Character

☆リテイナー本部を飛び出し私はチョコボ厩舎へ向かう。
「ハァハァ…お、おじさん…」
息も切れ切れに厩務員の男性を呼び出すと、慌てた様子で駆け寄ってきた。
「ど、どうしたんだい?緊急かい?」
「は、はい…!この中で一番早く走れる子を貸して下さい。」
「一番早く…どこまで行くのかね?」
「ウルダハです…」
「ウルダハか…ちょっと遠いな、何時までだい?」
「…18時です。」
「18時!?なんだってそんな…」
時間を聞いて唖然とした表情を浮かべた。
「お願い…私の全てを賭けても間に合わなくちゃいけないの…!」
「なるほど…訳ありみたいだな。むぅ…あいつなら…待ってな。」
そういうと主人は一度奥に消え、一羽のチョコボを引いて連れてきた。
決して体躯こそ大きくはないが、しなやかな身体の締まりは気品すら感じられる、そんなチョコボだった。
「こいつの名はアーラ。親はあの光の戦士の専属のチョコボだ。
能力は保証する。こいつなら間に合うだろう。」
「ではこの子を貸して下さい!」
しかし主人は少し渋い顔付きになる。
「一つ難点があってな…こいつは気難しい性格でな…気に入らないと走りもしないんだよ…」
迷ってる暇はなかった。
この子じゃないと間に合わないかもしれない。
ならばありったけの想いを伝えるだけ。
私はアーラの頬の辺りにそっと両手を添えた。
黒く綺麗に透き通った瞳に私が映っている。
「アーラ、お願い。会わないといけない人がいるの。伝えなきゃならない想いがあるの。きっとあの方のする事は世界を照らす光になる。だからお願い。
力を貸して…!」
祈るように目を閉じる。
「クエー!」
アーラは一鳴きするとバサバサと翼をはためかせ、スっとしゃがみこんだ。
「こいつは驚いた…自分から…」
主人は未だに信じられないように呟く。
「ああっと!ちょっと待ってくれ。」
主人が鞍を装着し、ポンポンと鞍を叩くと、スクっとアーラが立ち上がった。
「さぁ!乗んな!必ず間に合うだろう。」
私が背に乗ってもアーラは全く動じる様子はない。
「アーラ…いくよ。」
アーラの耳元で呟くと、グン!と手綱が一気に持っていかれる。
「きゃっ!」
グングンとスピードがあがり、風を切る音と共に周りの樹々が流れていく。
(すごい…!これなら!)
「はっ!」
鞭を入れるとさらにスピードが上がる。
6年間変わらなかったマスターとの1m。
この1mを縮める為、6年分の想いを乗せて…今、走る!
☆「18:00発、〜行き、まもなく搭乗手続きを致します。」
ウルダハランディングの待合ロビーに案内のアナウンスが流れる。
「先生、そろそろ…」
「ああ、もうそんな時間ですか。」
時計を見ると17時20分を指している。
先生と呼ばれたその男は、呼びかけに顔をあげて答えた。
右手には一枚の写真を持っていて、再度その写真に目を落とす。
写真には笑顔で写る男の横に、少し頬を赤らめさせ、気恥ずかしそうに俯き気味に写っている女性の姿があった。
「この写真を撮るだけでも苦労しましたね…」
男はクスリと笑い、思いを馳せた。
いつの頃からだろうか、彼女を意識し始めたのは。
初めてグリダニアの本部で紹介を受けた時、彼女は酷く動揺していた。
なんでも僕が初めてのリテイナーとしての仕事らしい。
これまでにもリテイナーは短期間で雇った事はあったが、特に特徴的な印象はなかった。
勿論、頼んだ事はしっかり熟すし、どの分野においても「優秀」である事には違いはなかったが、必要以上の会話も無かったし、仕事を頼む以外接する機会もなかった。
だからなのか、初めて彼女に会った時、ひどく『人らしさ』を感じ、なんだか温かい気持ちになったのを覚えている。
折角共に仕事をするのだから彼女とは今までとは違う信頼関係を築きたいと素直に思えた。
そう考えると、最初に会った時から僕の中には特別な何かを感じさせる物を無意識に捉えていたのかも知れない。
僕は事あるごとに仕事を彼女に仕事を頼んだ。
調査隊の皆で食事に行く時なども必ず彼女にも声をかけた。
当初彼女は、私は…と遠慮していたが、僕は、マスターとしてのお願いですと無理矢理頼み込むと、そういう事でしたらと渋々同行してくれた。
そんなやり取りは幾度となく繰り返されたが、後々に分かった事で、リテイナーは必要以上の馴れ合いはあまり好ましくないようだという。
少なからず油断が生じるきっかけにはなり得る為、リテイナー自身が一定の距離を保つように教育を受けているらしい。
いま思えば、少し彼女に悪い事をしてしまったかなと思う。
少なからず彼女自身、リテイナーとしての葛藤はあったのかも知れない。
そういえばいつだったか、いつものようなやり取りをした後、彼女が一言俯きながら呟いた事があった。
『マスターはずるいです…』
あの時は聞こえない振りをして何食わぬ顔をしていたが、その言葉を聞いた時、とても彼女を愛おしく思えたのだ。
彼女を雇い3、4年が過ぎた頃から、リテイナーの本部より契約再考の打診が届くようになる。
何かと理由をつけて断っていたが、それだけで事済んだのは、執務長殿の尽力があったのだと思う。
聡明な執務長殿の事だ。こちらの意を汲んで手を尽くしてくれたのだろう。
彼女を雇い6年が経とうとしていた。
1年程前から、僕は自身のしている事に疑問を感じるようになっていた。
先人達の偉大な知識と技術を蘇らせ、エオルゼアをより豊かな世界にする。
これが明るい未来に繋がる一翼を担うと信じていた。
ところが現実はどうだ。
各国は民の生活に直結する物よりも、戦争に使用する武器や兵器の解読を優先とさせた。
決定づけたのはオメガの発見だ。
《バハムートを封じる者》
その言葉を各国首脳陣に伝えると、目の色が変わった。
口々では危険だなんだと言いながら、自国でなんとか所有権を得ようと、腹の探り合いをしているのは明白だった。
僕はもう限界を感じていた。
自分の研究がいずれは民を傷つける道具として使用されるかも知れないと思うと、胸が張り裂けそうだった。
結局の所、僕は自身で理想を掲げながら国の利権の為に利用される『道具』でしかなかったのだ。
僕の変化を感じとったのか、彼女は今まで以上に何も言わず静かに僕の近くにいてくれた。
彼女を近くに感じられるこの時だけが、僕の心の支えになっていたのだ。
2カ月程前のある日、とある組織から使者が訪れた。
使者の話を聞いた時、僕は驚愕した。
その組織は世界に点在する遺跡を発掘し、悪用されると危険な技術…主に武器、兵器の類だが、それらを事前に保護、あるいは封印を目的とした組織だと言う。
最近、遥か東方の地で組織の先遣隊が遺跡群を発見したらしい。
その遺跡で発掘された物の解析と、正式に組織の一員にならないかとの誘いだった。
正に僕にとっては渡に船の話だった。
危険な代物は封印し、民を豊かにする物だけを世に送り出せばいい。
僕の知識がようやく未来に役立てる事が出来るかもしれない。そう思えた。
そして…この未来に繋がる仕事を、側で彼女に支えてもらえたら…そう思い僕は2つ返事で了承した。
出立は今の仕事を終える予定の2ヶ月後と決まり、それまでに色々と整理をしておいてほしいとの事だった。
早速、仕事の傍ら、身の回りの整理を始めた。
この事は僕に賛同し、協力してくれる数人の調査隊員しか知らない。
各国に露見してしまうと何らかの妨害の恐れがあるからだ。
彼女にもこの事はまだ言えなかった。
リテイナーは国の直結機関であるからである。
身の回りの事に1カ月程費やし、リテイナーの本部を訪れた。
事の顛末を執務長殿に話、彼女を連れていく事の希望と了承、そして協力を要請しようと思っていたからだ。
答えは否だった。
正直、予想外ではあったが、執務長殿の言っている事は何一つ間違ってはいなかった。
何も言い返せず、落胆する僕を見て、執務長殿はこう続けた。
『コレはあくまで協会の意向ですよ、先生。彼女の意思は彼女の物だ。
誰にも止める権利などありはしませんよ。それが例え、リテイナーを辞める事になってもです。』
☆そしてあの夜、僕は賭けに出た。
正式に契約解除の通達に、そして僕についてきてほしいと伝える為に。
『私はリテイナーである事を誇りに思っています。』
彼女は真剣な眼差しでこう言った。
ああ、そうか、僕のしている事は自分の身勝手で彼女から誇りを奪う事なのだ。
僕にそんな事は出来はしない。
テーブルを挟み、彼女との距離は1m…
手を伸ばせば彼女に届くだろう。
だけど僕は、手を伸ばす事は出来なかった。
☆「では行きましょうか。」
同行者に返事をして席を立つ。
これから新しい仕事が始まる。
彼女はもういない…しっかりしなければならない。
この6年間の想いは決して無駄ではない。
僕は彼女が、リテイナーという仕事を誇りを持って飛躍出来る…そんな世界を作りたい。
彼女は僕にとても大事な事を教えてくれたのだ。
「ありがとう…」
小さくそう呟いて搭乗カウンターに向かう。
「…ター!マ…ター!」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえるような気がした。
よほどだな僕は…と思い一瞬立ち止まり、再び歩き始める。
「待って!!マスター!!」
今度はハッキリと聞こえた。
驚き、バっと身体事振り返る。
そこには息を切らしながらこちらに駆け寄る彼女の姿があった。
☆エピローグ
「見えた!」
森を抜け、草原から乾燥地帯に入る。
目線の先にはうっすらとウルダハ王都の建物郡が姿を現した。
「アーラ、もう少し…頑張って。」
ウルダハの入口についた時、時刻は17時を15分程過ぎた頃だ。
(早い!きっと会える!)
アーラをチョコボ屋に預け、ウルダハランディングへ急ぐ。
「18:00発〜行きは搭乗手続きのご案内を致します。」
待合ロビーに着くとそうアナウンスが流れていた。
まずい、搭乗口に入られてしまうともう会えなくなってしまう。
私は必死でロビー内を駆けめぐる。
マスター!どこ?どこですか!?
前方に大きなケースを転がし、カウンターに向かう男性の後ろ姿が見える。
見つけた!
私がマスターの後ろ姿を見間違えるはずがない。
だって…6年間、ずっとずっと1m後ろから見続けてきた姿なのだから。
息が苦しい。
私はありたけの力で叫んだ。
「マスター!マスター!!」
後ろ姿のマスターは一瞬立ち止まるがまた歩き始めた。
お願い!届いて!
「マスター!!待って!!」
マスターはこちらを振り返る。
驚いた様子だが息が苦しくてまともに顔が見れない。
私は息を切らせながらマスターと向かい合う。その距離1m。
「ど、どうして…貴女が…ここに…」
どうして?ああ…そうか、私達はずっとすれ違っていた。
気持ちは同じ方向を向いているのに決して交わる事がなかった。
この1mを勇気を持って踏み出していたら…。
私は半歩…前に出る。
《マスターとの距離…30㎝》
丁度、目線はマスターの胸の位置だ。
マスター、結構背が高いのですね。
後ろからだと分かりませんでした。
私はそんな事も知らなかったのですね。
目線を上げマスターと目が会った。
マスターはタジタジしながら目線は泳いでいる。
「あ、あの…その…」
慌てるマスターの姿。
そんな姿が堪らなく愛おしくなる。
「あの…その、お仕事は…。僕はもう貴女のマスターではありませんよ…」
マスターは少し寂しそうにそう呟いた。
そう、マスターはもう私のマスターではない。
だって…。
私はマスターのネクタイをキュっと掴むと、クイっとこちらに引き寄せる。
「え…?」
《「私」と「彼」の距離…たぐり寄せて、今…0cm》
了
やばいです〜!キュン死しそう…(≧∇≦)
待ってた甲斐があった〜w
ハッピーエンドで良かったー!
Afterストーリーはないんですか!?
噂のグイチューだ!グイチュー!
男子憧れのシチュだ!
うむ、されてみたいw
ハッピーエンドごち!
ホっとしたw
後書き的なもの。
前回設定云々の話でたので…設定ネタばらし。
・プラスニックメモリーズ(アニメ)
特殊な恋愛設定。悲恋だけど良作アニメ。ネタの背骨。
・ストロボエッジ(コミック)
すれ違い過ぎ漫画。 気持ち描写参考。
・スプリガン(コミック)
世界観素敵。新組織はアーカムパクリ、古代言語学者もここから。
・好きっていいなよ(コミック)
引き寄せチューのみ。漫画は彼氏が軽すぎて嫌い。
・世界は恋に落ちている(歌)
ナイスな距離感を感じさせる歌詞ですた。
他にもありますがこんなんからイメージ膨らませて書いておりまっす。
読んでくれた方、感謝感謝〜!
グイちゅー…むふふ…グイちゅうぅ!!
続きが気になる終わりなんだが…完結なんだよね!?
イラストは自分!?
ほえ〜!参考設定て結構あるんですねー!
ウチは漫画よんで終わってしまいそうw
プサスニックメモリーズはウチも見ました!
泣けますよね!
アリシー!
アフターはないよーw
イチャつかせるだけの話になっちゃうからね!
あ、プラスニックみたんだ!?
よかったけどあれこそ続き気になるw
猿
ふいにこっちに引き寄せたらお互いヘッドバッドし合って微妙な空気になると思うの…。
現実はきっとそんなものだお…w
ゆーちゃん
イラストは絵描きさんに頼んだ〜w
続きはないよ〜!!完結!!
イイ(^人^)!イイ作品です(>_<)!
更に先が気になるって、エピローグなのに!
ハッピーエンドの先!!知りたいです!
エルさん、上手い!引き上手(@_@)!
そんな訳で、続き、気になるなぁ~(^.^)♪
多分、みんなも同じはずだよ?
ほら、コメしてる全員が後日談きぼんぬでござるww
新大陸でのその後短くていいからおなしゃす!!
えるちゃま頑張ってw
ごんだけラブリーな話書くのにグイちゅーにかなり冷静なえるにわろたwwリアリスト過ぎだよ!
モアさん
ありがとうございます(o^^o)
後日談ですか〜うむむ〜w
ではちょっと考えてみるですよ〜!
そういうチューとかしてるんでしょ~♪
だって、ネクタイあるもん☆(^-^)
え?
違うの??
ウチは、
蹴りチューでも作ってみようかな♪
(蹴りこんで、痛くてうずくまっている所をチューするワザ)
…股間は蹴って歩いてますがw
姉さん…蹴り入れて倒れたとこに襲いかかってチューするのは世間では強姦罪て言うんだぜww
まぁ…女子が男子にしても適用されないが…それでもそれは暴行罪て言うんだぜww