「紅蓮のリベレーター」で登場が決まった蛮族「コウジン族」と、彼らが信仰する「豪神スサノオ」について思い付きを少々。
コウジン族は亀のような外見で海中に住み、商才に富んだ交易的な種族だと紹介テキストには書かれております。トレイラーではコウジン族の拠点のように見える建物がちらっと登場しますが(2分35秒あたり)完全に「龍宮城」のイメージですね。龍宮城に亀が住んでます。あらめでたい。
豪神スサノオについてはまだ名前しか分かってないので空想するのも
アレなんですが、
そういえば日本神話に出てくるスサノオも「海底に住んでいる」という説があります。
スサノオは天上の高天原を追われて葦原国(日本)に渡り、最後には『根の国底の国』に渡ったとされています。イナバの白兎の話でおなじみのオオクニヌシが、根の国の帝王になったスサノオに対面する話が古事記にはあります。
この根の国が地底にあるとも海底にあるとも言われているんですね。
神社で唱えられる『大祓詞』《おおはらえのことば》はお祓いで落とされた罪穢れが何処に流されていくのかを描いているのですが、川に流され海に流れ着いた罪が最後に消えていくのが海底の根の国だと描いています。
〝斯く息吹放ちてば、根の国底の国に坐す、速流離姫《はやさすらひめ》といふ神、持ち流離《さすら》ひ失《うしな》ひてむ。
斯く流離ひ失なひてば、罪といふ罪はあらじと、祓へ給ひ清め給ふことを、天つ神、国つ神、八百万の神たち、共に聞こし召めせと白《もう》す……〟(速流離姫はスサノオの娘の名前であります)
まあ要するに『根の国』とは棄てられたものが沈んでいく海の底にあるのだと昔は思われていたのであります。
さて一方、古事記では根の国に引っ越していったとされるスサノオは民間の伝説では龍宮にいったとも描かれました。
幕末の薩摩藩士の名越左源太という人は不思議な話を集めるのが好きな人で、田舎の人達から聞いて歩いた古いお話を『南島雑話』という本にまとめています。そこにはこんな話が紹介されていました。
〝スサノオ尊、天下にましまして、此の大海原沖津小島に汐の中宿りなしたまひて、龍宮に宮居なしたまふと、島人の云ひ伝へ奉りし……〟
(スサノオ様は天から降りて来ると、大海原が荒れる最中に小さな島でお休みになられ、その後竜宮城に行って王様になられた。島の人達はそう云い伝えている) まあ要するに「海の底にある国なら龍宮城とおんなじだべ」と思われていたようで、神話に出てくる根の国と亀が迎えに来てタイやヒラメが舞い踊ってる龍宮城は一緒だと考えられていたようです。となればスサノオノミコトと龍宮城の亀も無関係ではなくなってくるわけで・・・。
折口信夫という民俗学者もこのへんを根拠に根の国海底説を説いておりまして、たぶんこのへんの説をモデルにコウジン族とか豪神スサノオの設定は練られたたのかな~と思っています。
FFの召喚獣(蛮神)って名前の拝借先の神話とほとんど何も関係がないんだけど、スサノオはシリーズ初登場のオリジナル蛮神だけあってかわりとネタ元の神様の姿が見える気がしますネ。