蒼天ストーリーを進めつつ、ナイト修練の日々を過ごしている。
白魔道士としてレベルカンストした、わたしであったが、いかに何も成し得てこなかったのかと痛感している。
白魔道士、ひいてはヒーラー職の場合、減ったHPを戻す、状態異常を快復すのが役目だ。
当意即妙の難しさもあるが、これらのお勤めを全うしていれば良かろう。
ダンジョン進行の場合、挙げたヒールワーク以外の行動原則は、概ね次の通りだ。
・マップを覚えずとも良い(後ろをついてゆくのみ)
・ギミック操作は誰かがやってくれる(後ろをついてゆくのみ)
・宝箱も誰かが開けてくれる(ロットするだけ)
至上の厚遇よ。
これで不足ロールボーナスまで頂戴できた折には、インセンティブ設計の敗北とも思える。
だが、タンク職では、こうはいかぬ。
・良い装備を準備し、トップヘイトを常時キープ
・マップを覚え、迷うことなくパーティーをエスコート
・敵の配置も覚え、パーティーの実力に応じた、まとめ進行を即興で計画
・敵のスキルや詠唱も覚え、適切にスタン、詠唱中断
どういう格差か。とても同じゲームとは思えぬが、もしー?
公式ジョブガイドには記されておらず、気づくまで2か月近くかかりましたぞ。
いや、タンク職を奉じなければ、生涯気づくこともなかったやもしれぬ。
あまりのブラック労働ゆえ、このままではタンク連合労働組合がストライキを起こすのは必定。
もしや今にも、裏Tellでストライキ議決権の委譲投票が進行中やもしれぬ。ああ、恐ろしい。
コンテンツルーレットの不足ロールがタンクばかりで不思議だったが、なるほど、この格差では納得だ。
わたしの立場では、恩賞たる不足ロールボーナスを自由にはできぬが、せめてここに、ささやかな感謝を捧げよう。
ありがとう、タンク殿。わたしの【ベネディクション】で元気になあれ。