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弔風のカトレア第四十話「力ある者」

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魔導城プラエトリウムを下っていく一行は、途中ネロ・トル・スカエウァと邂逅する。

シドとの因縁浅からぬ彼は、巨大なハンマーを武器に私たちの行く手を阻もうとしたが、もともとは技術屋。前線に出て戦うような人間ではないこともあり、私たちに対して時間稼ぎ以上の働きはできなかった。

キリシロがリウィアの時同様に首を落とそうと、横たわるネロに近づこうとしたとき、モニター室で別れたシドからの通信が入った。

「聞こえるか?シドだ!!!」

「聞こえてる。どうぞ」

「急いで先に向かってくれ!ネロのやつ最初から時間稼ぎが目的だったんだ!!!アルテマウェポンが起動してやがる!!!」

「そりゃあ、まずい」

シドの通信を受けて、全員でアルテマウェポンが息を潜める地下の保管庫行きのリフトへ走る。

かつて繁栄したアラグ帝国の遺産アルテマウェポンは、蛮神をいともたやすく葬り去るだけではなく、その力を吸収し成長する驚異の兵器だ。
あんなものがここから飛び立てば、エオルゼア全土は瞬く間に帝国に支配される。
そんなことを許すわけにはいかない。

アルビオンは一同が乗り込んだリフトを起動させる。
リフトはゆっくりと動き出し、地中深くへと向かっていく。
シドとの通信も届かなくなってしまった。

リフトが動く轟轟とした音を聞いていると、背後に予想外の人物が現れた。

「・・・・・!!ガイウス!?」

一気に緊張感が高まる。
奇襲に近いような形で現れた、敵の大将に驚きを隠せない。

「問おう・・・・・・うぬらは、何のために戦う?」

「何のため?」

ガイウスが演説を始める。
エオルゼアという土地。種族間の抗争。為政者の驕り。
それらしく御託を並べ立てているガイウスにアルビオンが答える

「あんただって一国の将の一人に過ぎないだろう。力?笑わせるなよ。
アラグの遺産とアシエンの協力。そのどこにあんたのいう力があるんだ?」

ガンブレードをガイウスへ突き出す。

「大した権力もなく、己の力だけで土地を制することも出来ない。そんなお前が統治者になったって、エオルゼアに住む民がむやみに死に絶えるだけで、何にも変わんないだろうが」

「ならば、「英雄」と呼ばれる貴様たちを倒し、我が力を天下に示そうぞ!エオルゼアの真なる王としての力を!」

どういう理屈か分らないが、ガイウスの甲冑が黄金色に輝く。

「そして、エオルゼアは新生するのだ!力有る我が手によって!」

アルビオンはその言葉を聞いて。ガイウスを鼻で笑う。

「はっ!!驕るなよ。てめぇが力の足りない将の一人だって、思い知らせてやるさ!!」

アルビオンとガイウスのガンブレードがぶつかり合う。

最初の打ち合い軍配はアルビオンに上がる。
同じガンブレードという名であっても、ガイウスが持つ帝国型のそれとは違い、アルビオンのガンブレードはボズヤ地区由来のトリガー式だ。
たとえ技量でガイウスが勝っていたとしても、根本的な出力が違いすぎる。

自らが振るったガンブレードが、アルビオンの持つ同系武器に弾かれる。
大層な演説を垂れていたガイウスにとって、屈辱的な幕開けだろう。

「ほぅら、いったろう。てめぇの力なんかその程度さ」

激情したガイウスとアルビオンが激しく打ち合う。
様々な帝国兵独自の剣技をアルビオンに浴びせかけるが、アルビオンはそれらすべてをいともたやすく捌いていく。

「見てるこっちが、かわいそうになってくる展開だね。これ」

「アルビオンの挑発に乗った時点で、勝敗は決したな。俺たちの出番があるかもわかんないぞ」

フェニとキリシロが辛辣な会話をしている。
実際その通りとはいえ、敵の大将としての威厳はズタボロである。

「フェニ、キリシロ。評価を間違えるな。ガイウスは決して弱くはない。今のアルビオンが異常なだけだ。超える力ってやつのせいなのかわからないが、ここまで戦ってきた他の将達の時とは明らかに次元が違う動きをしている」

「別に敵さんが弱いとは言って無いだろ」

激しすぎる二人の攻防は、あっという間に決着がついた。

勝敗は明白。
アルビオンの攻撃から逃げる形で、ガイウスがリフトから飛び降り、その先にある扉の中へと入っていった。

「あの扉の先は・・・・・・」

「あーあー、奴さん勝てないとみて、アルテマウェポンを使う気だな」

「急いで追おう‼」

ガイウスを追いかけて、アルビオンがリフトから飛び降りる。
私たちもそれに続いてリフトを降りて、扉の先へを向かう。

扉を潜り抜けると、そこは大広間になっていて、中央に巨大な兵器アルテマウェポンが鎮座している。

目を凝らして見ると、アルテマウェポンの肩のあたりにガイウスがいるのが見える。

「金色になってよく目立ってますね」
「スフレ、そういうことは言わないの」

スフレまでもガイウスに嫌味を言い始めてしまった。
メリエッダも呆れて、スフレを止めている。

大広間の中央。アルテマウェポンの眼前まで来たところで、搭乗席に乗り込んだガイウスが、アルテマウェポンに火を入れる。

鋼の巨躯が雄たけびを上げながら動き出す。

「こいつぁやばい・・・・・・」
「これ、人間がどうこう出来るもんじゃないでしょうよぉ」

先ほどガイウスを見ていた時とは一転。
急に弱気になるフェニとキリシロ。

「出来る出来ないじゃなくて、どうにかするの。それが私たちの仕事なんだから」
「飛空艇でも言ったけどさ。やっぱりおかしくない?」

私の言葉を聞いてフェニが表情豊かに、泣き言を発している。

「ハッハッハ!!なぁに!!できるとも!!!」
「うん。できます。私が誰も死なせません」

ヴォルフガングとメリエッダは気合が溢れかえっているようだ。

「全く、調子に乗って足を掬われるなよ」
「お師匠様の言う通りですよ。メリエッダ」

グリダニアの冒険者二人は、この状況でも冷静沈着で油断のゆの字もないといった感じだ。

アルビオンは一人無言でガンブレードの弾丸を込め直している。
作業が終わると、肩でガンブレードを担ぎアルテマウェポンを見上げる。

「やっぱり口だけじゃないか。これだから帝国のお偉いさんってやつは・・・・・・気張れよお前ら。これは、エオルゼアを守る戦いだ」

アルテマウェポンの咆哮が響き渡る。
蛮神の力を吸収したアラグの遺物。これまで光の戦士たちが戦ってきた何よりも強大な敵。

一瞬の油断も許されない戦いが始まろうとしている。
腰に携えたチャクラムを構え、アルビオンのほうを見ていつでもいいと合図を送る。

それに気が付いたアルビオンは、こちらに一度向き返り首を縦に振った後、再びアルテマウェポンに向き直る。

「さぁ、世界を救おう」

今、ガレマール帝国とエオルゼ同盟軍最大の戦力が激突する。
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