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レオニア王国記 第二期 十話 ベルガスの焦り

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 Read more>>『レオニア王国記』とは?(LSマスターLuisSera日記に飛びます)

                     

レオニア王国記 第二期 もくじ

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 次回→ レオニア王国記 第二期 十一話 『ポポト・ディナー』
                                         

▷ベルガスの焦り 
                     



                     
レオニアとタイガルド、二カ国の会議は滞りなく完了し、双方満足できる協議結果を得て、
レオニア使節団はタイガルドをあとにした。

その日の夜のこと、タイガルド王城 サンストーン城の一室に一人の男が入っていく。
とても大柄でがっしりとした体型、ルガディン族のようだ。 彼の名はベルガス。
この国の宰相を務めている。 彼が入っていったのは、自分の執務室だ。

書斎机の椅子にゆっくりと腰掛けると、彼は強い疲労感に襲われ、大きなため息をついた。

「……心配ない、彼らとの対話はそつなくこなしたはずだ。 しかしだ。
 レオニアの現状、そして我が国とレオニアの関係。 私の想像以上に早く事が進んでいる。」

ベルガスは困惑の表情で頬杖をつき、考えを巡らす。

「このままでは計画に支障が出るばかりか、頓挫してしまう可能性も出てきた。
 アルティ姫の黒魔法も想定外であったな。 彼女の道楽と思っていたが、あれほどの
 成果を上げるとは。」

ベルガスは頬杖ををついたまま、あご髭をなでつつ考えを巡らす。
するとその時、彼の耳につけていた魔器から呼び出し音が鳴る。

『ああ、君か。 何用かね? 進捗を知りたい、か。 こちらは万事順調に進んでいる。 
 ふむ。 そちらは多少の遅れはあるが計画は進んでいると。 今後も何かあれば連絡しよう。』

ベルガスは魔器との交信を切った。


その後ベルガスは立ち上がり、窓辺に向かって歩いて行く。
窓から外を見てみると、雲一つない星空と無数の星々、その下には城下町の建物が並ぶ。

「各々先の時代に視線を据えて、そこへ向かう道を模索している。 レオニアの王子も
 経験こそまだ少ないものの、彼自身の聡明さと脇を固める人物との連携もなかなかのものであった。

 この国も変革を起こさねばならない。 王が限界を迎えてしまう前に私の手で。」

ベルガスは窓の外に視線を向けたまま、そう言った。

                         

タイガルド城下町の南東部郊外にある屋敷。 貧民達が集うスラムを抜けた先にあるそれは
人々から『猫屋敷』と呼ばれている。
元はタイガルドに拠点を構える商会のオーナーが建てた屋敷であったが、今は他人に買い取られ
誰も近寄らない不気味な屋敷となってしまった。

その屋敷の一室、客間の一つと思われる部屋に、一人の人物が入ってきた。
獣のような耳のある頭部と長く伸びた尻尾の影からミコッテ族と思われる。
その人物は部屋の扉を閉じ、周囲を確認してから耳につけた魔器に手を当て、交信を始めた。

『こちらプロテオ。 ベルガス様、聞こえる?』

『ベルガスだ。 何用かね?』

『例の計画についての報告だよ。 ボク達の扇動で、反王政の気運は高まりつつあるよ。
 そして新たな指導者として、ベルガス様を求める声も強まっているみたい。』

『そうか、計画は順調に進んでいるようだな。 そろそろ次の段階に進んでも良いかもしれないが
 この時レオニアがこちらに対し何か行動を起こすかもしれない。』

『そうなると、それを妨害するためにボクか子猫ちゃんをレオニアに送り込む必要がありそうだね。』

『それには及ばない。 そちらの方は別方面で進めておいてある。』

『ボクらではなく外部の者に任務をやらせるの? 用心深いあなたらしくもない。』

『心配ない、彼らは信頼できる。 君は引き続き今の任務を実行し続けてくれ。』


こうして魔器の交信は切れ、その後プロテオはため息をついた。

「ボク達『野良猫』と『子猫(キティ)』は、主君の命令は絶対だと訓練されている。
 疑念を持つことは許されないのに、どうしても考えてしまう。

 ベルガス様、以前に比べて慎重さにかけるというか、何か焦っているように思える。
 本当にこれでいいのかにゃ?」

プロテオは肩をすくめると、部屋を出て行った。
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