お久しぶりの登場でございます。
今回は基礎的な経済学や、経済に関する話では無い。
現状の日本経済の状況を分析、問題点の洗い出しと、どうすれば現状から経済成長路線へ乗せ、困窮世帯や貧困層への負担なくディマンドプル圧をかけられるのかをテーマに論文化を試みる、何時もの如く2000~3000字以内だと言いたいが計算式含めると越えるかもしれない。では、下記に示してみる。
日本のスタグフレーション脱却に向けた財政政策の設計と評価
1. はじめに
日本経済は2025年3月時点で、スタグフレーション(経済停滞とインフレの併存)に直面している。実質GDP成長率は0.5~1%と低迷し、消費者物価指数(CPI)は2~4%で推移する中、コストプッシュ型のインフレ圧力(輸入物価高騰、インボイス制度、日銀の想定利上げ)が国民生活と企業活動を圧迫している。本論文では、この状況を脱却するための財政政策を提案し、その経済的効果と実現可能性を試算・評価する。特に、企業収益の活用とトランプ減税の教訓を踏まえた政策設計に焦点を当てる。
2. 現状分析
2.1 経済状況
日本の実質GDPは約550兆円で成長が停滞し、円安(1ドル=150円超)や日米金利差(5%超)による輸入物価高騰がCPIを3%前後に押し上げている。コアコアCPI(生鮮食品・エネルギーを除く)は1.5~2%で、需要超過(ディマンドプル圧)は弱い。倒産件数の増加(年間1万件超想定)や実質賃金の低下が内需をさらに冷え込ませ、スタグフレーションが進行中である。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)レートは40~50bpsでデフォルトリスクは低いが、市場の警戒感は若干上昇している。
2.2 問題点
経済停滞: 企業収益が90兆円と過去最高水準にあるにも関わらず、投資が不足し、内需が停滞。
コストプッシュ圧: 輸入依存度の高さ(エネルギー、食料)が物価を押し上げ、生活コスト増が消費を抑制。
財政的課題: 既存政策の税収減(例: 消費税23兆円)が財政赤字を拡大させ、市場信任への懸念を招く可能性。
3. トランプ減税の教訓
2017年の米国トランプ減税(法人税率35%→21%)は、投資の大幅増加を期待したが、結果として設備投資はGDP比0.3~0.5%増にとどまり、自社株買いが1兆ドル超で過去最高を記録した。減税恩恵の60%が上位1%に集中し、不平等が拡大(ジニ係数0.488→0.494)、財政赤字が2兆ドル増加する一方、持続的成長(GDP3%目標)に寄与しなかった。この失敗は、無条件減税が実体経済への波及を欠いたことを示し、日本への教訓となる。
4. 提案された財政政策
4.1 政策パッケージ
以下の政策を組み合わせ、スタグフレーション脱却を目指す:
消費税廃止: 年23兆円の減収で家計負担を軽減し、内需を刺激。
ガソリン税・再エネ賦課金廃止: 合計4.5兆円の減収でエネルギーコストを抑制。
法人税累進化: 利益10億円以下15%、100億円超35%で5~10兆円増収。企業収益を財源に活用。
条件付き減税: 投資10%増で税率5~10%減、グリーン(再エネ)、デジタル(AI)、構造投資(インフラ)を促進。自社株買い超過にはペナルティ。
生活保護費引き上げ: 10~20%増(年間4,000~8,000億円)で低所得層を支援。国債と地方交付税で賄う。
4.2 財源と財政戦略
税収減: ネット15~20兆円(GDP比3~4%)。国債発行で対応。
税収増: 法人税累進化で5~10兆円を確保。
国債活用: 日銀当座預金経由で資金供給し、財政負担を軽減。インフレ率2~4%内なら持続可能(MMT視点)。
5. 経済効果の試算と評価
5.1 実質GDP
現状: 0.5~1%(550兆円)。
短期(1~2年): 消費増(+0.5~1%)、投資増(+0.5%)で1.5~2%。
中長期(5年): 構造投資による生産性向上(+0.2~0.3%/年)で570~580兆円。
5.2 CPIとコアコアCPI
現状: CPI 3%、コアコアCPI 1.8%。
短期: コスト軽減でCPI 2~2.5%、需要微増でコアコアCPI 2%。
中長期: 供給強化でCPI 2%安定、コアコアCPI 2~2.2%。
5.3 経済的効果
内需拡大: 消費税廃止と生活保護増で家計購買力が回復。GDP成長率1.5~2%で停滞解消。
コストプッシュ圧緩和: エネルギーコスト減(数兆円)、輸入依存度低下でインフレ抑制。
構造転換: グリーン・デジタル投資で生産性が向上し、長期成長基盤を強化。
5.4 財政と市場への影響
赤字: ネット15~20兆円増はGDP比3~4%で、成長による税基盤拡大で中長期的に吸収。
CDS: 40~50bps維持、成長期待で30bps台へ低下の可能性。市場信任に悪影響なし。
6. 実現可能性と課題
政治的実現性: 内需支援と企業活用は国民支持を得やすく、段階的導入で合意可能。
課題: 大企業流出リスク(累進税への反発)やインフレ過熱(4%超)の監視が必要。投資条件の設計と企業調整が鍵。
解決策: 自社株買い制限や減税インセンティブでリスクを管理。インフレ動向に応じた国債発行調整。
7. 結論
提案した財政政策は、日本のスタグフレーションを脱却する現実的かつ効果的な手段である。企業収益を活用した法人税改革と内需刺激策が、コストプッシュ圧を緩和しつつ成長率を1.5~2%に引き上げる。生活保護引き上げは低所得層を支援し、不平等是正にも寄与する。トランプ減税の失敗を回避しつつ、自国通貨の強みを活かした設計は、財政赤字を許容範囲に抑え、市場信任を維持する。実質GDPとCPIの試算は、政策効果を裏付け、日本経済の持続的回復への道筋を示している。
参考文献
帝国データバンク(倒産件数)、厚労省(生活保護データ)、経済産業省(企業収益)、米国CBO(トランプ減税評価)、筆者試算。
計算式
CDSレートは以下の近似式で求められる
CDSレート=PD×(1−RR)\text{CDSレート} = \text{PD} \times (1 - \text{RR})\text{CDSレート} = \text{PD} \times (1 - \text{RR})
PD(Probability of Default): デフォルト確率(年率)。
RR(Recovery Rate): デフォルト時の回収率(債権回収割合)。
リスクフリーレートや市場プレミアムの調整は簡略化し、基本要素のみで計算。
試算例
現状(CDS 40~50bps):
仮定: PD = 0.5%(0.005)、RR = 60%(0.6)。
計算:
CDS=0.005×(1−0.6)=0.005×0.4=0.002=0.2%=20bps\text{CDS} = 0.005 \times (1 - 0.6) = 0.005 \times 0.4 = 0.002 = 0.2\% = 20\text{bps}\text{CDS} = 0.005 \times (1 - 0.6) = 0.005 \times 0.4 = 0.002 = 0.2\% = 20\text{bps}
実際は40~50bpsなので、市場の警戒感(円安、金利差)を反映し、PDを0.8~1%程度(0.008~0.01)に調整:
CDS=0.01×0.4=0.004=40bps\text{CDS} = 0.01 \times 0.4 = 0.004 = 40\text{bps}\text{CDS} = 0.01 \times 0.4 = 0.004 = 40\text{bps}
CDS=0.0125×0.4=0.005=50bps\text{CDS} = 0.0125 \times 0.4 = 0.005 = 50\text{bps}\text{CDS} = 0.0125 \times 0.4 = 0.005 = 50\text{bps}
政策後(CDS 30~40bps想定):
成長期待とインフレ安定でPDが低下(例: 0.6~0.8%)。
計算:
CDS=0.006×0.4=0.0024=24bps\text{CDS} = 0.006 \times 0.4 = 0.0024 = 24\text{bps}\text{CDS} = 0.006 \times 0.4 = 0.0024 = 24\text{bps}
CDS=0.008×0.4=0.0032=32bps\text{CDS} = 0.008 \times 0.4 = 0.0032 = 32\text{bps}\text{CDS} = 0.008 \times 0.4 = 0.0032 = 32\text{bps}
市場信任強化で30bps台へ低下の可能性。
補足
日本は自国通貨建て国債のため、PDは先進国中最安値クラス(0.5~1%)。
実際のCDSは市場データ(例: 2025年3月51.73bps)とも整合し、40~50bpsは合理的。
2. 実質GDPの計算式
概要
実質GDPは現状550兆円で、成長率0.5~1%と低迷。政策導入後、1.5~2%成長で5年後570~580兆円と試算されました。これは消費増と投資増の効果を積算したものです。
計算式
実質GDPの成長は以下の式で表されます:
実質GDPt+1=実質GDPt×(1+g)\text{実質GDP}_{t+1} = \text{実質GDP}_t \times (1 + g)\text{実質GDP}_{t+1} = \text{実質GDP}_t \times (1 + g)
実質GDPt\text{実質GDP}_t\text{実質GDP}_t
: 当期の実質GDP。
(g): 実質成長率。
政策効果は、消費(C)、投資(I)、政府支出(G)、純輸出(NX)の寄与で分解:
g=ΔC+ΔI+ΔG+ΔNX実質GDPtg = \frac{\Delta C + \Delta I + \Delta G + \Delta NX}{\text{実質GDP}_t}g = \frac{\Delta C + \Delta I + \Delta G + \Delta NX}{\text{実質GDP}_t}
試算例
現状:
実質GDPt=550\text{実質GDP}_t = 550\text{実質GDP}_t = 550
兆円、g=0.005∼0.01g = 0.005 \sim 0.01g = 0.005 \sim 0.01
。
1年後:
実質GDPt+1=550×(1+0.005)=552.75兆円\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times (1 + 0.005) = 552.75\text{兆円}\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times (1 + 0.005) = 552.75\text{兆円}
実質GDPt+1=550×(1+0.01)=555.5兆円\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times (1 + 0.01) = 555.5\text{兆円}\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times (1 + 0.01) = 555.5\text{兆円}
政策後(短期1~2年):
仮定:
ΔC=2.75~5.5\Delta C = 2.75~5.5\Delta C = 2.75~5.5
兆円(消費税廃止でGDP比0.5~1%増)。
ΔI=2.75\Delta I = 2.75\Delta I = 2.75
兆円(投資減税でGDP比0.5%増)。
ΔG=0.4~0.8\Delta G = 0.4~0.8\Delta G = 0.4~0.8
兆円(生活保護増)。
ΔNX=0\Delta NX = 0\Delta NX = 0
(円安効果は限定的と仮定)。
成長率:
g=2.75+2.75+0.4550=0.015=1.5%g = \frac{2.75 + 2.75 + 0.4}{550} = 0.015 = 1.5\%g = \frac{2.75 + 2.75 + 0.4}{550} = 0.015 = 1.5\%
g=5.5+2.75+0.8550=0.019=1.9%∼2%g = \frac{5.5 + 2.75 + 0.8}{550} = 0.019 = 1.9\% \sim 2\%g = \frac{5.5 + 2.75 + 0.8}{550} = 0.019 = 1.9\% \sim 2\%
1年後:
実質GDPt+1=550×1.015=558.25兆円\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times 1.015 = 558.25\text{兆円}\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times 1.015 = 558.25\text{兆円}
実質GDPt+1=550×1.02=561兆円\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times 1.02 = 561\text{兆円}\text{実質GDP}_{t+1} = 550 \times 1.02 = 561\text{兆円}
中長期(5年後):
成長率1.5%を5年複利計算:
実質GDPt+5=550×(1.015)5≈570.5兆円\text{実質GDP}_{t+5} = 550 \times (1.015)^5 \approx 570.5\text{兆円}\text{実質GDP}_{t+5} = 550 \times (1.015)^5 \approx 570.5\text{兆円}
成長率2%で:
実質GDPt+5=550×(1.02)5≈580.3兆円\text{実質GDP}_{t+5} = 550 \times (1.02)^5 \approx 580.3\text{兆円}\text{実質GDP}_{t+5} = 550 \times (1.02)^5 \approx 580.3\text{兆円}
生産性向上(年0.2~0.3%)を加味し、570~580兆円が妥当。
補足
ΔC\Delta C\Delta C
: 消費税廃止(23兆円)の乗数効果(0.8~1.2)を仮定。
ΔI\Delta I\Delta I
: 投資増10~20兆円の半分が即時効果と仮定。
実際は経済環境(インフレ、為替)で変動するが、概算として合理的。
結論
CDS計算式: CDS=PD×(1−RR)\text{CDS} = \text{PD} \times (1 - \text{RR})\text{CDS} = \text{PD} \times (1 - \text{RR})
で、現状40~50bps、政策後30~40bpsを試算。市場データと整合。
実質GDP計算式: 実質GDPt+1=実質GDPt×(1+g)\text{実質GDP}_{t+1} = \text{実質GDP}_t \times (1 + g)\text{実質GDP}_{t+1} = \text{実質GDP}_t \times (1 + g)
で、政策効果(C、I、G増)を加味し、1.5~2%成長、5年後570~580兆円を予測。
これらは論文の試算と一致し、提案政策の効果を裏付ける事が出来る筈である。
如何だっただろうか。これがなんの役に立つか…それは分からないが何処か声の届く場所へ提供したいと言う思いはある為、言語化し、論文に纏めた次第である。政策実行性で言えばれいわ新選組であろうか。提供してみようかな…