2002年にFF11を始めたときからタンクが好きだった。
MMOは初めてだったから、タンクが敵を引き付けて、DPSが攻撃し、バッファーが補助、ヒーラーが回復するという役割分担のあるマルチプレイヤー協力バトルに魅せられた。
敵を引き付けるには隠しパラメータのヘイトの値を上げねばならない。PTメンバーの中で一番ヘイトの値が高いキャラクターに敵の攻撃が向くからだ。
タンクが敵を引き付けないと、ヒーラーなどは数発攻撃されると死んでしまう。DPSもそう変わらない。誰も死ぬことなく安定して敵を倒すには、タンクがしっかりヘイトを稼がねばならない。
ところが、ヒーラーのケアルやDPSの攻撃で彼らのヘイト値も上がってしまうから、タンクが油断すると、すぐ敵のターゲットがPTメンバーに向かってしまう。だから、タンクはアビリティやウェポンスキルを使って必死にヘイトを稼ぐ。
これが面白い。(この”遊び”はFF11のモデルだった「エバークエスト」というゲームの発明らしい)
敵のターゲットを安定させるには、タンクだけでなく、ヒーラーやDPSの協力も必要だ。戦闘序盤、タンクが十分にヘイトを稼いでいない状況では、回復を控えめにしたり、攻撃の手を緩めたりしてタンクよりヘイトが上回らないように調整する。
DPSは全力で攻撃したいのは当然だけれど、敵のターゲットが安定しないと結果として敵を倒すのに時間がかかってしまうし、ヒーラーのMP回復が余計に必要になる。
だから、そのPTのベストの状態にするために柔軟にプレイできる人が、本当に上手い人ということだ。そして上手い人が集まると、お互い阿吽の呼吸でそのPTのベストを引き出していく。
ネットを介したPTメンバーで相手の顔も名前も知らないのに、そういったPTでは無言の意思疏通と一体感が生まれてとても楽しい。一人で遊ぶゲームでは味わえない感覚だ。
こういったヘイト管理や、PTメンバーとの阿吽の呼吸などがMMOのバトルの醍醐味だと思っていた。
当然FF14でも新生当初はこの”遊び”が用意されていた。タンクのコンボはダメージを出すというよりヘイトを稼ぐ効果が付いていた。
ところがパッチ5.xシリーズ、漆黒から、特に工夫なくすぐにヘイトを稼ぐことができ、敵の攻撃の向きがふらつくことがなくなった。
エンタメが氾濫して、なによりも時間が貴重なこの時代、ヘイトが安定しないグダグダのPTに当たりたくない、たまに上手い人に当たる喜びよりも、安定して毎日楽しめる方が良い、と考える人が多くなるのも当然だと思う。俺自身、そういう気持ちもある。
だから、今後ヘイト管理という”遊び”・・・PTメンバーとの阿吽の呼吸・・・一体感・・・上手いプレイを見たときの感動・・・それはもう時代遅れで、戻ってくることはないのだろう。
・・・私なんかには、ちょっぴり淋しいけど、それもしかたがない事ね・・・。じゃ・・・バイバイ・・・タンク・・・。
なんつってな!