Character

リノレイル家の初代は、歴史から消えた氏族の出身でした。
原因は判然とませんが、狩猟よりも採取や採掘に長けていた事が彼の回顧録と行動から推察されます。
しかし、彼自身は狩猟が不得意だったのかというと違うようです。
彼はバイルブランド島に流れ着きルガディン達、海賊や商人といった実力だけが評価される気風の中で成功を掴んだのですから。

大海賊、大商人、海賊目当ての賞金稼ぎ、氏族を失った彼には代わりに自由がありました、そして彼は先述のようなわかりやすい道を選びませんでした。
彼は醸造家として成功をしました、回顧録を読む限りでは酒作り、行商、漁に探索とにかく何でも屋の冒険者というようなものでしたが、その情熱は酒造に多くを費やされていたようです。
記述の中にララフェル族に油断するべからず、侮るなかれというような文言が散見され、一般に彼らの得意とする商売での失敗、あるいは錬金学の影響を受けたのかもしれません。
高度な錬金学とその道具はアルコールに関わる、蒸留、精製、抽出などを可能とします。
彼はその出自により様々な材料を集める事は可能でしたが、醸造家としては部族民の素朴な発酵酒をつくれるだけの素人でした。
しかし、放浪の末たどり着いたバイルブランド島でその為の技術と出会ったのです。
そして、当地で一番盛況な都市は言うまでもなくリムサ・ロミンサであり、酒と美味いものを愛した海賊たち、海を渡る商人、あるいは当地の異民族達。
それらとの出会いが彼に醸造家としての成功の鍵を与えたのかもしれません。
かつて、バイルブランドに吹く風を手繰り、ロターノ海の海流を越え、リムレーンの導きによりリムサ・ロミンサの地を拓いたとされる人々と同じく、彼もリムレーンの息吹を見逃さない強かさと幸運を持っていたのかもしれません。