この記事には蒼天のイシュガルドのストーリーを始めネタバレに触れる箇所が多数あります。気にしない方、現行メイン・クロニクル・サブクエスト等一通り終えている方でないなら、お気を付け下さい。
前回の続き。ギャザラークラスもそうだがクラフタークラスは厳密にはジョブじゃないという真面目なツッコミはこの際考えないことにしよう……。例によって順番なぞないようなもの。
・彫金師50~60
ギルドマスターのセレンディピティーの紹介を経て宝飾店エシュテムよりやって来た依頼、さる不滅隊将校の夫妻より相手に送る記念の品を用意することになる。……この話、オチはとても良い話で収まるし道中も中々起伏に富んだ筋書きを辿るのだが、クラフターとしては延々腕を磨け!と要求されている気がしないでもない成り行きを辿る。何せ最終的にこちらが顧客の為に制作して贈る品というのが本当にその最後のそれらだけで、他はそれを作るだけの技量があるかと確かめる目的で作らされている品々ばかりだから……。あ、ネジのセレンに対する毒舌その他は健在ですのでその辺も楽しんで眺めましょう。セレン……弄られ役が板についてしまっている子。
・木工師50~60
基本的に蒼天のクラフタークエストは各地のギルドマスターより話を持ち掛けられ、舞台となる場所へ赴く。みんなの人気者ベアティヌ先生から穂先の折れた槍をイシュガルドに届けに行くと、現地で持ち主の息子のバルトヴューという男と出会い、彼から頼まれて木工師としての仕事を受けることとなる。親の因縁絡む仇敵ヌーグルヴィルを討つため手を講じる中で彼は息子との溝を知らされる様になる他、魔物の餌食となったとされる親父の死の真相の一端に触れる。……こう、入り組んだ話のつくりをするにはこちらもある程度地盤を持っている方がやりやすいんだろうな、と新生の各種クラス・ジョブクエストを……これ何度目の話だ。ともかく、それを差し置いても登場人物に対する印象作りの面では大分仕上がりがきっちりしている。本来なら誰しもに人生があり、物語を通じてそれに関わる訳である。
しかしまぁ、この蒼天木工師クエストについては初めてやった当時から蒼天本編終わらぬ内に終わらせるべきよな……と思っていたものだが今でも少なくとも3.3を終える段階までにはこれはやった方が場面に対し背景がしっくり来るだろう。竜詩戦争の一幕という側面を感じさせるがゆえに。
・革細工師50~60
革細工師ギルドにやって来たイシュガルドよりの依頼について対応したところ、ゲヴァ姐さん曰く引き抜かれる格好で向こうの商会の相談役に選ばれる。そこからは陰謀渦巻く皇都にて新進気鋭の商会の繁栄の為に主に見本を作るお仕事を……という訳だが、舞台となるのが宝杖通りなので現地の商売事情だとか顧客の層による扱いの差だとか、割とイシュガルドの経済情勢に対する観察にもなるお話となる。これをやった後イシュガルドが更に好きになる!と保証することは出来ないが、イシュガルドという街自体に対する掘り下げとしても機能するこのクラスクエストはやっておく価値は少なくないだろう。
他愛のないところながら、一番最初に作るは多分に実用本位で、街中を歩く吟遊詩人の履物としては見栄えしないのでは……とか思わされたり。尤も、そう経たぬ内にを試供品としてくだんの詩人に渡しに行くのだが。これはこれでトゲトゲ飾りが暴力的なイメージあるけどね……
終わりにヒカセンは商会の頭たるエルド女史よりその感謝の意を込めて新設する工房のブランド名として名を引用しますと伝えられる。いやー個人的に、流石にちょっと恥ずかしいですわ……それだけのことをしたのだという意味があるにしても。埋没志向が私にもあるものだ。
・裁縫師50~60
最初のクエストの表題が『皇都の母娘』。赴いた先のイシュガルドにてヒカセンは母と娘の確執と付き合いながら仕事をこなして行くことになる。しかしまぁ、その確執が娘アヴェリルの初恋の人との仲が母グレンダによって引き裂かれたから、と新生以上に露骨な位恋愛沙汰。そのアヴェリルの愛しの彼は彼女の言を借りれば「ドジで頼りない」けど「何故か放っとけない」んだそうな。……いわゆるダメ男に入れ込んで甲斐甲斐しく世話を焼くタイプ? 母親は母親で娘に差し向けられたこちらに延々と世話話や愚痴を聞かせて、これまた昼ドラの一幕に混ぜ込まれている様な立場に立たされてるなこちらは……という感想がどことなく付き纏う。中盤から実際に顔を合わせる彼氏のフレスキン、確かに何となく頼りない扱いではあるんだが、仮にもデュランデル家の騎兵になっただけはあって割に物怖じしない。そう考えるとアヴェリル嬢は人を見る目はあったというべきか……とはいえ物語上は文字通り脇役の彼、話はひたすら母娘が進める。ちくちくお針子仕事をしている中でレドレント・ローズ先生と話をする機会にはえらく楽しい気分になるのは何故だろうか。やはり他人の恋路とあらば背中を押す役目をするのが美味しいからということで、その共犯者じみた立場として話し合っているのが楽しいのだろうか。
物語の最後に竜詩戦争に従軍する一兵士として出征するフレスキンと共に発つ彼女を見送りに出、そこへ待ち構えたグレンダとのやり取り、決意とそれによって果たされる和解が描かれる。わだかまりの理由というのは往々にして他愛のないことだが重要なことで、親からしてみりゃ自らの過去と重なって見えればそうも考える、という話である。でもまぁ隠したくなるのも若者らしさよな……やはり微笑ましい話なものだ。それが戦場へ赴く男女の挨拶である点を除けば。幸い、ローズ先生よりちゃんと生きて帰って来たらしいことが語られる。……その内またどこぞで関わる機会があるだろうか。愉快なのろけ話を聞く機会があるなら私は聞くが。不思議と好きな物語。
・鍛冶師50~60
海都のブリ殿と私が勝手に呼ぶブリサエル氏はヒカセンが鍛冶師として驚異的な成長を遂げ、ギルドに舞い込む大概の難題をこなして見せた為に持病(?)の胃痛もすっかり鳴りを潜めて幸せな日々を送っている。そんなある日、イシュガルドより依頼が舞い込みさる貧乏貴族の為にそのハンマーを振るって欲しいとされ、キミにより大きな名声を与えるでしょう!と、ある意味相変らずぶん投げられてヒカセンはイシュガルドの依頼人の元へ赴く。話自体はほぼキャラクター主導なもので、主人想いの家令フレモンダン氏にその名誉のみを報酬として約束されジェルヴァン家のロリスお嬢様にあれこれ鍛冶師としての仕事をすることになる。お嬢様は非常に誇り高い故施しを受けることを潔しとせず必ず対価を揃えた取引をしようとする……とまぁ、くさぐさとしたことは直に見れば分かる。お嬢様いいキャラしてんな。
劇中でお嬢様が使っていた武器としてが登場する訳だが、ヒカセンがこれを使って蒼天エリアを走り回るとなると他の装備がガチガチでないと手酷い結果になる。お嬢様やべぇ……猟師から素の感想がこぼれるが、ヒカセンとしては素直にお嬢様やべえ……というべきであろう。ぱっと見甲冑はだし……まぁミラプリかもしれんが。なに、それ以前にIL制はゲーム上の戦闘にしか適用されぬだろうて? それを言っちゃあ……。あとそれとなくゲロルトおじさんが関わる話だけど、おじさんはこの件を後々まで覚えているかどうかは割と気になる。レリック武器のクエストは漆黒入るまで全放置を決めているからな……
・甲冑師50~60
甲冑に命を懸ける漢ブランシュディル、壊れる。のっけから扱いが可哀想な彼だが新生の時は敢えて言えばウザいキャラだったから仕方ないのやもしれぬ。相変らずこちらを好敵手扱いして訳の分からん熱意に満ちた対抗心を滾らせるこの男と共にとある冒険者パーティの防具を用立てることになる。というか、ブランシュティルが悉く顧客の要望に応えられない結果その尻拭いがこちらに回って来ているとも取れるお話だよな、これ。彼は彼でオシャレが分からんことで制作物に却下を喰らったことを反省しウルダハの裁縫師ギルドへ勉強に赴く等進化の為の努力を惜しんでいない訳ではあるので、新生のそれに比しては大分可愛げのあるキャラになった訳ではあるのだが。でも結尾の物言いからするにその扱いの落着点はウザカワ系ルガディンのおっさんだろうなこれ。……進化、した、のか? そしてその陰で何かと助言を与え続けてくれるギルドマスターであるハ・ナンザ女史の地味ながら先達としての頼もしさよ……
掘り下げという点ではくだんの冒険者パーティの面々の描写も厚い。注文には個性が現れ、一同がいるところに赴けば何かと喋っている。そしてタンク役のワンマガの愛しの女。恐らくそのお方を「ちゃん」付けで呼ぶのは彼を除けば稀であろう。いないとまでは信じないでおくが。
・錬金術師50~60
新生の頃から錬金術師のクエストは中々よく作られており、この蒼天でもクラフタークエストでありながらその依頼内容は事件捜査の協力。セヴェリアン氏曰くこれも野暮用ということではあるが、化学的に必要な項目を担当するという錬金術師ギルドの側面を上手く物語に組み込んだ、やはりおいしい物語である。しかしだ、その工程でロウェナサン商会が絡んで捜査を担当する冒険者ギルド側としては無碍に出来ぬからと向こうが要求する品を制作してくれとなる点はどことなく話の繋ぎとして作る必要があるという認識を抱かずにはいられまい。転んでもただでは起きぬ。この人はいつでもこんな感じだから仕方はあるまいがなぁ……。そしてある場面にて非力の筈のララフェル族による犯行の証明に必要としてを制作することになるものの、ヒカセンの人口のかなりの割合にはララフェル族がいる筈で、彼ら彼女らは例えばタンク役になれば単眼族だとかドラゴン族だとかの攻撃を支え、時に受け流したり盾でブロックしたりする訳だが、それが出来るということはララフェル族の膂力は存外ルガディンの大男を相手にしても引けを取らないものを素で発揮する者もいるのでは……とか考えたりしないでもない。ヒカセンでなくてもピピン少闘将みたいなのもいるしなぁ。向こうは打ち合いが本分ではない可能性は否定しないにせよ。
頭脳戦を繰り広げた果てに己が永らえ続けることへの誇大な価値を見出していると思しき錬金術師ワーウードを捕縛、その罪を立証し逃亡を図る彼をお縄に掛け直して物語は幕引きとなる。ちょびちょび見解を乞うセヴェリアン氏の気乗りしなさげなところから閃いて能弁に語って手回しをしてくれたりする姿はやはりこのお方は付いて行く価値がある……と感心させられる。こき使われるけど。この彼に依頼を持ち込んだレヴナンツトールのウィルトウェークは氏曰く「我が知人」。そして一件落着後、彼と話すと昔彼から依頼を受けたという話をされる。ウィルトウェークは簡単そうな説明に反して結構な苦労をしたと昔語りし、今回の捜査協力に際しヒカセンという優秀な人材を送って寄越したことに「あんな男でも、むかしの負い目を感じていたりするのかね……?」と意外そうな感想をこぼす。セヴェリアン氏はまぁ……良心まで投げ捨てている人ではないからね。
・調理師50~60
ギルドマスターたるリングサス氏からの依頼にて門戸を叩いたのはごく近場の永遠の乙女亭。向こうの給仕長メルココからの頼みで料理大会デルモン・ドールに出場し、優勝候補と目される永遠の乙女亭料理長ハ・マシャ・ティアを打ち破ることを目指す。……料理漫画だな……
ハ・マシャはメルココからの説明通り自らに驕っており、優勝後どう振舞うのがクールかを検討している様を見せられる。やー、本人曰く努力は人前には見せないということだから見せられるのは不敵な姿だけだということだが、それがメルココからの依頼に繋がっていると思うと……。ということで、ここも他人の恋路をどうこうする話といえばそうなのだが、裁縫師とは違ってこっちはラブコメである。道中は料理勉強をしつつ顧客にご満足頂ける一皿を、と、彫金師と違ってちゃんと調理師としての仕事が舞い込み続ける。なんかこちらで出来ることを見せ付けられるとあちらでは出来なかったのは何故なのかと思わんでもないな。中盤に紅血聖女団のお頭ローズウェンの姐御が知りたいというイシュガルド料理を云々とやっていると、彼女の気になる相手というのは透けるまでもなく見えるという有り様を呈している割にその中でローズウェンの口からメルココのハ・マシャに対する想いの程について、「あの子のデカい声は、店内にまで聞こえてくるんだよ」とぼやかれるのは最早様式美みたいなものと言う他あるまい。
〆の料理大会での対決におけるカットシーンは完全に料理アニメである。うむ。他に説明のしようもあるまいし作り手も何かその辺を念頭にこさえたのであろう。マロングラッセに湧いて来る謎モーグリは謎モーグリだが。そしてここでの決着により膝を屈し、潔く敗北を認めたたハ・マシャに対し漸くメルココも素直になれる……という風に見事なラブコメである。マシャにゃんだのメルぴょんだの、頭脳指数が下がった様な言葉が飛び交う有り様にはローズウェン女史の感想を借りる他に何の言葉も掛けようがあるまい。まぁ勝手に看板を懸けられたリングサス氏は胸をなでおろしたことであろうが。
微妙に微妙な点として、ミコッテ♂とララフェル♀のカップリングというと劇中ではこの二人以外特に記憶に浮かぶ者たちがいない。この異種族間の連れ合いというのはFFXIV作中でたまーに登場したりし、また蒼天で知己となるヒルダ女史の如く異種族間に生まれたハーフという出生の人物も存在はする。……ハ・マシャはロリコンなのか? という陳腐な問いは脇に置いて、この二人の間に子供って生まれるのかなぁ……とこれはこれで下世話なことを私は考えるのであった。生物学的・遺伝子的にかけ離れ過ぎている者同士だと生まれないのがこちら、地球での話である一方ヒルダさんみたいなのはいる惑星ハイデリンのハーフ事情……恐らく解明されることはあるまいが、心密かに関心を持ち続ける次第ではある。
これにて蒼天でのクラス・ジョブクエストの感想は一通り終了。さて後はクロニクルクエストや蒼天街、そして3.1以降。そこまでして書いてどうするの? というところはあれど、書きたいと思ってしまったがために書き続ける他ない。ここまで読んで下さった方に感謝を。ありがとうございました。
幾許かのスクリーンショットを載せる。
対位法なる言葉が脳裏に浮かぶ
いずれ来たる……か?
オシャレ格差
お嬢様強し
漏れ聞こえておるぞ
俗人を敵に回さない一流
そ、そういうもんかな……?
ほんまそれ
8点も並べるとか正気かよお前……と思いはすれど、これ以上減らすことを容認出来るスクリーンショットがなかった。撮れば撮るほどどれもこれも載せたくなるものぞな……