーンへようこそ! 改めてこちらでも宜しくお願い申し上げまする!
意外と大丈夫だったwwもう言葉が全てですww(笑)

つい先月の話ですが、もう懐かしさが込み上げて参りますなぁ…!
(*´σー`)エヘヘw めちゃんこ楽しんで頂けて何よりです…!

ですです! 次回からは恐らく新キャラが登場する筈…! ぜひ楽しみにお待ち頂けたらと思いまする!

今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!
次回もぜひぜひお楽しみに~!!
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