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Yaduru Shira

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【ワシのヒカセン冒険記】第5話【FF14二次小説】

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■あらすじ
FreeCompany“Old Frontier”に初めての新規加入申請が届いた日。

▼この作品はBlog【逆断の牢】、【Lodestone】、【Pixiv】で多重投稿されております。

Twitter■https://twitter.com/hisakakousuke
Blog■https://sakatatsunorou.blogspot.com/
Pixiv■https://www.pixiv.net/users/2277819

第1話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4661663/
第4話→https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/34040203/blog/4688703/
第6話→まだ

◇◆◇◆◇>>><<<◇◆◇◆◇



「――――新規加入の申し込み?」

 ツトミちゃんの驚きに染まった表情と返答に、ワシは厳かに首肯を返した。
 場所は森の都・グリダニア。その旧市街東に位置する黒檀商店街の一角。薬屋や惣菜店、素材屋などが立ち並ぶ屋根付きの街路に備え付けられているベンチに腰掛けたツトミちゃんを見下ろす形で、ワシは先刻耳にした話を繰り返した。
「うむ。我らがフリーカンパニー“オールドフロンティア”に、新規加入の申し入れが有ったと、双蛇党の統合司令部にて聞かされてな。この後面談の予定を入れたのだが、ツトミちゃんも同席してはくれぬだろうか」
「わぁ~、嬉しいねぇ、奴隷が増えるって事でしょ?」
「物言いに気を付けい。新規加入者の眼が曇るではないか」
「わはは。それにしても、ビックリだよ~。やっぱり爺ちゃんの考えたあの募集文が、効果抜群だったって事だねぇ」
「冷やかしでない事を祈るばかりだがの」
 先日――ツトミちゃんとフリーカンパニーを設立したのと同時期に、人員の募集を掛けていたのだ。
 二人だけで小ぢんまりと経営していくのも吝かではなかったが、折角会社を立ち上げたのだから、大所帯までは行かずと、志を同じくする者が増えていけば良いなと思っての募集だった。
 ワシ自身は未だに記憶が戻らぬ身。剰え、元々はこの世界の民ではないであろう事も、何と無く推察される。であれば、まずは足元を確り整え、盤石の布陣を形成してから、改めて己の記憶探求の冒険に出るのも悪くないと考えた結果が、これだった。
 ……無論、このまま記憶が戻らず、エオルゼアで冒険者として永住する、と言う選択肢自体も、悪くは無いと思いつつあるところでは有るが。
「どんな人なんだろうねぇ。仲良くしてくれると良いなぁ」
「申し込みの書類には、ミコッテ……ツトミちゃんと同じ種族の女性と有る。名は、キアラ・エレット、と言うそうだ」
「エレットさん! わぁ、写真がもう可愛いねぇ」
「ツトミちゃん風に評するなら、まだ新兵の域を脱してはおらぬようだが」
「爺ちゃん、そういう事を初対面の娘に言うのは良くないよ? 感じわる~って思われちゃうよ?」
「お前さん、もしやワシへの発言をもう忘れたのか?」
 などと軽口を叩きながらも、新規加入を申し込んだエレット殿が提出した書類に目を通していく。
 冒険者としての経歴は浅いと見受けられるものの、斧、双剣、巴術と言った、戦闘に係わりの有る職種を或る程度触っているようで、その実績も確かだ。
 ツトミちゃんもそうだが、ワシ自身もまだ新兵の領分に位置する冒険者だが、このエレット殿もワシら同様、冒険者として活動を始めたばかりの雛鳥、と言う印象が強い。
 であれば……若年寄の寄合所とでも見做されそうなフリーカンパニーを見初めた理由が掴めないのもそうだが、何故前途有望そうな若者がワシらに接触を図ろうとするのかも、同様に謎に包まれている。
 無論、募集文にもあるように、何者も拘束する意図が無い事を察し、自由気ままに活動できる環境を求めてやってきた可能性も否めなくは無いが。
「そろそろ面談の時間だ。カーラインカフェに参ろうかの、ツトミちゃん」
「はーい。爺ちゃん、失礼の無いようにね?」
「その言葉、そっくりそのまま返すわい」
 都市内のエーテライトを使って、カーラインカフェに程近い場所に転送されたワシとツトミちゃんは、その足でカーラインカフェに入店、店主のミューヌ殿に事情を説明してエレット殿の来店を待とうとしたところ、既にそのエレット殿が待機していると聞き、慌てて案内される事になった。
「こんにちは、初めまして。エレットと申します」
 案内された席に座っていたミコッテ族の女性――エレット殿は、静かに頭を下げた。
「遅くなり申し訳ない」ワシも倣うように頭を下げる。「フリーカンパニー“オールドフロンティア”の代表者、ヤヅルと申す。此度は加入申請の申し込み、まことに感謝する」
「初めまして~、ヤヅルちゃんの補佐……かな? 補佐で合ってるよね? をしてる、ツトミって言います。宜しくね~」
「ヤヅルさんに、ツトミさんですね。まずは面談の場を用意して頂き、感謝します」
 落ち着いた物腰、穏やかな語調、静かな雰囲気。
 まるで熟成された人格者とでも言うべきただならぬ気配に、ワシは背筋を正す想いで彼女の対面の席に座す。
「面談と言っても、人となりを少しばかり見せて頂くだけの話し合いになると思うが、それでも構わぬだろうか?」
「ええ、勿論です。私自身も、珍しい募集文だなと思って応募した身でして、どのような方が運営されているのか気になっておりました」
「うんうん、そうだよねぇ。よその募集文も参考に見てたけど、ウチの募集文は中々アレだよね、そう見ないよね」
 エレット殿の穏やかな微笑に、ツトミちゃんが納得しきりと言った態で頷いている。
 ……そんなに珍しい文章を綴った心算は無かったが……それは良いとして、だ。
「まずはこちらから話をさせて頂きたく」
「はい、どうぞ」目礼を返すエレット殿。
「我がフリーカンパニーは活動らしい活動は無く、社員一丸となって取り組む事業も無い事は、予めお見知り置きを」
「ええ、その方が私としても助かります」ゆっくりと首肯を返すエレット殿。
「社員同士は、同僚であると同時に、茶飲み仲間と言う認識で、時折会って会談でも出来れば良いなとは思えど、無論その集まりとて絶対参加では御座らぬ。参加したい時に参加し、休みたい時は幾らでも休んで貰って構わぬゆえ」
「基本的に社員を拘束する意志は、フリーカンパニーにはないと言う事ですね」
「率直に言えば、社員には自由に振る舞って欲しいのと、誰かを縛る行為は認めない、と言う事になる」
「有り難い事です」
「……こちらとしては、今述べた内容さえ順守できるのであれば、練度は問わぬゆえ、後はエレット殿の意志を確認してになるが、如何かの?」
 短い時間ではあれど、エレット殿が新兵にあるまじき大人びた対応を取る方だと言うのは理解できていた。
 老練、とでも言うべきか。見た目はツトミちゃんと大して変わらない少女然とした愛らしい姿であるにも拘らず、その中身は酸いも甘いも噛み分けた、熟成された貫禄を感じさせる。
 確かに――このフリーカンパニーに属するに相応しい人材と言えるのかも知れないが、ともすれば我がフリーカンパニーには勿体無いとまで言わしめる逸材とも思わされる。
 エレット殿の返答を待っていると、彼女は小さく咳払いして、「では、こちらからもお話しさせて頂きたい事が有るのですが、宜しいでしょうか?」と顔色を窺ってきた。
「無論、寧ろぜひお聞かせ願いたく」
「有り難う御座います。では……私は冒険者として活動していますが、その実、一日の活動時間が短く、中々実績も残せない環境に有ります」
「……と言うと?」
「普段は冒険者としてではなく、冒険者の補助……いえ、手伝いを行っていまして、足りなくなった備品を買い揃えたり、フィールドワークとして蛮族の生態を調査したり、市内の警邏の助手に入ったりと、中々冒険者としての活動が出来ない分、貴社のような緩い規程のフリーカンパニーであれば、私のような冒険者でも受け入れて貰えるのではないかと思い、志望した次第です」
 ゆっくりと、そしてしっかりと説明を終えたエレット殿は、そこで区切ると改めてワシらの顔色を窺うように猫のような瞳を細めた。
「私の話は以上です。どうか、加入させて頂けないでしょうか?」
「えぇと、爺ちゃん?」ツトミちゃんがワシの顔を覗き見る。
「受け答えが確り出来る、自分の出来る領分も弁えている、己の主張も持っている。冒険者としてこれ以上の資質は無いじゃろう。即承認させて頂きたく思うのですが、如何かの?」
「だってさエレちゃん!」にこーっとエレット殿に笑いかけるツトミちゃん。
「有り難う御座います。早速手続きさせて貰おうと思います」深々とお辞儀を返すエレット殿。
「併し……本当にワシらのフリーカンパニーで良かったのかの。前途有望な若者の芽を摘まないか冷や冷やするぞ」
「ふふ。ご心配なさらないでください。こう見えて、私も結構いい年ですので」
「なんと」「わぁ! お仲間だねぇ~」
 ワシとツトミちゃんの驚きの声にも、エレット殿は柔らかな笑みを湛えて「ふふ」と小さく笑声を零すだけだった。
 ――そうして面談は無事に終わりを迎え、我がフリーカンパニー“オールドフロンティア”に、新たな人員が増える事となった。
 ツトミちゃん以外の冒険者との未知の触れ合いに、ワシはまた、エオルゼアでの新たな出会いに感謝するのだった。
 そしてこれはまだ始まりに過ぎず。
 新たな出会いへの感謝が冷めやらぬ間に、新たな出会いが訪れる事になるのは、もう間も無くの事だった。
Comments (2)

Tsutomi Amou

Shinryu [Meteor]

更新お疲れさまですvv

怒涛の更新ラッシュ!さすが先生!! えっ?先週分なの…

爺ちゃんは「本当に来るんだ!?!?!」なんてとんでもない事言ってましたよねw
その後あるゆる可能性をシミュレーション(大きい声では言えない)しつつ面談の時間を待っていたわけですが、実際にお会いしてみると「いや、まじでウチでいいのん?」みたいなw

底の方に埋もれてしまっている募集文を発掘してまで着てくれた方です。きっと変zおおぅ

わたしたちと同じ新米だけど大先輩です!末永くよろしくお願いいたします!!

果たして来週までにあと2話…いけるか?程々にガン( ゚д゚)ガレ!!

今回も楽しませて頂きましたー
次回も楽しみにしてますよーvv

Yaduru Shira

Shinryu [Meteor]

>Tsutomi Amouさん

感想コメント有り難う御座いまする~!

ですですwwこれまだ先週の分…いやもう今週始まっちゃったので先々週の分だったりします…!ww

いやもう本当にそれでしてww
「本当にウチでいいの!?」ってぐらいめちゃんこ素敵な人だった分、よくあの大量の募集文の中からウチを発掘できたな…! と、嬉しさでどうにかなりそうでしたよねww

こらぁ!ww何てこと言うんだ!www

そうなのです! 同じ若葉の身でありながら、その実大先輩! どうか末永くお付き合い頂けますよう宜しくお願い申し上げまする!

ほ、程々に頑張りまっす!w┗(^ω^)┛

今回もお楽しみ頂けたようで嬉しいです~!
次回もぜひぜひお楽しみに~!!
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