『暁』関連の『仕事』を行なっていくと、話がトントン拍子に進んでいく。良し悪しは有るが、報酬はそこそこ良い。
しかし、その展開、結末に『納得』がいくか否かは人それぞれ異なる。
俺も『納得』が出来ない事は多々有る。
例えば、アラミゴで男女問わず、ガレマール兵達とアラミゴの住民達を苦しめて来た元髑髏(どくろ)連隊の生き残りども。
連中は今では囚人部隊として、敵や『飼い主』に睨まれながら戦っている。
だが、奴らがした事を考えたら、何人かを嬲ってやろうかとすら考えてしまう時が有る。
それは奇しくも俺の小隊との模擬戦闘などで、一つの小隊を徹底的に叩き潰した事で一応は叶った。問題に挙がったが。
次にユユハセとローレンティス。
あの裏切り者達を生かす道理が何処に有るのかが分からない。それにあの神龍が顕現したのは、奴らの仕業だと言う事が分かった瞬間、純然たる殺意を以って叩き斬る為に奴らがいる牢獄へと足を動かし、止められた。
最後にウェルリト。
全てが終わったあの後、ガイウスと一騎討ちをした。
両者共に満身創痍になるまで、斬り合い、殴り合い、怒鳴り合った。
ーーお前がそもそも様々な土地に乗り込まなければ誰も彼もあんな目に遭わずに済んだんだろうがっ!!
ーー死んだと思ったらアシエン潰す為に動いてた!?アラミゴやドマの現況を調べずに!?ふざけるなっ!!
ーー結局お前は!!諸国に絶望を振り撒いただけだろうが!!『納得』出来るかこの大馬鹿野郎!!
…等、怒りに任せて怒声、罵声、剣戟、殴打を繰り出し続けた。
目が覚めた時には、俺は誰かの家のベッドの上だった。
そして同じく傷やアザだらけのガイウスは、俺に対し
「この罪を忘れずに生きていく。それが我が自らに課した『罰』として、だ」
と言って頭を下げて来た。
俺はそれを了承した。俺の中で納得が出来たからだ。
『暁』関連の『仕事』は、納得が出来ない事が起こる事が多々有る。それはこれからも出て来るだろう。
それをぶち壊す為、『納得』と言う今も昔も掲げる唯一無二の『正義』の為に、俺は戦い続けてやる。