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Yuki Nekomiya

Chocobo (Mana)

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小話: 儚き夜を胸に抱いて(14)

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* * *

 初めて見る赤子の手は思ったよりも小さく、柔らく脆そうだった。ちょっとでも摘まんだら骨が折れてしまいそうな、そんな気さえしてくる。それでも恐る恐る触れようとして、ラサラスは慌てて右手のグローブを外した。金属の全身鎧ほどではないにしろ、そもそも魔物等と戦うときに身を護るものなのだ。それなりに頑丈にできているため、そのまま赤子に触れればケガをさせてしまいそうだった。
「わ……」
 そろりそろりと指先を近づけると、赤子の手がラサラスの指をぐっとつかんだ。小さくてか弱く見えるし実際強く振りほどけば骨まで砕いてしまいそうだけれども――それでも、ラサラスの指を掴む力は、想像以上に力強かった。
(生きてるんだ……)
 当たり前のことが、ひどく愛おしい。
 だって、こんな世界なのに。振り出しに戻った……否、以前よりも悪化したとさえいえる状況なのに。
 それでも、ひとは今日と明日のためにご飯を食べて寝て、死ぬ人もいれば新しく生まれてくる命もあって。当たり前の日常を紡いで縒り合わせて、そうして人々は生きている。
「……ちょっとごめんね……」
 身の内に光を封じているとはいえ、いつ零れだすか分からない。長く触れていれば赤子を光に晒してしまう気がして、慎重にラサラスは指を引き抜いた。
 最大限の注意を払っていたはずだったが、手の中のものが無くなったのが気になったのだろう。赤子の表情がふやぁ、とゆがんだが、すかさず赤子を抱きかかえていた産婆さんがあやすように軽くゆすった。さすが熟練の手管と言うべきか、赤子はぐずることなくむにゃむにゃと口元を小さく動かした。
「あ、危なかった……」
 思わず、詰めていた息をゆるゆると吐き出す。
 ……見せてあげたい、とふと思った。この命の繋がりは、彼がいなければそもそも成り立たなかった。この100年孤独だったかもしれない、けれど寄り添う人々が居たから、この赤子は『此処』に居る。多くの人の死を看取り、多くの生命の誕生を見守ってきた彼こそが、本当はこの場にいるべきなのだ。
 だから。
(もうちょっとだけ、待ってて)
 必ず、連れ戻すから。
 
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