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紅蓮のリベレーター 帝国の影 記憶の断章 1-2 :記憶の欠片が眠る廃村

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朽ちた廃村には、静寂と共に不気味な気配が漂っていた。長く放置されていたはずなのに、村全体が妙に整然としている。

タラ・モルコー少牙士は眉をひそめ、廃屋を見渡した。
「放置されていたにしては……整いすぎていますね。」

鼻をつく異臭、不自然に残された足跡。彼女の視線が足元を追う中、背後から低い声が響いた。
「妙なことを言うな。ただの廃村だろう。」

振り返ると、薄汚れた服を着たエレゼンの男が立っていた。無表情のまま村を見渡すその様子に、タラはすぐさま身構えた。
「どなたですか? この村に何の用です?」

男は肩をすくめ、壁に視線を移す。
「さあな。俺にも分からん。ただ、この村にはなぜか引き寄せられる……懐かしくて仕方がない。」

その言葉に、タラは驚きつつも冷静に問いかけた。
「まさか記憶喪失というわけですか?」

男は一瞬黙り込んだ後、廃れた木札に手を触れた。
「かもしれないな。ここに来ると胸がざわつく。何か忘れている気がするんだ。」

タラは真剣な表情で男を見つめた。
「もしかすると、帝国の捕虜だった方かもしれません。この村には帝国軍が関わっていた形跡があります。一度、同盟軍の拠点へ戻りませんか?」

男は少し迷った後、静かに頷いた。
「分かった。案内してくれ。」

廃村の不気味な静けさを後にし、二人は同盟軍の拠点――カストルム・オリエンスを目指した。その村と男の記憶が繋がる日は、まだ遠い。
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