「その後のガレマルド」目次&登場人物紹介ひんがしの国はクガネのガレマール帝国大使館の長。四十代前半のガレアン。
1人称は私。2人称は君。目上に対しては適宜敬称をつける。
帝国の誇り高きエリート文官。
クガネに赴任後は概ね無難に職務をこなしており、凡庸ではあっても決して無能ではない。
が、ヴァリス帝の急死とそれに続く本国との連絡断絶は、彼には手に余る事態であった。
Sound
Only「情報官!帝都の情勢はわからないのか?!」Sound
Only「大使、落ち着いてくだされ」
Sound
Only「これが落ち着いていられるか!!」Sound
Only「、、、残念ですが、ヴァリス陛下崩御は事実のようですじゃ」
Sound
Only「そんな、、、、、、、では、帝位は?皇位継承はどうなったんだ?」Sound
Only「それが、皇位継承に関する知らせは全く流れてきません。代わりに、、」
Sound
Only「代わりに?」Sound
Only「帝都駐留の軍団同士で戦闘が始まっているとの情報があります」
Sound
Only「戦闘?!帝都で?!?!内戦じゃないか?!?!?!」Sound
Only「そういうことになります」
Sound
Only「なりますじゃない!なんとかしなければ!!」Sound
Only「大使、あなたが将来有望のエリート官吏なのは儂も存じ上げております。
しかし、今帝都で起こっている事は軍事。文官のあなたが扱える事柄ではありません。
まして、ここクガネからでは、、」
Sound
Only「では、、どうする?このまま傍観していろと言うのか?」Sound
Only「今、配下の者を総動員して、帝都と各地の状況をあたらせております。
帝都で内戦となれば、当事者どもが各地の属州と軍団を味方につけようとするのは必至。
彼らの動きを見てから方針を決めても遅くはありませぬ」
Sound
Only「な、なるほどな!よし、それでいこう!
しかし、それまでこの大使館はどうしたものか、、」Sound
Only「大使館は日々の業務に専念すればよいでしょう」
Sound
Only「帝都から何も言ってこなければそれでいいだろうが、、
しかし、もし内戦の当事者が立場を明らかにせよと言ってきたらどうする?」Sound
Only「ゼノス殿下とティトゥス殿下、いずれに付くべきか、ということですな」
Sound
Only「、、、わかるか」Sound
Only「ええ、、大使がティトゥス殿下・・というか、ネルウァ殿下に付きたいことも」
Sound
Only「、、、さすがはパラメキア諜報機関クガネ支部長殿、お見通しか」Sound
Only「ゼノス殿下は軍の支持こそある方ですが、政官界では全く支持されていませんからな」
Sound
Only「うむ、、となると、やはり、、、」Sound
Only「まあまあ、焦ってはいけませぬ。
さしあたり、大使館は唯一無二の皇帝陛下に従う、とでも言っておけばよろしいでしょう。
自前の軍勢を持たぬ大使館ができることはそこまでですじゃ」
Sound
Only「う、うむ、、」それからしばらくしたある日。Sound
Only「ここもすっかり寂しくなったのう、、、」
そう独語しながら支部長は大使執務室へと入った。
Sound
Only「大使。お話が、、」
Sound
Only「、、、、、」Sound
Only「、、、大使??」
Sound
Only「、、、情報官か。聞こえている」Sound
Only「では、、内戦の当事者ですが、第1軍団と第3軍団と確定しました。
第1軍団にゼノス殿下がついている情報はありませんが、第3軍団にはネルウァ殿下がついたのは確証がとれました。
ティトゥス殿下がついたかどうかはまだ確証まではとれていませんが、少なからぬ元老院議員がついたのは確証がとれていますゆえ、ティトゥス殿下も第3軍団の側についたと判断しております」
Sound
Only「、、、、、」Sound
Only「大使、どうなさいました?」
Sound
Only「、、、どうでもいい」Sound
Only「なんとおっしゃいました?」
Sound
Only「どうでもいい、と言ったんだ!」Sound
Only「大使、、、」
Sound
Only「何が大使だ!ひんがしの国も、各国も、属州も、誰もろくに相手もしてくれない!
帝国はもうなくなったと言わんばかりだ!もう、どうでもいい!ガレマルドに帰る!」Sound
Only「大使、大使たるあなたが大使館を放棄して逃げ帰ったとならば、帝国の権威は地に墜ちますぞ」
Sound
Only「権威!権威ね、そんなものがどこに残ってるんだ!?
物資どころか給料すら送ってこない帝国に!残ってるならぜひ見せてもらいたいね!」Sound
Only「、、、それに、大使御自身の名声も、、また、、」
Sound
Only「名声!?部下にも妻子にも見捨てられた四十男の名声がどうしたって?!」Sound
Only「
愛人に怒鳴り込まれたが抜けてますぞ、大使」
Sound
Only「うるさい!!余計なお世話だ!!!」半泣きになりながら大使は叫んだ。Sound
Only(もう、壊れてしまったか、、無理もないが、、)
「ガレマルドはおやめなされ。彼の地はまだ内戦の真っ只中ですじゃ。
ここに無理に残ることをお勧めするわけではありませんが、待てばガレマルドの戦乱がネルウァ殿下の勝利で終わる可能性もあります。
そうなれば大使館への補給も再開されるでしょうし、補給皆無の状況で大使館を守った大使への評価も暴騰すること間違いなし」
Sound
Only「その希望に賭けるか、、、。
そうだ、他属州や軍団の動向はどうなんだ?何か分かったか?」Sound
Only「おや、帝国エリート官僚の顔に戻ってきましたな」
Sound
Only「からかうな」そう言いながらも大使は少し嬉しそうであった。Sound
Only「失礼失礼、、属州ですが、どこも様子見を決め込んでおりますな。
避難する者が来れば受け入れているようですが。
軍団ですが、第10軍団が帝都解放に向けて動いてはいますが、他軍団の支持を取り付けられていないようで。他は自地域内の行動しか見受けられません」
Sound
Only「反乱勢力への対応で手一杯なのかもな、、」Sound
Only「あり得ますな、、陛下崩御と帝都内戦の報はいまや世界中に流れておりますゆえ、、」
Sound
Only「わかった。今は腰を据えて待つとしよう」Sound
Only「そう、今はドンと構えて座っていれば安泰ですぞ」
Sound
Only「私はそうするしか無いだろうが、君のとこはどうなんだ?
本国から補給が絶えたのはパラメキア諜報機関クガネ支部も同じだろう」Sound
Only「なんとかやりくりしておりますわ」
Sound
Only「どうやって、、私の食費まで都合つけているようだが、、」Sound
Only「それはお聞きにならないほうがよろしいかと。
諜報員以外の者が聞くと吐き気を催す類の手法ですからな」
Sound
Only「わ、わかった。君のよきように」それから時は流れ、、、、、、、大使執務室。Sound
Only「大使」
Sound
Only「どうした?」Sound
Only「帝都の内戦が終結したようです」
Sound
Only「本当か?!勝者は?!」Sound
Only「、、、いません」
Sound
Only「何?!どういうことだ?!」支部長は大使に説明した。Sound
Only「ガレアン・コミュニティ、、何が暫定政権だ!体の良い傀儡政権じゃないか!!」Sound
Only「如何なさいます?」
Sound
Only「私は認めん!帝国こそがガレマールを代表する唯一無二の正当国家だ!」Sound
Only「承知いたしました。ガレアン・コミュニティにはそう返答いたします」
Sound
Only「、、、?君のことだ、現実を見ろとでも言うと思っていたが、、、」Sound
Only「それが、、ガレアン・コミュニティは人も金も物も無いそうで、、大使館への補給も今はできないそうです。
そのため、暫定的にラザハン大使館がクガネにおけるガレアン・コミュニティの利益代表を務めるそうで。なので、こちらの大使館は別途命令あるまでは休業せよと」
Sound
Only「!!!😠!!!💢!!!!😡!!!!🤬!」大使は言葉にならぬ罵詈雑言を叫びまくった。Sound
Only「、、大使、何も考えずに座っていれば安泰ですぞ」
聞こえていないのか、大使は罵詈雑言を叫び続けた。
支部長が執務室を去っても、しばらくは続いたという。~あとがき~Click to showClick to hide