もうすぐオーケストラ・コンサートですね。
クラシック音楽の演奏会には不慣れな方も、ぜひ楽しんで来てほしいなぁと思っています。
「指揮者は戦士、クラリネットは赤魔道士」オーケストラ攻略ガイド②「鬨の声でロールを学ぶ」オーケストラ攻略ガイド③「よろおつは拍手で」オーケストラ攻略ガイド④前書きと言い訳
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14用語でいう「初見未予習」にもそれでしか味わえない発見と楽しみがあります。自分もコンテンツは攻略読まずにまっさらで申請しています。
なので以下、未予習派の方は読まないほうがいいかもしれません。初めて生のオーケストラを聴くときに、余計な先入観がないほうが新鮮で良いかもしれません。
とお断りしたうえで、それでも予習しておきたいという方のために少しだけ、オーケストラ演奏のどこに注目すると演奏会がもっと楽しい(かもしれない)かを、自分の経験で紹介します。
なお、FFXIVオケコンには行ったことがないので一般的なオーケストラ演奏会の話です。少し違うかもしれません。そのときはごめんなさい。
1. 目を閉じて聴いてみるいや、ライブなんだからガン見しますし、そもそもFFXIVのオケコンは映像との競演がその売りの一つです。ですが、オーケストラの演奏会はそもそも「見せる」ことを優先していないのです。指揮者は客席に背中向けてるでしょう。演奏中の顔は見えない。
花形である第1ヴァイオリン(向かって左側手前でヴァイオリンを弾いている一団。メインボーカル的な役割)だって横向きで、楽器のもち方の都合で顔はあんまり客席を向いてませんし、そもそも人数多すぎて前のほうの席からは全員が見えず、後ろからは小さくてやっぱり見えない。ステージ上の配置は見た目のかっこよさよりも合奏の都合で決めています。もちろん奏者は正装しますし、見た目がどうでもいいという訳ではありませんが、出てくる音が第一です。
なので、「音」に集中して聴いてみる。ときどき目を閉じると脳のリソースが聴くことに全振りされ、音楽をより楽しめることがあります。気持ちよく寝る人もよくいます。いびきだけかかなきゃそれもOKです。
2. 空間の響きを感じてみる通常、オーケストラはPA(パブリック・アドレス。この場合はマイクで音を拾ってスピーカーから出すこと)を使いません。生音です。そのためわりと音は小さいです。
オーケストラの演奏会は大きなホールで行われます。小さな部屋で目の前で演奏すれば、ヴァイオリンでも凄く大きな音で聞こえますが、ホールの後ろのほうの席まではかなり距離がある。一部の特別音の大きい楽器(ラッパ類とか)を除けば、特にステージから離れた席では、音は小さく聴こえることが多いと思います。それでも朗々と響かせるのは奏者の技術ですし、ヴァイオリンなんかは大勢の人が同じパートを弾いて音量を稼ぐのですけれど、PAを使うライブに慣れている方で、後ろのほうの席だと、すごく音が小さく、遠く感じられるかもしれません。
ですが。これもよく聴いてるとだんだん耳と脳が慣れて、ホールの響きが感じられるようになります。すぐれた奏者はホールの壁・天井・床の反響を使って空間全体を響かせるようにするんですよ。すごいですね。またホール設計の腕の見せ所でもあり、演奏家の間で人気のある(よく響く)ホール、というのもあります。私は(聴衆として)京都の青山音楽記念館バロックザールが響きが美しくて好きです。
→ここ
https://barocksaal.com/3. 音量の大小を楽しむオーケストラ音楽の特徴のひとつは、音の大きさの振れ幅です。フルート1本で柔らかく吹いた直後に奏者全員がドッカーンと鳴らしたりすれば、一気に何十倍もの大きさの音になります。音量の振り幅をとても重視する音楽ジャンル。ヘッドホンで小さい音に合わせて音量を上げるとあとで耳が死にかけます。
現代の音楽ではあまり極端な音量の強弱をつけずに仕上げられることが多いようです。(「コンプレッサー」「海苔」がキーワード)聴く側の都合もあるでしょうし、FFXIVの劇中音楽はBGMでもありますから、そんなに音量が上がったり下がったりは少ない。ですがオーケストラ公演ではその音量の差で心を動かしてくる。小さくて濃い音の演奏に耳を澄ませると心打たれることが多いです。
4. 音色に浸る良い音色を出すことに奏者はとても努力をしています。綺麗な音、激しい音、悲しい音、朗らかな音。歌詞のないオーケストラは様々な楽器の多彩な音色を使い分けて、あらゆる感情、情景、概念を表現する。オーケストラはたくさんの種類の楽器がありますから、音色の選択は自由自在。
曲全体の流れから少しだけ離れて、「音」そのものの心地よさに浸るのもおすすめです。そしてその中で自分の心に刺さる音・音色の楽器を見つけられれば素晴らしいですね。
どの楽器もそれぞれに良さがあり、純粋に好みの問題ですが、私が好きな音色の楽器はオーボエ、ホルン、ヴィオラ。チェロの音色が好きという人も多いです。オーケストラでは低音で裏方役が多いですが時々ふくよかな音色を響かせてくれます。(チェロは自分で弾くくらいなので大好きなのですが、故に純粋な「好き」とは違った感じに。)
5. 推しを見つけよう性別も世代も様々な何十人もの演奏者がひとつのステージに乗るのがオーケストラ。たくさんいるし席から動かないし、演奏時間はたっぷりあるので、奏者を観察するのも楽しいです。中でも管楽器・打楽器は一人で演奏することも多く、ひな壇に乗っててよく見えるので、「この人の音色好き!」「この人めっちゃうまい」という発見もよくあります。身振りが大きく全身から楽しさを発しながら弾いてる人、澄ました様子で情熱的な演奏をする人、なんかわからないけど目が離せない人。
普通に音楽を聴いていればメロディが耳に入ってきますが、好きな楽器・奏者が目立たないパートを弾いている音を追いかけるのもオーケストラならではの楽しみのひとつ。ちなみに私の推しオーケストラ奏者は神奈川フィルの第2ヴァイオリン(←目立たない!)主席の直江智沙子さんです。
6. 曲の流れを感じようBGMと違い、コンサートではどんな曲でも始まりと終わりがあります。
歌詞のない音楽でも大抵は一つの物語のように構成されています。典型的なクラシック音楽の楽曲では最初にその曲の主人公(主メロディー。テーマ、主題ともいいます)が紹介され、ともに旅をする仲間が加わり、あちこちでいろいろな経験をして、再びはじまりの都市に帰還する。途中ですごく穏やかな場面で和んだり、闇落ちがあったり、一度はいなくなってしまったり、、などなどありながら、ラストは大団円で華やかに締めくくる。
もちろん他の流れもあって、静かに息を引き取るように終わっていく曲もありますが、1曲のなかにストーリーが詰め込まれています。過去のオーケストラ・コンサートの録音からもオーケストラ演奏会用に、劇BGMとしてではなく楽曲そのものを楽しんでもらうためにアレンジされていることが分かります。
演奏は素晴らしいに決まっているので小難しく考えなくても自然に流れを感じられると思いますが、曲の流れに乗ってともに旅するのも素敵。
ライブだから好きに楽しめばいいんですけれど、オーケストラ演奏会ならではの楽しみはどんなのがあるかなと思って書き出してみました。誰かの参考になればうれしいです。
次回はオーケストラの楽器を紹介しますね。
「聴いて...感じて...楽しんで」オーケストラ攻略ガイド①
「指揮者は戦士、クラリネットは赤魔道士」オーケストラ攻略ガイド②「鬨の声でロールを学ぶ」オーケストラ攻略ガイド③「よろおつは拍手で」オーケストラ攻略ガイド④
歴代のオーケストラ・コンサートの音源がストリーミング配信されるようになったので聴いてみたところ、あまりにも素晴らしいのでテンションが上がってしまい(特にクリスタルタワーは神演奏!)、これは何も考えずにコンサートに行っても素晴らしいだろうけれど、オーケストラのことをよく知っていればなお楽しめる面もあるぞ、と思いまして、居ても立ってもいられず筆をとりました。
Eorzean Symphony 配信サイト一覧
https://sqex.lnk.to/ES_lineuppd
ここは修行用に作ったアカウントで、これまで素っ気ない日誌しか書いてこなかったのですが、謎の使命感に駆られ全てのマイルールをかなぐり捨てて記事作成することにしました。
自分は趣味でチェロを弾きます。アマチュア楽団にいたこともあり、オーケストラ・コンサートにもよく行っていました。何もないときに聴く音楽のトップはバッハです。
あくまで自分個人の楽しみ方の紹介でしかありませんが、ゲーム・プレイヤーとクラシック音楽ファンはあまり重なっていない(主に後者がそもそも少ないせいで)ように思われ、一応は経験者である自分の感想も、クラシック音楽やオーケストラに馴染みのない方に少しは参考になるだろうと思います。